社会人にこそ人気?司法書士試験の合格者の平均年齢とメリットを解説

今回は、現役の司法書士として、社会人に人気の理由や、社会人が司法書士を目指すメリットについてお話しさせていただこうと思います。

事務所での勉強会や連携セミナーでも、お仕事を持ちながら夜の授業に参加される方も多い一方、朝の時間帯を活用して学ぶ受講生も着実に増えています。多少遅れつつも、熱心に勉強されている方が多いですね。

実は、法務省が公表している直近5年の統計でも、社会人の合格割合が年々増加しています。直近5年の合格者の平均年齢は40歳前後で推移しており、最高年齢では80歳の方も合格されています。学生の方から引退された方まで幅広く参加されていますが、教室を見渡しても30代、40代の方がたくさんいらっしゃる印象です。

この記事では、社会人が司法書士を目指すメリットや将来性について、私自身の実務経験と受験体験を交えて詳しくご紹介します。筆者プロフィールは「このサイトについて」をご覧ください。

司法書士の主な業務

まずは司法書士がどういう業務をしているのかということで、司法書士の主な業務をご紹介します。ご存じの方も多いと思いますが、私自身は試験を始めた当初、業務内容をよく理解できていませんでした。そこで簡単にご紹介します。

主な業務内容と社会貢献

司法書士として日々業務に携わる中で、主な実務内容は以下のようになります。

  • 不動産登記業務:いわゆる不動産、土地とか建物の名義の変更です。例えば売買がありました、贈与がありました、相続がありましたというときに、名義を変えていくお手伝いをします。
  • 会社とか法人の登記:株式会社、合同会社、一般社団法人、医療法人、社会福祉法人、宗教法人といった、例えば代表者とか役員さんが変わっていった場合に、登記のお手伝いなんかをさせていただいています。
  • 裁判所に提出する書類の作成業務:訴えがあったからその書類を作ってくださいとか、あとは相続放棄の書類を作ってくださいとか、そういうのが多いのかなとは思います。
  • 簡易裁判所における代理権:司法書士試験に合格してからでないとまた別のステップにはなってくるんですけども、簡裁場所等で代理権なんかも持っていて、そこでお仕事をするそういうこともできるようになっております。
  • 成年後見業務:こちらの方も司法書士が活躍している分野です。
  • 民事信託(家族信託):最近ちょっと増えてきています。将来の遺言の内容と、その家族信託この辺を合わせながら色々と終活の相談なんかも受けていると。

他にも「その他の社会貢献活動」といってますが、やはり司法書士っていうのは社会に色々と貢献していける業務です。私もそれなりの年齢となり、これまでお世話になった方々へ恩返しができる仕事だと実感しています。

例えば、私も所属する司法書士会を通じて市役所などでの法律相談に参加したり、あとは各種書士会、司法書士会の中では委員会なんかがあって、そこで例えば学校の中に行って法律のことを色々お話しさせていただいたりすることもあります。

他にも消費者問題とかそういうのに関して実際に学校の方に訪問したりとかして色々とお話をさせていただくと、そういう形で社会貢献の形っていうことで、やっぱりこの辺っていうのは社会人だからこそいろいろと今までの経験が活かせる部分なのかなとは思います。

社会人が司法書士を目指す5つのメリット

今からそのメリットですね、社会人が目指すメリットがどういうものがあるのかっていうことで、ちょっと確認させていただきます。

1. 学歴・年齢の制限が全くない

学歴、年齢こちらの制限が全くないです。なので、今受けようかなと思ったこの瞬間からもう目指せる資格です。年齢に制限はなく、幅広い世代の方が受験・合格されています。

2. 独立開業しやすい

実際その試験の性質上、極端な言い方をすると、合格後は登録手続きを経て実務に携われる内容の試験であり、実務への移行が比較的スムーズです。

もちろん登録しないと試験合格しましたっていう次の日にはできないですけども、試験で習ったことがそのまま実務で活かせるっていうことで、独立開業しやすいっていう性質もあります。

あと費用ですね、開業するにあたって普通だったら色々ご費用がかかってくることが多いんですが、極端な言い方をするとボールペンと紙があれば、申請書を書いていくようなお仕事が多いです。

パソコンとか携帯電話とか必要になるかと思いますけども、基本的には本当にプリンターとか文房具関係があれば、すぐに開業できるような、そういう仕事なのかなと思います。

3. 定年がない

お仕事で何歳までというのもあったりとかしますけども、司法書士の場合には本当に元気な限りずっとやっていける仕事なんですね。

このあたりの年齢制限がなくスタートができる、開業がしやすい、定年がないっていうところは、もう社会人の方が思い立ったらすぐにスタートができるような、いい試験なのかなとは思ってます。

4. 細切れの時間活用と精神的な余裕

私自身も社会人の間に試験を受けて合格してるんですが、社会人で一番心配になってくるのは時間との戦いになってきます。

やっぱりこのあたりは時間がたくさんあった方が有利なような感じもするんですけども、特に細切れの時間を日々積み重ねることで、無理なく学習を習慣化できます。

私自身も仕事に行く電車の中であったり、バスを待つ時間、あとは歩いてる間とかもメモなんかを持ち歩きながら、ちょっとした時間を繰り返し繰り返し細切れの時間を使っていくっていうことで、まとまった時間にこだわるより、短時間の積み重ねのほうが有効に機能したと感じます。

あと次に仕事を持っていると「心に少し余裕がある」っていうこともあると思います。

個人差があるかなと本当は思ってるんですけども、これからスタートするにあたって、それなりにやっぱりお仕事を持たれてる方いらっしゃいます。仕事を持ってなかったらこの試験通らなかったらどうしようとか色々心配にはなるんですけども、仕事を持つことで生活が安定し、学習の継続に必要な安心感を保てます。

短期合格を目指す気持ちは大切ですが、働きながら無理なく継続する姿勢こそが結果につながります。経済的な安定もあることで、気持ちを切り替えながら前進しやすいと思います。

5. 人生経験と人脈が活きる

あと人生経験もこれが社会人にとったら本当に重要な要素かなと思ってます。

意外とその歳を取ってから合格したのか、まあ平均年齢くらいで合格してるんですけども、逆にこう貫禄があるようなお客様にも見えるみたいで、色々相続のお話であったりとか、ご親族の話とかを聞くにあたって、やっぱりある程度歳を取ってる方がお客さんの方も安心して話を聞いてもらったりとかもできるのかなと思います。

あとこちらも個人差があるかと思いますけども、人のつながりでお仕事の幅が広がっていくんじゃないかなと思います。

特に今までお仕事されてて、例えば金融機関関係、不動産関係でお知り合いの方いらっしゃるかもしれないです。あとは色々なところでご近所との付き合い、そういうところでいろいろ、ちょっと相談したいんだけどとかね、

そういうところで地域の中でつながりが持ててる方っていうのも、意外とあのいろんなところからお仕事が、ご相談を受けるということで、意外とこう人のつながりっていうのができてる方が、もしかしたらスタートするにあたっていいメリットとして活きてくるのかなと思ってます。

今後の司法書士:未来は明るい

確かに人のつながりもあるし、あとその辺で開業とかできるのはわかったと。ただ司法書士のお仕事としてこの先どういう、業界としてね、どういうふうになってるんだっていうところも気になる方いらっしゃると思います。

この司法書士の業務に関してはこちらです。今ねご存知の方もいらっしゃるかもしれないですけども、まさに良い時期だと思ってます。

相続登記の義務化

令和6年4月1日から相続登記の方が義務化されました。

意外と相続、おじいちゃん、ひいおじいちゃん、そういった土地とかが残ってしまって遊んでしまっている土地なんかが多いと。そこで所有者の不明の土地であったりとかそういうのも関係して、もう相続登記が義務化されました。

相続登記は令和6年4月から義務化され、一定期間内に申請しない場合は過料の可能性があります(法務省発表による)。詳細は最新の法令をご確認ください。

こうなるとやっぱり相続登記ってものすごく資料を揃えないといけないっていうところから始まるので、なかなか個人の方ではできない、じゃあ司法書士にお願いとかっていうふうに、司法書士さんが現在、そしてこれから頼られるっていうことが本当に期待されている状況です。

住所氏名変更登記の申請の義務化

令和8年なんですけども、住所氏名変更登記の申請の義務化です。

名義、例えば売買で買われたらご住所が載ってます。お引越しされた後、いろいろ免許の書き換えであったり、銀行の通帳の書き換えなんか行かれるんですけども、不動産の方の登記の名義の書き換え、こちらの方がね、お客さんの方がほったらかしになってるお客さんっていうのが本当に多いです。

こちらの方も申請の義務化ということで、こちらの方も書き換えがなかったら罰則みたいなのが出てくるようになってるので、司法書士さんにちょっとお願いしようかと、そういうふうにこれから声がかかるっていうふうに期待されてるんだろうと思います。

なんでまさにね、今からスタートしようかなっていう方、本当にいいタイミングだと思います。

まとめ

  • 合格者の平均年齢が40歳前後と、社会人の方の合格が多い。
  • 学歴・年齢の制限がなく、思い立ったらすぐに目指せる資格である。
  • 独立開業しやすく定年がないため、長く働きたい社会人に向いている。
  • 細切れ時間を活用でき、経済的な余裕から精神的な切り替えもつきやすい。
  • 人生経験や人脈が、お客様からの信頼や仕事の獲得に活きる。

司法書士を目指すには好機が続いており、社会人の方にも挑戦しやすい環境が整っています。

どうしようか迷っている方も、朝活など無理のない形で学習を始めることが可能です。日々の習慣を重ねることで、着実に力を伸ばせるでしょう。

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