これから、司法書士試験の学習を進めるにあたって、多くの方が陥りがちな「やってはいけない勉強法」についてご紹介します。これはあくまで、私の個人的な経験や指導を通じて、「非効率的だ」と感じた点を取り上げるもので、すべての受験生に当てはまるわけではありません。
この記事を読むことで、あなたが今行っている勉強法が本当に効率的なのかどうかを見つめ直すきっかけが得られるでしょう。特に、勉強を始めたばかりの方、なかなか成績が伸びずに悩んでいる方は、ここで紹介する方法を避けることで、より合格に必要な学習に集中できるはずです。
ご自身の学習スタイルと照らし合わせ、参考程度に読んでいただけると嬉しいです。
学習初期からマーカーを引くのは避けるべき
やってはいけない勉強法の一つ目は、学習初期からマーカーを引くことです。ペンを使ってテキストにやたらとマーカーを引くのはあまりお勧めしません。
私もそうだったんですけど、学習を始めたばかりの頃というのは、この試験にとって、そこのテキストに書いているものはどれぐらい大事で、どれぐらい出題されてて、どうなのか、重要なのかどうかっていうことが分かってないんですね、勉強を始めたばっかりなんで。
なので、そのわからない段階でマーカーを引くとですね、後々大事でもないところに引いてたな、という現象が起こります。私、実際そうだったんですね。宅建の勉強のときもそうでしたし、司法書士の学習でもですね、やっぱり新しい教材でマーカー引いたりとかするのが、勉強をやってる気になれてよかったんですけど、実際にはそれやっても覚えてないなっていうことにだんだん気づくんですね。
で、気づいて、そのマーカーを引くのはやっぱり消せないし、消せるペンもね、フリクションとかありますけど、あんまり意味のない作業だなと。なんかこう勉強してる感じになって、気分的にすごい勉強してるっていう気持ちになるだけで、実際にはそのすごい実力がそれで上がるかというと、そういうこともないなーということで、マーカーを引くのは途中からやめました。
なかにはそのマーカーを引くことで覚えるとか、そういった方もいると思うので、そういった方はね、その方法でやってもらえたらいいんですが、私はマーカーを引くとか、その色分けをするとか、そういった勉強はお勧めしません。
過去問を解いたりとか学習を進めていく中で、ここは大事だなとか、ここはよく自分が間違ってるなと、そういった箇所は学習を進めていくうちにだんだん出てくるんですね。そういった点について大事だからチェックを入れておくとか、そういったペンの使い方っていうのは逆に有効だと思います。
ですので、学習初期から引くのではなくって、学習を進めて必要がある部分について、本当に重要な部分について、重要な部分とか、自分にとって苦手だなとか、そういったところについて、そのチェックを入れたりとか、そのような感じでやっていただくのが一番いいかなというふうに思います。
インプットに偏り、問題演習を避ける
二つ目は、インプットばっかりする。
これって、どの試験の受験生の方でも結構いらっしゃるのかなと思うんですけど、インプット、そのテキストを読むだけの勉強をすごく行ってしまう。で、過去問についてあんまり解いてないですとか。
そういう方とやっぱりその受講相談とかでお話ししたときに、よく言われるのは、問題を解いて間違えるのが怖いとか、あとは、まだ自分はその問題を解けるレベルじゃないから、テキストでしっかりその知識を入れてから問題を解きたいとか、そういうことをおっしゃられるんですね。
その気持ちは私もわかるんですけど、問題を解かないと実力はつかないです。まずはもう過去問を解く。できてない段階から。完璧になるっていうのはなかなかこの司法書士試験みたいなこういう試験ではないです。
なので、その間違えることを過度に恐れても仕方ないというか、逆にその完璧に近づけたいのであれば、もっと初期の段階から、問題をガンガン解いた方が良いです。なので、その間違えるのを恐れて何もしない、そのまま何もしないというか、そのテキストを読むということばっかりしてしまうのは、せっかく勉強してるのにもったいないなというふうに思えます。
なので、司法書士の受験生の方でも本当に結構割合的にもいらっしゃると思うんですけど、インプットを最優先にするのではなく、その問題演習が足りないなという方は、過去問を解いていただければというふうに思います。
手を広げすぎるのは危険!教材は一つに絞り込む
次が3つ目です。いろんなものに手を出す。
いろんなもの、例えば実務型の本とかに、受験生の段階で手を出すのは正直あまりお勧めしません。実務の本っていうのも、もちろん勉強になる本はたくさんありますし、私もその講義の予習とか、実際に使うために書籍っていうのは買ってますが、その受験に合格する、試験に合格するための勉強としては、いろんなものに手を広げすぎるっていうのは、一つのものをやり込むということが逆にできなくなってくるということになるので、お勧めできないです。
で、おすすめとしては、もうこれと決めた教材と、言い方は悪いんですけど、心中するというような気持ちでやる。もうテキストはこれ、過去問はこれという感じで、その講座を受講する場合は、もちろん、どこの講座の場合であっても、その決めたものをしっかり仕上げていく。その完璧っていうのはなかなか大変ですけど、完璧を目指してやっていくことが大事かなと思います。
あとは、その教材っていろんなものが今市販されているので、買ってみようかなというか、買い足そうかなっていうふうになる教材がたくさんあると思うんですが、何か買い足すときは、自分にとって何の意味があるのかをよく考えて、買う。その目的を明確にして買うことを勧めます。
基本的に必要な教材って、極端に言えばテキストと過去問だけなんですね。もちろん、本試験前に、直前期といわれる時期に、模試を受けたりとか、答練を受けたりとか、そういったことは必要だと思うんですけど、普段の日頃の学習の基本の教材はもうテキストと過去問になります。
ですので、その他に例えば、自分はその不動産の登記の雛形は覚えられていないから、雛形を覚えるために雛形集を買おうとか、あと、記述式が全然わからないから、記述式の問題集を買おうとか、電車とか移動中とか、仕事の休憩中とか、そういったときに持ち歩いて気軽に見れるものが必要だなっていう時に、まとめの教材を買うとか、そういった感じで、何か買い足すアイテムを買い足すときっていうのは、目標を明確にした方がいいです。
なんとなく買って、でも全然読んでなくて、その試験直前でもね、もう新品同様の教材がいっぱい家にあるっていうのは、金ももったいないですし、なんかそれぞれが中途半端になって終わってしまうと思いますので、何か買うときは、ちゃんと目標を明確にするというのをお勧めします。
あとさっき言ってた、このこれと決めた教材と心中するっていうことを言ったんですけど、この教材っていうのは、講座を取るなら、もうその講座で出てくるテキストとか過去問集が一緒に付いてくるならそういったもの。
お勧めしないというか、気をつけないといけない点としては、その足りないもの。例えば、その移動中とかに見るようなそのまとめ本とかっていうのは、あくまでもそのまとめてるだけであって、網羅性がありませんよね。
そういった足りない教材をいくらそのメインにしても、もともと足りてないのに、足りてないものをずっと繰り返してるっていう感じになってしまって、それだと基準点には行くけど合格点には到達しないとか、そういったこともありえますので、なんかその自分でこれだと決める教材については、足りてるもの、その合格するのに必要な知識がちゃんと掲載されているものを選ぶと。
自分は分かっているところは学習を進めていくうちに、どんどん読む、読み飛ばして行ったりとか、優先順位が低いものを読み飛ばしていったりとか、そういったことは、もともとのページ数は多少多い教材でもできます。
なので、そのもともとすごく薄くてすぐ回せていいなっていうふうに思うものっていうのも、魅力的だとは思うんですが、足りないっていう危険がありますので、結局一生懸命勉強してても足りなかったら意味がないので、ちゃんと足りるものっていうのを選ぶ。足りる講座とか、足りる市販のテキストとか、そういったものを選ぶようにしてください。
まとめ
1つ目がマーカーを学習初期から引くこと、2つ目がインプットばっかりするということ、そして3つ目がいろんなものに手を出した。その手を出すときは目標を明確に。
このあたりに気をつけていただけると、効率的なというか、合格に必要な学習っていうのはできるかなというふうに思います。
あとは、何かその学習していて、気になる論点をすごく調べすぎるとか、ネットで自分で何時間も調べてしまって、勉強時間が減ってしまうとか、そういったこともちょっと危険なんですよね。
講座を利用している方は、わからないこととかあれば、その質問の制度とかがあるはずなんで、その講師の先生に聞いてもらった方が良いです。そうすると、その講師は基本的には、その試験に必要ないですよっていうものだった、そういったことをアドバイスしてくれると思いますので、そのように言われたらそれ以上追っかけないで。
独学の方は、そのあたりの見極めがすごく難しいところだとは思うんですが、その基準としては過去問で問われているか。問われそうなのかどうかとか。基本的にですね、争いありとかって意見が分かれているような問題というか論点であれば、司法書士試験的には出題しにくいものになっていきますので、そういったところに時間をかけすぎない。
その調べるっていう作業的な時間はすごくもったいないので、もっとちゃんと出題されるところ、その明確に答えは出ているところについて仕上げていくと。そのような意識を持ってもらうと、無駄な時間なく勉強していただけるかなと思います。
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