産官学連携で功労者表彰「総務大臣賞」受賞! 泡消火剤誕生の軌跡 

  1. 14.海の豊かさを守ろう
  2. 6.安全な水とトイレを世界中に
  3. 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  4. 12.つくる責任つかう責任
  5. 15.陸の豊かさも守ろう

 1995年1月に発生した阪神・淡路大震災で断水により消火活動が難航したことがきっかけで、水をできるだけ使わない消火剤の開発が始まりました。無添加せっけんの製造技術を持つシャボン玉石けん㈱は、1999年から開発に着手し、2001年には北九州市消防局から正式に開発を依頼されました。そして、2003年から国際環境工学部の上江洲教授らの研究グループも加わり、「産官学連携」による開発が始まりました。市は米国製の合成系泡消火剤を使用したこともありましたが、鎮火後に薬剤を洗い流す必要があり、その薬剤が流れ着く川や海、そして水田への環境汚染が問題視されました。そこで、合成界面活性剤を使用せず動植物への影響が少ない泡消火剤が開発されました。泡消火剤は、環境面への配慮だけでなく、消防車のコンパクト化や、放水時の負担減による人員の削減、集合住宅の消火作業時に下の階が水浸しにならない等、様々な面でメリットは多く、この泡消火剤を採用する自治体の数も増えています。また、この技術は、海外における林野火災や泥炭火災の消火技術にも応用されています。今後は、油火災等に対応する環境に影響しない消火剤の開発を目指しています。

今泉 健/地域研究支援課
上原 美雪/総務課
吉武 あゆみ/学務第一課
山口 恵子/地域創生学群 4年