キャンピングカー生活に興味を持つ人が増えていますよね。自分の家がそのままどこでも移動できる自由さや、冒険心をくすぐるライフスタイルに憧れる方も多いのではないでしょうか。でも、その一方で「やめる理由」や「挫折するポイント」も気になりますよね。
私たち夫婦は50代で早期退職し、中古のワゴンRからキャンピングカー生活をスタートし、現在はハイエースで日本一周を楽しむ日々を送っています。でも、この生活を続けるためには多くの工夫や課題の乗り越えが必要でした。
この記事では、キャンピングカー生活のリアルな魅力と現実、挫折の要因、そして成功するためのコツについて、実体験を交えながらお伝えします。
これからキャンピングカー生活を始めたい方や興味のある方にとって、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。それでは、私たちが感じたこの生活のリアルを一緒に見ていきましょう!
キャンピングカー生活の魅力と現実のギャップ
自由と冒険がもたらす魅力とは
キャンピングカー生活の一番の魅力は、やはり自由で冒険心を満たせる点ではないでしょうか。家を移動手段に変え、日々の生活の枠を超えた体験ができます。
私たち夫婦も、千葉の家を離れ、日本各地を旅する中で、湖畔で読書をしたり、美しい夕焼けを眺めたりと日常では味わえない贅沢な時間を過ごしてきました。朝起きたとき、「今日はどこで過ごそう?」と自分たちで決められる新鮮さ。それが大きな魅力だと実感しています。
さらに、キャンピングカーならではの「ノマドライフスタイル」は、旅をしながら仕事ができる環境にも通じます。私たちの場合、夫はITコンサルタント、私はライターとして働いていますが、パソコンとデータ通信環境が整えばどこでも仕事ができるので、心地良い景色に囲まれながら働けるのは魅力的でした。
事前の理想と現実の違い
ただ、いざキャンピングカー生活を始めると、事前に思い描いていた理想と現実のギャップを感じる場面が多々ありました。例えば、旅を続けるうちに感じる「生活の維持管理」。道の駅やキャンプ場で生活するのも楽しいですが、水の補給や排水処理、電気の確保など、思った以上に手間がかかるものです。
また、私たちは最初のころ、レンタルや中古の軽キャンピングカー(スズキのワゴンR)で旅を始めました。その手頃な価格や取り回しの良さは魅力でしたが、実際に長期間暮らしてみると、狭さや収納スペースの不便さを痛感しました。
理想を実現するために、徐々に自分たちに合った車を探す必要があると気づきました。
日常の生活環境の変化が大きい理由
キャンピングカー生活で一番大きな変化は、「日常」そのものが大きく変わることです。家にいると当たり前のようにあった水道、コンセント、快適なトイレやお風呂。旅の中では、これらの基本的なインフラも自分たちで管理する必要があります。
ある冬の日、私たちは北海道に向かう途中に寒波に見舞われました。車内で過ごす時間が増える中、暖房をつけっぱなしにするとバッテリーの心配をしなければなりませんし、外は寒くても頻繁にガス補給や燃料補充に立ち寄る必要がありました。
こうした環境の変化が、キャンピングカー生活をやめる理由になる人もいるのかな、と感じます。
期待する楽しさと実際の苦労
キャンピングカー生活を始める前、私たちはネットや雑誌の記事で「自由なライフスタイル」や「ストレスのない暮らし」をイメージしていました。でも実際には、想像していなかった細かな苦労もありました。
たとえば、旅の途中では駐車場探しや泊まる場所の確保に毎日頭を悩ませることも。それに加えて、地域ごとに異なるルールやマナーをしっかりと守らなければいけません。特に、車中泊が禁止されているスポットも増えており、事前計画の重要性を痛感しました。
こうした現実的な課題が、キャンピングカー生活への挫折につながるポイントなのかもしれません。
一方、こうした困難をひとつひとつ乗り越えることで、旅そのものの達成感や充実感を味わうこともできました。苦労ばかりではありませんが、理想だけに期待するのではなく、現実的な面もきちんと考慮することが大切だと思います。
関連)
キャンピングカーの駐車場選び!車庫証明や月極駐車場、旅行先の駐車場
キャンピングカー生活をやめる主な理由
運転疲労と旅の疲れ
キャンピングカー生活を始めて最初に挫折を感じるポイントとして「運転疲労」があります。キャンピングカーはサイズが大きいため、小回りがきかず運転には神経を使います。特に狭い山道や、都市部で駐車場を探すときはストレスが溜まりやすいですよね。
私たちも日本一周の旅を計画した最初の数週間は、とにかく運転が楽しいと思っていました。でも、長時間の移動が続くと肩や腰が痛くなり、目的地に着いても疲れて観光する気力が湧かなくなることも。
その結果、「せっかくここまで来たのに何もしないで通過しちゃった」なんて後悔することがありました。
さらに、運転以外にも旅の日々の移動には体力を奪われる部分があります。私たちは途中から計画を見直し、「1日移動したら2日は同じ場所に滞在する」というルールを作ることでなんとか乗り越えることができましたが、それでも根本的な運転疲労は避けて通れない課題だと感じています。
収入の不安定さとコスト増
キャンピングカー生活をやめる理由として、「思った以上にお金がかかる」と挙げる方も多いです。私たちもフリーランスとして収入を得てはいるものの、最初の数ヶ月は予想外の出費にヒヤヒヤしました。
例えば、ハイエースのオイル交換やタイヤ交換などの車両メンテナンス費用。それから、長期旅をするとガソリン代もバカにならないんですよね。
また、旅の途中で気軽にコンビニや道の駅のテイクアウトを利用していると、意外と食費が跳ね上がります。家で自炊していたころの感覚で考えていると、大きな予算ズレが生じるんです。加えて、収入の不安定さも課題です。
フリーランスの仕事ではキャンピングカーからでも働ける自由さがある反面、思ったように案件が取れなかった月は節約に追われる日々。突然のコスト増と収入の不安定さ、この2つの要因がキャンピングカー生活のリアルな壁になっていると実感しました。
孤立感や人間関係の変化
キャンピングカー生活をしていると、知らぬ間に人とのつながりが薄くなってしまうことがあります。特に「家」という拠点がないと、帰省のタイミングや友人との約束を合わせるのが難しいんです。
私たち夫婦も、子どもたちに「今どこにいるの?」と聞かれることが増え、時折「ちゃんと帰れる家があった方が安心だよね」と言われたことも。
また、旅先では人と交流する機会もありますが、どこか表面的な会話で終わることも少なくありません。地域のコミュニティに根付いたつながりとはまた違う、旅人同士の関係。それも良さではありますが、慣れないうちは孤立感を強く感じるかもしれません。
私自身も一時的に「なんだか孤独だな」と感じた時期がありました。その際には、オンラインコミュニティに参加するなどして、遠くの人とも連絡を取ることを意識しました。
駐車場と居住地の問題
キャンピングカー生活の大きな課題のひとつに、駐車場や居住地の問題があります。特に都市部では駐車スペースを見つけるのが難しく、場合によっては高額な駐車料金がかかることもしばしば。
私たちも、都会に入りたくても駐車事情を考えて何度も断念した経験があります。観光したかったスポットに行けないのは、ちょっと残念ですよね。
さらに、キャンピングカーを停めておく場所にも規則があったり、静かな環境を求める際にはキャンプ場やRVパークを頼る必要があります。それ自体は快適ですが、長期滞在となると費用もばかになりません。私たちは旅に出る前に一度クラウド郵便サービスを利用して住所問題をクリアしましたが、問題はその後の居住場所。そして、帰宅するまでの間、いつも「自分の家が恋しいな」と感じていました。
自由度の高いライフスタイルの裏には、こうした駐車場や居住地の維持管理に関する現実的な課題も潜んでいます。これらをしっかり理解した上で、計画を立てることが重要だと感じました。
関連)
キャンピングカー 生活の費用はどれぐらい?50代夫婦の夏、冬の具体事例
挫折しやすいポイントと乗り越え方
長期的な計画不足の影響
キャンピングカー生活において、長期的な計画がない場合の影響は経験してみて初めて分かることが多いです。
例えば、私たちも旅を始めた初期の頃は、行き当たりばったりのスケジュールで進んでいました。「自由なライフスタイルを!」と意気込んでいたのですが、途中で急に予定を組むのがストレスになってしまったんです。
宿泊場所や食材の調達先、さらには週末や連休の観光地の混雑状況などを考慮しないと、思った以上に移動も生活も難しく感じられることがありました。
特に長期の旅では、「次どこに行く?」という曖昧さが続くと疲れてしまいます。この乗り越え方として、私たちはざっくりした行程表を作るようにしました。
例えば「1ヶ月後にはこの地方にいる」くらいのゆるい目標を決め、それに従って柔軟に移動するスタイルです。これにより自由さを保ちながらも安心感を得られるようになりました。
寒暖差や季節ごとの生活の困難
キャンピングカー生活では、寒暖差や季節の変化が一番大きな挑戦です。冬場は車内が寒く、夏場は蒸し暑くなりがちです。
真冬の北海道での旅では、夜間に水タンクが凍りつく経験をしました。その翌朝にはお湯で解凍しながら、水が使える状態に戻すという苦労がありました。
私たちはこれを教訓に、外部電源が利用可能なRVパークやキャンプ場、夏には涼しさを求めて標高の高いエリアを選ぶなど、季節に合わせた工夫を心がけるようになりました。
また、車内に断熱マットを敷いたり、窓にシェードを付けたりして寒暖差を緩和するDIYを行うことで生活環境がかなり快適になっています。
車両メンテナンスの負担
移動が多いキャンピングカー生活では車両のメンテナンスが避けられません。これは意外と見落とされがちなポイントです。私たちもハイエースを購入した際、タイヤ交換やオイル交換など想定外の維持管理費用が発生しました。
さらに長距離移動を繰り返すため、エンジンやブレーキの点検が頻繁に必要になります。
解決策としては、定期的な車両点検のスケジュールを最初から組み込むことが重要だと学びました。私たちは信頼できる整備工場を旅先でリストアップし、エリアごとにメンテナンスを依頼するようにしています。
また、DIYでできる範囲の整備(例えばエアフィルターの交換)にも挑戦してコストを抑えています。
周囲のサポート体制の乏しさ
キャンピングカー生活をする中で孤独を感じる人も多いようです。そしてこれが挫折のきっかけになることもあります。
私たち夫婦も初めての長期旅で、知り合いがいない土地ばかりを移動する日々に「もしものときどうしよう」という不安を抱えました。特にトラブルや体調不良時に助けを得られる環境が整っていないと、精神的には大きな負担です。
この課題を乗り越えるために、私たちは旅の情報を共有するSNSコミュニティや、キャンピングカー仲間が集まるイベントに積極的に参加しています。また、日本RV協会が展開するネットワークの利用もおすすめです。
現地で出会う人々との繋がりから、困ったときに助け合う仲間ができるケースもありますよ。そのおかげで完全に自分たちだけで孤立している感覚から脱却できました。
関連)
バンライフの内装DIY!50代夫婦が挑戦する塗装や便利な収納
成功するキャンピングカー生活のポイント
事前に予算をしっかり計画する
キャンピングカー生活を成功させるためには、まず予算をしっかりと計画することが大切です。
初期費用だけではなく、月々の維持費用や突発的なトラブルに備えた予備資金も視野に入れる必要があります。私たちの場合、最初に家計簿アプリを活用して、毎月の生活費やメンテナンス費用を細かく記録しました。
例えば、ガソリン代やキャンプ場の利用料、必要な装備の修理費など、思いのほかコストがかかる場面が多いです。無計画に始めてしまうと、途中でやめる人の理由の一つに挙げられる「収入の不安定さ」に直面する可能性もありますよね。
コミュニティ作りを意識する
キャンピングカー生活では、孤立感が挫折の原因になりがちです。私たちも最初は感じることがあり、これを克服するために同じような生活をしている人々とのコミュニティ作りを意識しました。
例えば、SNSやキャンピングカーのイベントに参加することで、趣味や価値観を共有できる仲間に出会うことができました。中でも「道の駅」やキャンプ場での出会いは特に貴重で、生きた情報交換の場です。
私たち夫婦は、このようなネットワークを持つことで、旅先での孤独が減り、大きな支えになったと感じています。
適切な車両と装備の選択
車両選びは、キャンピングカー生活の快適さを大きく左右します。
最初にレンタルでいくつかの車を試し、その後スズキのワゴンRにしましたが、居住スペースが限られるため長期の旅には向きませんでした。その後、ハイエースに乗り換えたことで生活の幅がぐっと広がりました。
また、装備も重要です。ポータブル電源やウォータージャグなど、実際に生活する中で必要だと感じたものを少しずつ揃えました。
このように「自分たちのライフスタイルに合う車両と装備をしっかり選ぶ」ことが無駄な負担を避けるポイントです。
柔軟なライフプランの考え方
予定通りにいかないことも多いのがキャンピングカー生活のリアルです。
私たちも「1年で全国を回ろう」と計画していたものの、天候や体調の変化、コスト面での負担から予定を変更せざるを得ないことがありました。しかし、無理をせずその都度柔軟に対応することで、逆に予定外の良い出会いや経験が増えたとも感じています。
あらかじめ「絶対にこうする」という硬い目標を立て過ぎず、柔軟さを持たせたライフプランを作ることが、挫折を防ぐカギだと思います。
小さな成功体験を重ねること
最初から「完璧」を目指すと、どうしても失敗に目が向いてしまいがちですよね。でも、キャンピングカー生活では小さな成功体験を積み重ねることが大切です。
例えば、最初に「自分たちでご飯をキャンピングカーの中で作る」「1週間、水と電気をしっかり維持管理する」など、小さな目標を達成するたびに自信がつきました。その成功体験がモチベーションにつながり、結果的に生活全体の楽しさに直結します。
焦らず一歩一歩進んでいくことが成功の秘訣ですね。
関連)
キャンピングカー生活の準備にかかった期間は?日本一周に出かける前にやったこと
まとめ
キャンピングカー生活は、自由なライフスタイルや新しい冒険を求める方にとって魅力的な選択肢です。しかし、その反面で維持管理や日常生活の困難さ、収入の不安定さなど、現実的な課題もあります。それらのリアルな側面と向き合うことが大切です。
挫折しやすいポイントを理解し、しっかりとした計画や準備を整えることで、キャンピングカー生活への挑戦はより楽しく、充実したものになるでしょう。
特に「運転疲労」や「駐車場問題」などの課題に対し、事前に対策を考えておくことが必要です。また、快適に過ごすためには適切な車両や装備の選択、費用面での管理、そして孤立感を防ぐためのコミュニティ形成なども欠かせません。
私たち夫婦は、数々の挫折や試行錯誤を乗り越えながら、このライフスタイルを満喫しています。失敗談もありますが、それは「学ぶ機会」でもありました。
もしこれからキャンピングカー生活を始めたいと思っている方がいれば、この記事が少しでもお役に立てば嬉しいです。そして、何よりも「楽しむ気持ち」を大切にしてください。
キャンピングカー生活のリアルとは、理想と現実が交錯する冒険そのもの。失敗を怖れず、自分らしいライフスタイルを築いていきましょう!
コメント