タイ北部は「チェンマイ」(ChiangMai)を中心としてますが、タイの歴史が北部から始まっていることから古くからの残っている建物なども沢山あり、見どころの多い地域といえるでしょう。
タイ語の方言もやわらかく親しみやすいですし(例えば「チャウ~」など)、人々は優しい、という土地柄。
こうした土地柄含め、暮らしている中で経験する気候やサービス、物価などを元に、タイ在住10年の経験から、北部で暮らす際に実感したメリットを8つご紹介します。
タイ北部に暮らす際の注意点については、以下の記事でもご紹介しています。
タイ北部の地方暮らしで感じた8つのデメリット|移住前の注意点まとめ
1)刺激があり、のんびりもできる
一度でもタイ北部を訪れた経験がある人には「そうそう」と頷いてくれると思いますが、タイ北部に住む最大のメリットは、「異文化の刺激がある」でもあり「のんびりもできる」という2つの違う側面が同居している点にあります。

観光客や地元の人々でにぎわい、異文化の刺激とリラックスが共存する大好きな場所。
タイは文化的には仏教国で、そうした意味では日本と近い感覚もあり観光地は南から北まで沢山あります。(ただしタイの仏教徒日本の仏教は異なるのでお寺に対する考え方は異なる)
その中でも特にタイ北部はタイの中でも歴史が古く、国境は中国、ラオス、ミャンマーと3つの国に接する場所。
他国からの影響が多くあり、首長族に代表されるように数多くの山岳民族もいたりして、バンコクとはまた異なる体験ができる場所でもありますね。
歴史ある場所や山岳民族ゆかりの場所などを訪れたり、チェンマイの街中など人も多く活気のある場所でタイライフを楽しむこともできれば、その郊外、田舎に住み、普段は家でのんびりもできる、ということがまず一番にあげられるメリットになります。
バンコクまでは飛行機で1時間ぐらいなので、バンコクに遊びに行こうという時も、「遠くに住んでいる」という感覚はありません。日本で言えば東京から仙台、東京から名古屋や大阪みたいな距離感でしょうか。
日本に帰る時も、今ではチェンマイ国際空港から大阪への直行便もあり、以前より便利になってますね。
妻の実家はバンコクにあり、半年に2,3回は飛行機で帰省してますが、感覚としては「ちょっと帰る」ぐらいです。
2)日本の食材も手に入る
バンコクに限らず、北部のチェンマイは日本人が多い場所(2023年のデータでは長期滞在している人は数百人ほどで、観光客を含めると数千人規模になるのでしょう)、ということから、スーパーでも日本の食材を置いてある場所もしっかりあります。
日本の食材は一般的なタイ料理に比べて高いし、基本的に輸入品になるため日本で買うより割高ですが、お味噌、醤油やドレッシングなどは勿論、出前一丁などの袋に入れられたラーメンやカップヌードル、バーモントカレーなど、一通りのものはそろっているという感じ。
※)日本のフルーツ(みかん、なし、桃、ぶどう、サクランボ)とかもありますが、日本より高いことが多いです
日本食材の多いスーパーは以下を参考にしてみてください
チェンマイで日本の食材を購入するなら?リンピンスーパーマーケットをチェックしてみる!
日本食レストランもあちこちにあります。
特に「セントラル」というタイ国内の主要都市には必ずある物凄く大きなデパートには「吉野家」を始め、定食中心の「大戸屋」「やよい軒」「ふみ」、天ぷらの「てんや」など日本食を楽しめるレストランが沢山あるし、デパートでなくても日本食レストランは街中に点在しています。

現地でも気軽に和食が楽しめるのは大きなメリットのひとつですね。
異国の地に一定期間以上いると、日本で食べていたものが恋しい、という場合も出てきますが、割高であっても日本食材が簡単に手に入る、日本食が食べられる、という環境は暮らしの上で不可欠なメリットにですよね!
ちなみにお味の方は大きな期待はせず、日本食だな、ということを感じたい場合に食べる、みたいなところはあるにはあります。
(特にお寿司とかはそうしたイメージ。個人的には日本のコンビニのお弁当が並んでるところにあるお寿司の方がおいしい。これは使用しているご飯と、ネタの新鮮さに関係すると思ってます)
3)日本人に好意的
海外で気になることの1つに、日本人は快く受け入れてくれる場所なのか、ということがありますが、タイでは「その心配はまずしなくてよい」というのは物凄く大きなメリットになると思います。
私がこれまで会った全ての人は私に対してとても好意的。
妻の家族は親類同士となるので例外として、知り合いではないタクシードライバーやチケット売り場の人、お店の店員など、これまで10年程タイに住んでいる中で、違和感のある対応をされた記憶はありません。
タクシードライバーや屋台のおじさん、おばさんとかに「あなた、日本人?」とニコニコしながら話しかけられたり、好意を持って接してくれてるな、というのが伝わってきます。
ただタイには日本人以外の外国人も勿論いて、それらの方に話しかけた時、私が日本人だと分かったとたんに少し態度が変わったという経験が1度だけあり、稀なことになると思います。
全体として見れば、タイは日本人が暮らしやすい、受け入れられやすい国だと思います。
4)治安は良い
治安という点では、そもそも私の場合はどの国でも危なそうな「夜の歓楽街」にはほぼ行ったことがなく、人通りの少ない道や見通しの悪い細い道に入ったこともありません。
そうした「一般的に危ないと感じられる場所」に行ったことがない前提で言えば、タイはバンコクにしても、北部のチェンマイをはじめ色々な街でも危険を感じたことはありませんし、実際にそうしたシーンに出くわしたこともありません。
ということから、普通に生活している分にはタイは治安の良い国だと思います。
(勿論日本と同じく色々な出来事はあり、TVのニュースで報道されているのは同じ)
ただ、これまで何かの被害にあってないのは、妻が常々「カバンは必ず自分の前で持ちなさい」とか「この道は入るのはやめておこう」など言ってその通りにしているから、ということもあると思います。
タイ人である妻の言葉からすると、油断していればスリなどの被害にもあう場面もありそうで(特に観光地などの人込み)そうした意味では気を付ける場面、というのはあると思います。
また「この道は入るのはやめよう」という場所は、細い道で少し薄暗そうなところであったり、通常の人とは少し雰囲気の違う人達が立っているようなところ。
私から見ても、ためらうような雰囲気の場所ですが、日本人の感覚で、「ここは少し気になる」と感じる場所には入らないようにすると良いと思います。
5)気候が良い
「タイ=1年中暑い国」というイメージの方も多いと思いますが、実はチェンマイ含めてタイ北部は意外と過ごしやすい気候です。
確かに4月のソンクラーンの時期は、
タイの北部も日中40度を超えるような、とても暑い日がありますね。
この時期、外に出ると、体にまとわりつくような熱気を感じることがあり、暑さが厳しい日が続きます。
でもそれだけ暑いと感じるのは4月ぐらいなもの。その後はすぐ雨期に入り、土砂降りとなる日も多くなりますが、そのおかげで空気や地面が冷やされて思った以上に過ごしやすくなります。
その後は雨期も終わり、11月から2月の時期は乾季のシーズン。この時期には朝晩が涼しくなり、特に1月や2月では早朝10度~14度ぐらいの日も珍しくありません。
夏の感覚で薄い掛布団1枚だけで寝ていると、明け方には寒くて目が覚めることもあります。
(チェンマイにはドイインタノンなど山が多く、山の方では氷点下になることもあるようですね)
この乾季のシーズンでは、我が家の場合、毛布を敷き、掛布団にも毛布を追加してますし、1月から2月にかけては、実はコタツも出してるんですね。
アマゾンで買ったお一人様用のこじんまりしたやつで、変圧器もあわせて購入してます。
タイでコタツって珍しいと思いますが、妻も私もこのコタツが大好き。コタツを出すと必ずミカンも買ってテーブルの上に置き、「ここだけ写真撮るとタイにはみえないね」と笑ってしまうような日本的な雰囲気を毎年楽しんでます。
この乾季のシーズンは、日本でいう「秋らしくなって来たね」といった「夏と冬の中間ぐらいの過ごしやすい季節」で、エアコンも使うこともなく、日中はたまに扇風機を使うぐらいで十分。
電気代も凄く安くなって家計にもとても優しい季節です。(1か月数千円ほどになります)
バンコクとの気温差が10度ぐらいある時も珍しくなく、バンコクは相変わらず暑くて朝25度ぐらいの場合でも、チェンマイは15度、ということも多いですね。
1年を通して3月4月は暑いですが、それ以外は結構過ごしやすく、特に11月から2月は日本の秋のようにとても過ごしやすくて快適で絶好の観光シーズン。
このタイミングに合わせて日本に住む家族や友達が遊びに来ることも多く、タイ北部の気候はとても過ごしやすいと感じています。
6)タイマッサージが安い
特に年代が上の人にとってはタイに住む理由の1つにもなるかも知れませんが、タイではタイマッサージの料金がお手頃で、これは大きな魅力のひとつ。特にタイ北部では、バンコクよりもさらに手頃な価格帯になっています。
日本で帰国した時に通りで見かけるタイマッサージは30分で5千円、6千円とかあるようですが、
タイ北部では1時間1000円ほどで受けられるところもありますね。
(ホテルとか空港は観光客料金で高いですが、これは致し方ないですね)
更にマッサージ屋さんを家に来てもらい、家庭内で順番にタイマッサージをする、ということもできて、これが便利で快適です。
私も妻も、よく知るマッサージ師がいて、月に1、2回ぐらい家に来てもらい、それぞれ2時間づつマッサージしてもらってます。筋肉の痛みや疲れが取れて至高のひと時。
妻の場合「ちょっと肩がいたい」「いろいろ歩いて足が痛い」となると、「明日マッサージしてもらおうよ」と私に話しかけるのがいつものパターン。
そうすると早速いつもの人に電話して予定を聞きますが、その人が働いているお店に電話するのではなく、直接その人に電話してるところは、現地ならではの気軽さですね。
タイ北部に限らずタイ国内旅行をすると、田舎にあるタイマッサージはとても安いことが多いので、歩き疲れたら気軽にフットマッサージを受ける人も多いようです。
(空港にもタイマッサージ屋さんがあり、空港だけに観光客料金となっていて高いですが、1時間でもフットマッサージすると旅の疲れも癒されると思います)
7)家事サポートスや庭師に頼みやすい
日本ではあまり一般的ではないと思いますが、タイでは家の掃除や庭の手入れを家事サポートや庭師に頼んで代わりにしてもらうことが多いようです。(我が家でも頼んでます)
バンコクに比べてタイ北部は安く、たとえば、1日「家の中全て+庭」の掃除をしてもらうと日本円で1500円ほど。(バンコクでは3000円ぐらいになるでしょうか)
庭の手入れも半日仕事。
我が家にも庭には何本も大きな木があり、脚立を使って上の方の枝葉をざっくり払ったり、長い柄の鎌で上の方の葉をおとしたり、その他の草木も伸びている枝葉を切って整えたりと結構大変。
ということで、我が家の場合1か月か2か月に一回ぐらいの割合で知り合いの庭師さんに来てもらい、一回当たり2500円ぐらいで庭の草木をさっぱり刈ったり整理をしてもらってます。
家事サポートのスタッフは隣国から来ている人も多いようで、そうした人に頼むとお手頃で、タイ国内にある専用の人材派遣センターに頼むと高くなるようです。
なお、国外から来ている方は労働許可書が必要で、お手頃だからという理由で安易に依頼するのは考えた方が良いです。(労働許可書を持ってない方を雇うと雇い主が罰せられますので、その点は気を付けましょう。)
我が家ではタイマッサージ同様、いつも決まったスタッフや庭師さんに頼んでますが、そうした方々は日々、近所の家々を順番に訪れながら、それぞれの家庭で家事や庭の手入れを行っているようです。
8)介護も家事サポートに頼める
高齢の方のいる家庭ではとても重要になるのが介護の問題。
これはタイでも同様で、高齢者の介護を家事サポートのスタッフに依頼できるという点は、大きなメリットのひとつです。
我が家では妻も私もまだ介護が必要という年代では全然ないので、自分たち用に介護用のスタッフに頼んだことはありませんが、高齢者の方がいる親せきでは頼んでます。
こちらも隣国から来ている人に頼んだり、介護専用の人材派遣センターに依頼する、となりますが、24時間同じ家に寝泊まりしつつお世話をする、ということで、海外から来ている人では1か月5万円~6万円ほど。
人材派遣センターに依頼すると、24時間寝泊まりでの介護で8万円から10万円ぐらいになるようです。(これはバンコクの場合)
タイ北部はバンコクよりも全体的に物価が安いため、こうした24時間体制の介護も、より費用を抑えて依頼できる可能性があります。
24時間といっても勿論スタッフも寝たり食事をする時間は必要で、同居する家族との助け合いも必要ですが、助けてくれる人が常にいる、というのはとても力強いことですね。
タイではこうした人たちが沢山いて、いざ、という時には雇うことができる、というのは生活する上で大きなメリットになりますね。
まとめ
どの国にもメリット、デメリットはあるものですが、「タイ北部は歴史がある」、「隣国に接している」、「バンコクから離れている」、「バンコクとは違ってそれほど発展していないのでのんびりしている」、こうした特徴が、結果的にタイ北部での暮らしやすさにつながっているように思います。
全体的にものやサービスが安い、中心に行けばお店も多く活気があり、でもそこから離れればリラックスできる場所に早変わりする場所とも言えそうです。
海外に住む、というときに忘れがちなのは「自分が外国人になる」ということ。
タイでは北部に限らず、海外から来た方に対して親しみを持って接してくれる人が多く、この点は安心して暮らす上で大きな魅になるでしょう。
タイ北部に住むデメリットについては以下で紹介しています。
タイ北部の田舎に住むデメリット8選!移住の予備知識
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