模試の成績に一喜一憂するな!司法書士試験合格者が明かす、記述式対策と時間配分

僕は今は司法書士として仕事をしていますが、当然、司法書士試験と経験しています。

司法書士試験には答練や模擬試験がつきものですが、皆さんは、答練や模擬試験のことをどう考えていますか?

「予備校のカリキュラムに入っているから、とりあえず受けている」とか、「模試の点数に一喜一憂しちゃって、正直しんどい」って人が、結構いるんじゃないでしょうか。僕も昔はそうでした・

特に、最初の2回の受験は、もう本当に模試のせいで精神状態がボロボロでしたから。

ただ、今だから断言できます。あの苦しかった受験期間を通して、僕は答練と模試こそが、合格への一番の近道だったと確信しているんです。特に、僕みたいに予備校に通っているのに、なかなか合格できないっていう人には、僕の経験がすごく役立つんじゃないかと思っています。

この記事では、僕が「ただ受けるだけ」の失敗から、「戦略的に活用する」成功に至るまでの道のり、そして模試・答練の本当の価値について、包み隠さずお話ししていきますね。

模試や答練は「必須」だった!何回も落ちた僕が痛感したその理由

「答練や模試は必須ですか?」って、よく後輩の受験生からも聞かれるんです。

世の中には、独学で一発合格する「規格外のすごい人」もいるのは事実です。彼らから見たら、僕らの悩みなんて取るに足らないのかもしれない。でも、僕のような凡人含め、多くの受験生にとっては、模試や答練は絶対に必要だと、声を大にして言いたい。

というのも、僕自身、予備校の基本講座はちゃんと最後まで受講したのに、初回の受験はあっけなく不合格でしたから。その敗因を分析したとき、一番大きかったのが「答練・模試の使い方がなってなかった」ってことだったんです。

では、なぜそこまで模試や答練が必要なのか。僕の経験から、本当に切実に感じた3つの大事な理由をお話ししますね。

1:「5時間耐久レース」の練習なしでは本番は乗り切れない

皆さんが普段勉強している時って、午前2時間、午後3時間っていった「あの途方もない長さの試験時間」を、休憩なしでぶっ通しで体験することって、まずないですよね。

過去問を解くときだって、たいてい細切れでやっちゃうじゃないですか。僕もそうでした。

最初の受験の時、本番で初めて午前2時間、すぐに午後3時間という流れを経験したんですが、もう体の疲れ方が尋常じゃなかった。午後の3時間の終わりなんて、集中力が霧散して、鉛筆を持つ手も震えそうなくらいでした。

普段の生活で5時間ぶっ続けで机に向かうことなんてないわけですから、当たり前なんですけどね。

予備校の模試や答練は、この「本番の極限状態」を、事前に繰り返し体験できる、唯一のトレーニングの場なんです。

  • 「この辺りで集中力が切れるから、一旦水分補給をしよう」
  • 「午前の択一は、この時間になったら絶対に見切りをつけよう」

などといった、自分だけのペース配分や体力温存の戦略を、試行錯誤できる。

この*「時間配分の練習」*、これを甘く見てはいけません。知識が万全でも、ペースを乱したら全部パーになるのが、この試験の恐ろしいところなんです。

2:記述式の「点になるライン」を教えてくれるのは、模試しかない

司法書士試験の「記述」ほど、受験生を不安にさせるものはないんじゃないでしょうか。というのも、採点基準が非公開、つまりブラックボックスなんです。

僕が2回目の受験で合格できたのは、記述で大きな失敗をしなかったからだと分析しています。その力をつけたのは、間違いなく予備校の答練と模試のおかげです。

初回の受験のときは、「とりあえず書けば点になるだろう」と甘く考えていました。結果、模試の採点が返ってきたとき、愕然としましたね。「え、こんなに頑張って書いたのに、全然点数になってないじゃないか!」*って。

そこから、僕は返却された答案の解説講義や、採点者のコメントを、穴が開くほど見ました。

予備校の先生方も、過去の傾向から「このレベルで書けていれば合格点は来る」という、一種の「型」を持っています。模試はその「型」を答案に反映し、採点を通して「君の答案はこの線に届いていないよ」と、可視化してくれるんです。

特に、添付書面のミス一つで大きく減点されることや、登記の目的の微妙な言い回しが合否を分けること。これらは、自分で問題集を解いているだけでは絶対に気づけない「生きた情報」なんです。

模試を受けて、自分の記述の「癖」や「弱点」を人に指摘してもらうことの重要性を、僕は痛いほど知っています。

3:過去問からちょっと離れた「新しい知識」への恐怖心を消す

最近の司法書士試験って、過去問の知識だけで満点を取ろうなんて、もう無理な話なんです。合格に必要な8割以上の点数を取るには、過去問でカバーできない「プラスアルファの知識」、つまり未出の論点や、最新の法改正事項に対応しなきゃいけない。

僕たち予備校生は、テキストや基本講座で基礎を固めますよね。でも、模試や答練は、その基本から一歩踏み込んで、「もし今年の試験で、こういう角度から問われたらどうする?」という、予備校の予想が詰まっているんです。

特に法改正は新しい話だから、過去問がない。この「空白地帯」への対応力をつけるためにも、予備校が総力を挙げて作る答練や模試は、絶対に必要不可欠な教材だと感じました。

本番で見たことのない論点が出たとき、「ああ、これは答練で見たやつだ!」と思えるかどうかで、メンタルの安定度が全然違ってきますからね。

答練・模試の選び方と適切な受験回数:戦略は「慣れないこと」

答練や模試を何回受けるべきか、どの予備校を選ぶべきか。これは本当に悩みますよね。

僕も最初はいろんな予備校の模試に手を出しそうになりましたが、結局は「多すぎても消化不良になる」と悟りました。

僕のオススメは、ズバリこれです。

  • 答練(演習問題): カリキュラムに入っている分をきっちり。
  • 模擬試験(本番形式): 2社受けるのが理想。

なぜ模試を2社かというと、「慣れ」を排除したいからです。

この記事を読んでる方は、多分、普段利用している予備校のテキストや答練で勉強しているでしょうから、その予備校が作る模試は、なんとなく「こう来るだろう」という予想が立ってしまうんですよ。

すると、実力以上に良い点が取れちゃって、「僕、結構いけるじゃん!」って勘違いするんです。僕が初回の受験でそうでした。

だから、もう1社、全く違う予備校の模試を受けてみてください。出題の傾向も、問題の切り口も、見た目のフォーマットも、全部違う。その中でしっかり点数が取れたら、それは「本物の実力」です。

逆に、そこでガクッと点数が落ちたら、「ああ、まだ応用力がないな」って、客観的に自分の弱点を確認できるんです。この客観的な視点こそが、合格には欠かせません。

答練・模試の活用方法:点数なんか見てる場合じゃない

さて、これが最も大切な話です。

僕が3回目の受験で合格できた一番の秘訣は、模試の「活用方法」を根本から変えたことです。

1回目、2回目の頃は、返却された模試の点数を見て、一喜一憂ばかりしていました。点数が良ければ天狗になり、点数が悪ければ「もうダメだ…」って机に突っ伏して。このメンタルの波こそが、不合格の原因だったと思っています。

だから、点数なんか、気にしないのが断然おすすめ。

模試を受ける真の目的は、「点数を取ること」*ではなくて、「本試験前に、自分の弱点を全部見つけること」です。極端な話、模試でたくさん間違えるほど、「本番で失敗するリスクを減らせた」と考えたほうが、精神衛生上もずっと良いんです。

復習こそが命:「間違えた肢」を「間違えた問題」として扱う

模試や答練の後は、復習に全力を注いでください。僕自身、模試を受けてから本試験までの期間は、新しい勉強をほとんどせず、ひたすら模試の復習だけをやっていました。

択一の復習でやってほしいのは、「合っていた問題」も信用しないことです。

例えば、5つの肢のうち3つしか自信を持って判断できなかったのに、結果的に正解だった問題ってありますよね。そういう問題こそ、「間違えた問題」と同じくらい重要です。

判断に迷った肢は、全て「自分の知識の穴」だと認識してください。そして、なぜその肢が正しかったのか、なぜ間違っていたのかを、テキストや条文に立ち返って完璧に潰し込むんです。この作業をサボると、本番で必ず裏切られます。

そして、記述式。僕が特に時間をかけたのが、添付書面の確認です。

記述式は、申請書だけでなく、添付書面を間違えると大きく失点します。「なぜこのケースではこの書面が必要なのか」を、自分の言葉で説明できるまで、解説を読み込んでください。

申請書と添付書面はセットで完璧にする。この執念が、最後の2割の差を埋めてくれます。

僕の長年の受験生活は、この答練と模試の活用を軌道に乗せてから、ようやく終わりが見えてきました。皆さんには、僕みたいに遠回りしてほしくない。ぜひ、この記事を読んで、明日からの勉強に活かしてください。心から応援しています。

まとめ

  • 予備校に通い複数回受験を経験した者として、答練や模試は本番の時間配分に慣れる、記述式の採点ラインを把握するために「必須」だと強く思う。
  • 特に模試は、普段利用している予備校とは別の1社を必ず受けることで、自分の実力を客観的に、そして本番に通用する力として確認することが望ましい。
  • 模試の点数に一喜一憂することは、時間の無駄である。あくまで「弱点を特定するための道具」として割り切り、本試験で成功するための材料にすべき。
  • 復習では、択一は**「判断に迷った肢」も含めて全てを弱点と見なし、記述は「添付書面」まで徹底的に理由付け**をして完璧に潰し込む。この復習こそが、合否を分ける。

僕自身、3回目の受験で合格できたのは、模試や答練を単なるテストとしてではなく、自分の弱点を教えてくれる「貴重な情報源」として捉え直したからだと思います。

合格を掴むためには、この「使いこなし方」が本当に重要になってきると思います。この経験が、皆さんの努力を正しい方向へ導く一助となれば嬉しいです。

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