タイで自動車を持っている場合、毎年自動車税を支払う必要があり、また新車登録から7年経過している場合には「車検」も受ける必要があります。
私が住んでいるのはタイ北部のチェンマイですが、今回はチェンマイで車検を受け、その後自動車税を払うまでの一連の体験談をご紹介。
タイで自動車を持つ場合、必要な書類や手続きの流れについて参考になりましたら幸いです。
自動車税の支払いに必要な書類と手続きの順番
タイでは日本同様、年に一回自動車税を納める必要があり、自動車税を納めるには、「強制加入の自動車保険の支払い」と「車検の証明書」(車両検査の合格証)が必要になってます。
つまり以下3点が必要ってことになりますね。
- 1)強制加入の自動車保険の支払い
- 2)車検の証明書
- 3)自動車税の納付(1,2を提出することで支払いができる)
手続きもこの1,2,3の順で行うのが普通だと思いますが、それには理由があり、「車検の証明書」には有効期限があるから。
車検を受けた後、1の自動車保険の支払いをしても良いと思いますが、車検の有効期限の残り日数を減らすことになるので、通常は1⇒2⇒3の順が良いようです。
我が家の場合、1の強制加入の自動車保険は、任意の自動車保険の支払い時に一緒に支払ってます。(800バーツ(3千円~4千円)ぐらい)
自動車税の納付では、保険会社に連絡して、支払い証明を事前にもらっておくってことになりますね。
※)後で見るように、チェンマイの陸運局でも強制の自動車保険の加入手続きが出来るようです。
続いて車検を受けに行きますが、
ここからは実際どんな感じだったかのご紹介。
チェンマイでの車検体験:検査場の流れと料金
今回車検を受けたのは、チェンマイ郊外にある民間の検査場。車検を受けるのは毎回こちらで、今回が3回目ぐらいになると思います。
※)車検では歯車の中に「ตรอ.」(トロー)と書かれたマークがあれば陸運局の認可を受けた検査場の印。そうした場所は点在してるので、探せば割とすぐ見つかると思います
検査場の外観や待合スペース
以下が実際に訪れた車検場の受付と待合スペースの様子。

受付窓口には検査の流れや保険に関する案内の掲示もあり、椅子や扇風機も用意されているので、順番待ちがあったとしても比較的快適に過ごせそうです。
(今回はタイミングが良かったのか、他にお客さんはいませんでした)
「トープサービスセンター(สำนักแพง)」という名前の施設で、車検だけでなく、強制保険や任意保険の案内もありますね。
検査料金や受付時間について
この検査場では、以下のように壁に検査料金や受付時間の案内もしっかりされてます。

右下赤字は「検査エリアへの立ち入りは禁止」と書かれてますね。
上の画像からすると、検査についての詳細は以下になってますね。
- 検査料金
- 車両重量2000kg以下の4輪車:200バーツ(800円ほど)
- 車両重量2000kgを超える4輪車:300バーツ(1200円ほど)
- バイク:60バーツ(250円ほど)
- 営業日:月曜〜土曜(日曜休業)
- 受付時間:8:00〜12:00 / 13:00〜17:00
※)初回の検査で不合格となった場合、同じ項目であれば、15日以内に無料で再検査が可能。15日を超えてしまった場合は、再度通常料金を支払って新規検査扱い。
我が家の車はホンダのJAZZ(日本ではFITと呼ばれる車種に同じ)なので、検査料金は200バーツ(800円ほど)。
検査には問題なく合格しましたが、仮に不合格でも同じ項目の場合15日以内であれば再検査が無料となってます。(これは良いサービスですよね)
日本で同じ車種で車検を受けると、10万円前後はかかると思います。ではなぜタイでは千円にも満たないぐらい安いのかと言えば、実際の検査が至って簡易だから。
実施あの検査の様子
以下は実際に検査をしているところです。

車は専用のラインの上に乗せられ、ブレーキや排気ガスなどの確認が行われます。
車のタイヤの下側はグルグル回るようになっていて、アクセスを踏むとタイヤがその場で回転し、ブレーキなどのチェックが出来るようになってるんですね。
右側に見えるメーターは排気ガスの測定器になるでしょうか。
排気ガスについては、ブレーキテストの後、以下のみたいにスタッフが計測器のセンサーをマフラーに差し込んで実際にチェックを行ってました。

これらの検査はだいたい5分~10分ぐらいで終わり、
特に問題なければ、以上で終了です。
車検合格でもらえる証明書
検査後は以下のような証明書がもらえます。

- ①:「自動車法に基づく車両検査結果報告書」と書かれ、この書類がタイで自動車税を払う時に必要になる。
- ②:検査結果として「ผ่าน(合格)」が書かれている。自動車税を払うには、当然ここが合格となっている必要がある。
- ③:この証明書の有効期限がかかれている(西暦と年月日)
今回受け取った検査報告書では、有効期限が3か月となってました。
ただこれは検査場(ショップ)によっては2か月など異なる場合があるようです。有効期限をしっかり確認し、車検を受けた後はなるべく早めに自動車税を払いに行くのが良いですね。
また参考までに保険について。
今回訪れた車検場では、待合スペースの一角に自動車保険の案内も掲示されていました。
プランは強制保険から任意保険まで幅広く、「3rdクラスなら約1,900バーツ〜」「1stクラスは1万バーツ台から」といった価格。その場で気軽に相談・加入できるような雰囲気でした。
※)1stクラスは何かあれば兎に角保険の対象になる、2ndクラスは相手も保険に入ってないと対象にならないなど、結構な違いがあるようですね。
タイでは、車検や税金と一緒に保険の更新手続きをするケースも多いようで、こうしたローカルな検査場ならではの「一気にいろいろまとめてできる」感も嬉しいポイントになりそうです。
タイで自動車を購入する場合には以下を参考にご覧ください)
タイで自動車選びと購入体験談!トラブル回避の工夫や意外な慣習も紹介
自動車税を払いに、チェンマイ陸運局へ!
車検を終えて証明書をもらった後、
次の日はチェンマイの陸運局へ自動車税を払いに行きます。
書類一式をまとめて
出発前に、昨日もらった車検証明含め、以下のように必要書類一式をルーズリーフでまとめて準備しました。。

- 車両登録証(ブルーの銀行の通帳の大きい版みたいなものがそれ)
- 車検の合格証
- 強制保険の証明章
これらを支払う現金とともにしっかり用意します。
自動車税を払う時に、これをそのまま一式渡せるようにしてるんですね。
チェンマイの陸運局(第1支局)は、以下写真に見られるような並木道沿いにあります。

この並木道はチェンマイのハンドン方面からチェンマイ中心部に向かう幹線で、両脇には大きな木が立ち並ぶ、ちょっとした名物の並木道。(立ってる木は多分タイでは良く見かけるレインツリーという木)
通りたびに、何かちょっとした森林トンネルを抜けて走るような感覚で、個人的にもかなり気に入ってる道の1つです。
このまま進むと右手に陸運局が見えてきます。
ちなみに並木道といえば、チェンマイ東部のボーサーン(傘で有名なエリア)にも、旧道に立派な並木が続く道があり、その通りもかなりお気に入り。
陸運局ではドライブスルー
並木道をハンドン方面から走って行くと、以下写真のように右手に紫色が目立つ陸運局(第一支局)が見えてきます。

入り口は2つあり、手前の方から入るわけですが、陸運局の前辺りは交通量が多く、また丁度近くに信号があって、結構敷地内に入るのが難しい。
(道がカーブしていて見通しが良くないので、左右をよく確認して入るようにしてくださいね。)
ここでは建物内に入らず、車に乗ったまま自動車税の支払いが出来る「ドライブスルー」の窓口があります。(車高制限(2.5m以下)があるので、大きなバンやトラックの方はご注意を)
ということで、私たちはこのまま車に乗ったまま進んで行きますが、この日は結構混雑してました。

「全然進まないな…」と時計をチラチラ見ていると、5分に1台進むかどうかというスピード。
前回来た時はもっと早く進んでいた気がしますが、「もしかして1台で何台分もまとめて手続きしてる人がいるのかも?」と妻が言ってました。
でもあとから案内の看板で、ドライブスルー窓口は「登録名義人本人限定」というルールになってることが分かり、その可能性はなさそうですね。
単純に確認作業が丁寧だったり、手続きの流れが時間を要するからなのでしょう。
バイクもドライブスルーの列に並ぶ場合も多く、でもこれだけゆっくり進むとタイだけに、さすがに暑いですよね。ということでバイクに乗ってる人は、バイクを離れて日陰に退避。列が動き出すと急いで戻ってきてバイクを動かす、みたいな感じでした。
バイクの場合はヘルメット以外に帽子を用意しておくなど、暑さ対策をお忘れなく。
ドライブスルーでの実際の手続き
ドライブスルーの窓口近くに来ると1台1分ほど早く進むようになり、いよいよ「DRIVE THRU FOR TAX」と書かれた窓口が見えてきました。

ここまで来るとあと少し。
車に乗ったまま書類とお金を渡せば、スムーズに支払いが完了です。
実際自分たちの番が来て、用意してあった書類と費用一式を窓口の女性に渡すと、大体1分ぐらいで終わり、自動車税を払った証明となるステッカーをもらいました。
このステッカーを車のフロントガラス左下に貼っておくんですね。
ちなみに、運転は妻がしてましたが、
窓口の女性に書類の確認などしてもらっている間、エンジンを止めて待っていたところ、手続きが終わり、さぁ帰ろうとエンジンをかけようとしたところかからない。
「え?どうして?」と何度かやってもかからず半分パニックに。
何が起きてるのかよく分かっておらず、妻は妻で何を思ったか受付の女性に「エンジンがかからないの。どうしたらいい?」と尋ねてました。
するとその女性「ギアがパーキングになってないのでは?」と妻に告げたようで「あ!」とギアを入れ直してエンジンは無事始動。妻も私もこれにはホッとしました。
陸運局での手続きに役立つ現地情報
ここで、車に乗りながらでも分かった、
陸運局での手続きに関するお役立ち情報をご紹介です。
「手続きの流れ」は看板で一目瞭然!

陸運局のドライブスルー付近には、こんな案内板がありました。
タイ語で書かれてますが、これを見ると「車検・保険・登録年数」など、車によって異なる条件が整理されていて、なかなか役立つ内容です。
要点をまとめると、以下のようなことが書かれてますね。
- 登録から7年未満の車なら、強制保険証と車検証だけでOK
- 7年を超えると「車検証+保険証+車検の証明書」が必要
- ガス車(LPG車やNGV車)は毎回の検査証が必要
- 納税は90日前から前倒しで支払いできる
日本とは少し仕組みが違っていて、
「自動車の登録年数によって検査義務が変わる」というのが注意ポイントです。
強制保険はその場で加入も可能

陸運局の敷地内には、強制自動車保険(พรบ)を扱う窓口もあります。
万が一、保険が切れている場合でも、その場で加入できるので安心ですね。
多くの人がここを利用してる様子はありませんでしたが、ドライブスルーの列の待ち時間中、バイクで来た人が何人かこの窓口で手続きしているのを見かけました。
最初、何の手続きだろう、と思っていたら、上に「Compulsory」(強制)って書かれてますよね。自動車税の支払いに必要な強制自動車保険の加入手続きをここでしていたようです。
建物正面の入口はここ

こちらは、陸運局正面の入口。
陸運局の建物は、目を引く紫色の外壁が特徴。
タイ語が読めなくても、しっかり英語で「PROVINCIAL LAND TRANSPORT OFFICE OF CHIANGMAI 1」と書かれていて、私など海外から来てる人でも安心感がありますね。
この画像を見ると分かりますが、入り口手前は階段になっていて、黒と黄色のテープが張られ「段差注意」との表示があります。
暑い時期は床が滑りやすくなるなどありますので、足元にはご注意くださいね。
また写真右には保険や納税に関するポスターが貼られてますね。ドライブスルーではできない手続きや外国人向けの対応窓口に行く必要があれば、ここから中に入って行きましょう。
ドライブスルーと通常手続きの分かれ道

陸運局の敷地に入ってすぐのところにこの青い案内板が見えます。
右は「Drive Thru For Tax(自動車税支払いのドライブスルー)」と、左に進む「バイクの登録や名義変更専用ルート」が分かりやすく示されています。
でも今回私たちが行った時がそうですが、混雑してくるとドライブスルーの列が伸び、結果ぐるっと回って左側にも並び始めて、気づけば両方ドライブスルー待ちの車列になることもあります。
初めて訪れる方は、「こちらで合ってるのかな?」と戸惑うかもしれませんが、周囲の車の動きを見ながら流れに合わせて行きましょう。
また看板の下側にはタイ語のみで注意書きがあり、外国人や登録内容に変更がある人など、一部の手続きはドライブスルーでは対応不可と書かれてます。
ドライブスルーでなんでもできると勘違いする人もいるのかもしれません。
もしこの記事を読んでいる方の中に「ちょっと複雑な手続きがあるかも」という方がいたら、素直に建物内の窓口を目指すのが安心です。
タイでの車検と自動車税の手続きまとめ
今回はタイ北部で自動車税を支払う流れをご紹介しました。
まずは新車登録から7年経った車の場合には車検を受ける。(その後に陸運局に行って自動車税を支払います。
チェンマイの陸運局では、ドライブスルーで自動車税の支払いが出来ますが、今回の私たちのようにタイミングによっては結構待たされる場合もあるようですね。
(私たちの場合、午前中の10:20に陸運局に到着。実際受付にたどり着いたのが11時ぐらい。40分待ちだったことになります)
長い時間待つ場合もあることを念頭に、万一に備えて事前にトイレは済ませておくとか、水分補給のためにペットボトルなどで飲み物を用意するなどしておくと安心です。
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