タイに限らず海外で長期滞在となると、最も気になることの1つが体調管理。いざという時には早めに病院に行って先生に診てもらう、ということも必要になりますね。
私や妻のかかりつけの病院はチェンマイにある「バンコク病院」。以前妻も私も入院したことがあり、その後こちらで定期検診などを受けていて、その雰囲気はホテルのようなオシャレでゆったりしたところでもあります。
日本ではあまり病院に行ったことがないので比較が難しいですが、今回はチェンマイのバンコク病院について、どんな感じの病院か、雰囲気や設備など、詳しくご紹介したいと思います!
アミューズメントパークではないよ
まずは病院の駐車場から。
チェンマイのバンコク病院には普段車で行ってますが、駐車場も非常に広く、結構混雑している場合は病院の入り口からかなり離れた場所に駐車することになります。
入り口まで数分歩くぐらいの距離になりますが、ご存じタイは暑い国。
日の照る中、歩いていると体調を悪くすることもありますよね。でもバンコク病院なら駐車場内をカートが回っていて、誰か新たに車で来たな、と分かると、そのあたりまでカートが来てくれます。

以前はシンプルなゴルフカートみたいな、6人乗りの小型のモノから10人乗りぐらいのものがぐるぐる回ってましたが、最近では「ここはもしかして遊園地?」みたいなものが回ってます(笑)
上の写真がそうですが、カタツムリや魚の目みたいな楽し気なデザインのカートが数種類あって、こうしたカートがお出迎えしてくれるんですね。
(大人でも明るい気分になるし、病院を嫌がる子供でも、これから喜んでくれそうですね)
駐車場から病院の正面へ送ってくれるし、また帰る時は、病院の正面から駐車しているところまで送ってくれます。(これなら遠くの場所に駐車してもあまり気にならない)
入り口ではしっかりセキュリティチェック
病院の入り口から入ると、まずロビー手前にセキュリティチェックがあります。

そこには警備員がいて、タイなら空港や地下鉄、日本領事館などで見かける「セキュリティチェック用のゲート」をくぐり、入り口から中に入ります。
タイでは他の病院も行ったことがありますが(チェンマイでは他2か所ほど、バンコクでも2か所ほどありますが)、入り口でセキュリティチェックがあるのはバンコク病院だけかも。(最近は増えてるのかな)
先ほど見た来院者のお出迎えカートは、上の図にある正面玄関まで送り迎えしてくれるんですね。
(カートに乗りたい人は、正面玄関わきに止まっていたらドライバーに声かければいいし、止まってない場合は、玄関前にも警備員がいて「カートに乗りたいな」というオーラを出しているとトランシーバーで呼んでくれるので、少し待っていればOK)
院内はホテルみたい
入り口から入って、まずは受付に行くわけですが、一階の受付のあるロビーは、何かどこかのホテルみたいな雰囲気。

全体的に色使いがブラウン調で優しく、インテリアもオシャレ。「あれ?ここ病院だよね」と何か不思議な感じがする高級感ただよう院内。
今でこそ、この雰囲気に慣れましたが、さすが私立の病院で高いと言われてるだけはあるな、という感じです。
ホテルのラウンジのように、ピアノも置いてあります。

このピアノ、以前2階にありましたが最近1階に移動したようです。触ってはダメヨ、という注意書きもありますが、いつもクラッシク系の曲の自動演奏がされていて、来院者の心を和ませてますね。
受付については、最初の写真では左手(以下の写真の中央右あたり)になりますが、常時3名~5名ぐらいのスタッフがいます。(中には看護師さんもいたりする)

基本は電話予約してから来ますが、受付スタッフに「どうしました?」と聞かれるので、「こうです」「ああです」と「具体的な症状」や「先生に診てもらいたいこと」をまず伝えます。
その後は「それならこの科だか」ということで、スタッフが「ではこちらへ」とその場所まで連れて行ってくれます。
また受付では「保険は何使うの?」など保険に関することも聞かれ、日本に帰国後、国民健康保険で申請したいという場合には、「コクミン」と伝えると、日本の市役所とかで配布している専用フォーマットが用意されていてそれをもらえます
(チェンマイはさすが日本人が多いだけありますよね)
外国人の場合は皆そうだと思いますが、私の場合、初めてきた時はパスポートを見せ、何やら登録しました。でもその後の定期検診などはパスポートも見せず、直接担当の先生の場所まで行くようになってます。
(というか、妻の言われるがままに動いてるだけなんですけど(笑)ちなみにパスポートは常にカバンの中に入っていて持ち歩いてます)
このバンコク病院では、病院スタッフ、看護師、医師、後に出て来る院内のパン屋さんスタッフ含めて、全員が英語を話せます。いや、パン屋さんは別に良いんですけど、受付で何か症状を伝えたり簡単な受け答えをする場合、タイ語が話せない場合でも、片言でもいいので英語で伝えればOK。
(この病院では、医師や病院スタッフの募集では、英語が話せることが条件になってるようです)
また外国人の場合(日本人も勿論外国人)、スタッフから「通訳がいるか?」とも聞かれるので、必要であれば「はい!」と答えておけばよいですね。
またスタッフから通訳について聞かれない場合には「通訳がほしい」と伝えればOK。(通訳は無料サービス)ただ通訳の方々はかなり忙しいようで、場合によっては30分とか待たされる場合も出てきますが、まぁこれは致し方ないですね。
(場合によっては、通訳の人と場所がかなり離れていて、通話を通して通訳してもらう、という場合もあります。日本語ネイティブの通訳でない場合、これが聞き取りづらかったりしますが、これもまぁ致し方なし)
英語がある程度以上話せれば、看護師や医師とは英語でコミュニケーションを取ればOK。診断書も英語で書いてくれます。
ただ注意点は、帰国後に国民健康保険などで申請しようとすると翻訳を付ける必要があり、翻訳を付けるのは良いんですが、医師もベテランになるほど診断書に書いてくれる英字が崩れていて、更に医師専用の表現で書くので「全く読めない」と断言します(笑)
ということで、目の前で診断書を書いている医師に、「後で翻訳するので丁寧に書いて欲しい」と依頼したり、その場で読んで「これはなんて書いてあるのか」など確認するのがおすすめです。
(翻訳はそれ専用のフォーマットが各市役所でダウンロードできるようになってると思います。使う場合には一度確認してみてくださいね。ちなみに翻訳は自分でやってもOKで、私の場合もネットで専門用語の日本語訳を調べまくって自分でやってます)
費用の支払いについて
支払い場所(お会計)は1階と2階にあり、以下は2階の様子。窓口は6つもありますね。

チェンマイの街中の病院に行った時も窓口が6つぐらいあったので、タイの病院ではこれぐらい窓口があるのが普通なのかもしれません。
1階にしても2階にしても、各科で診察が終わるとスタッフがお会計の場所まで案内してくれます。(もう分かってるので案内は必要ないんですけど、スタッフの後についてトコトコ歩いていく)
かかった費用などが書かれた書類を各科でもらい、このお会計の場所にある「バーコードか何かをピッとやる機械」でピッとやり、番号が書かれた紙が出て来てくるのでそれを渡されます。
あとはその番号で順番を待ち費用の支払いをする流れですね。
自分の番号は、画像の上の方にあるモニターに表示されるので「もうすぐ自分の番だな」というのはすぐ分かるようになってます。(このあたりは日本でも同じでしょうか)
ちなみにこの窓口の隣に薬を出してくれる窓口もあり、薬を処方されていたら会計後に隣の窓口で受け取り、以上で完了です!
お腹がすいたら4つの選択肢
ここからは病院の設備系の紹介ですが、
チェンマイのバンコク病院は、昨年あたりから駐車場含めて大幅な拡張が行われてます。
病院の建物も更に増えたり、「大戸屋」など飲食店が入っている専用の建物もできました。この飲食店専用の建物は、病院の表方面からすぐ入れる場所に位置していて、外からもすぐ行けますし、病院内からも渡り廊下でつながっていて、行くにはとても便利になってます。
(バンコク病院、凄く繁盛してそうですよね。^-^;))
妻にしても私にしても、定期検診で血液検査とかする場合があり、その日の前日夜8時ぐらいからは飲食は基本禁止(お水は多少OKぐらい)。なので、妻は「朝早く行って検査を済ませてご飯食べたい」と、検査の前の日と検査当日は何かと騒がしい。(笑)
ご飯を食べるなら2つの選択肢
先日も朝7時半ぐらいに到着する勢いで病院に行き、血圧やら体重計測、血液検査など一先ず終えると、「お腹空いた~」「ご飯食べに行こうよ~」といつものように言い出す妻。
実際お医者さんとの診察までには1時間ぐらい時間があくので、その間に腹ごしらえというわけですね。
ここで最近の選択肢は2つで、病院の隣にある「Black Canyon」(グラック・キャニオン)というタイではよくあるチェーン店(ちょっとしたファミレスみたいなところ)に行くか、大戸屋に行くか。
しっかり食べたい場合には大戸屋ですが、ちょっと食べたい(サンドイッチとかスパゲティなど)では「Black Canyon」に行ってみる、という感じです。(徒歩1,2数分という距離感)
以下はそのBlack Canyonのメニュー。

午前中にこのBlack Canyonに来る場合、私はサンドイッチを注文することが多いですが(179バーツ:700円ぐらい)、妻の場合はこのメニューにある、小さなお鍋に玉子焼きが乗ってる料理の「カイ・クラタ」(ไข่กระทะ)を必ずと言っていいほど注文します。(125バーツ:500円ぐらい)
この「カイ・クラタ」はタイ北東部(イサーンと呼ばれる地域)の名物料理ですが、こうしたものをメニューに取り入れてるところが良いですよね。
またこのBlack Canyonに関連しますが、チェンマイのバンコク病院に入院している場合、実は病室からこのBlack Canyonに注文できたりします。病室にBlack Canyonのメニューが置いてある(笑)
最近はもしかしたら大戸屋のメニューも置いてあるのかもしれませんが(入院したのは以前なのでちょっと分かってませんが)、病室内の電話で専用番号を押すとBlack Canyonにつながり、そこで注文して部屋番号を告げると、届けてくれるんです。
以前妻が入院した時、私は良くこのメニューを利用してました。
タイ語で注文しても良いんですが(タイ語学校で注文の仕方は習いましたからね!)でも、自信がないので英語で毎回注文してました。
出だしに「エクスキューズミー」とか言えば、相手も「あ、タイ語じゃなくて英語の人なのね」と伝わり、お店のスタッフも英語で話してくれます。
最初、まだ慣れてない頃は英語で注文するのにもドキドキしましたが、お店の方も病室からの電話というのが分かっているし、実際聞かれるのは「ご注文は何でしょう?」とか「病室の番号」ぐらい。
注文自体もメニューが手元にあるのでメニュー内の番号と、病室の番号を告げればOKなので、一度やってみると慣れると思います。
料金は病室に持って来てくれた時に支払いますが、千バーツ紙幣など大きなお金しかない場合には、注文時に「千バーツのお札しかないけど良いかな?」など言っておくと、お釣りを用意してきてくれるので安心です。
(大きなお札の場合、お釣りがありません、みたいなことはタイでは良くあるので注意しておくのが良いですね)
病院内のカフェ&パン屋さん
ブラックキャニオンとか大戸屋に行くのがちょっと面倒、と思う場合、パンをちょっと食べる、という選択もあります。
実はバンコク病院内の1階にカフェ&パン屋さんがあるんですね。

「Primo Café Chiangmai」(プリモ・カフェ・チェンマイ)という名のカフェ&パン屋さんで、病院1階の奥にある会計窓口と同じ場所にあります。
ちょっとしたテーブルもあり、ここでパンやサンドイッチ、ケーキ、またコーヒー、カフェオレなどドリンクも注文できるので、院内にいて「ちょっとお腹が空いたかも」「ちょっとコーヒーが飲みたい」などでは、ここに来れば良いですね。
私の場合も、よく妻が「カフェオレが飲みたい」とか言い出して、診察の前のちょっとした待ち時間にここにきて注文することも結構あります。
その場合には、カフェオレのカップをもって診察の部屋の前の待合席で飲みつつ、診察部屋に入る場合には、待合室のテーブルに置いたまま診察を受ける、みたいな感じです。
自動販売機という選択肢
実は、ちょっと食べたり飲んだりする選択肢として、自動販売機というのもあります。
日本人が海外に来てもあまり気が付かないかもしれませんが、日本で至るところに自販機がありますよね。(通りには普通にあるし駅のホームにも沢山あるし、市役所や病院内など施設内には当然のようにたくさん置いてある)
でもタイではまだまだ自販機が置いてあるところはそう多くありません。(最近やっと増えて来たみたいな感じかも)そうした中で、バンコク病院には飲み物と食べ物の自販機があるんですね!

タイでは空港(スワンナプーム空港)にも同じタイプの自販機があると思いますが、日本で見る時間機と違ってかなり大柄な感じです。
飲み物はペットボトルの水やお茶(10バーツ:40円ぐらい)から小ぶりの缶コーヒー(15バーツ:60円ぐらい)まで結構種類があります。
飲み物はまぁ良いんですが、驚いたのが食べ物の自販機。
食べ物と言っても良く見ると「サラダ」なんですが、最初見た時「タイでは自販機でお弁当売ってる!」と目が踊ってしまいました(笑)

このサラダ、私も妻も買ったことはなく、また実際買ってる人を見たことないので、お味とかどうなのかが分かりませんが、病院で売ってるということは、誰かが軽食として購入してるということなのでしょう。
(お医者さんや看護師さんとかも小腹が空いた、でもダイエット!みたいな時に買ってるのかな?)
チェンマイのセントラルフェスティバルとかではお菓子が買える自販機もあったと思いますが、そうしたものを置いた方が嬉しいと思うのは私だけかな。^-^;)
ドラッグストアなどその他施設
最後に、バンコク病院内にある施設や気が付いたものを少しご紹介。
まずは食べ物飲み物つながりでお水。

各フロアーというか各なんとか科などでは、必ずお水入りプラスチックカップ(お水カップ)が用意されてます。
喉が渇いた、という場合は勿論、実際お腹のエコー検査する場合だったり、尿の検査する前に沢山お水飲んだりする場合に利用します。
同様に自動コーヒーマシーンも置いてあったりします。(お会計の場所近く)

最初見た時、これは病院内のスタッフやお医者さん専用なんだろうな、と思いましたが、お会計の近くにあるので、来院者の誰もが使えるようになってます。
(で実際カフェオレ飲んでみました ^-^;))
元々バンコク病院は私立なので、公立の病院に比べて診療費が高いと言われてますが、その分設備がどんどん充実してきてるな、という感じです。
またこちらも最近だと思いますが、スマホなどの充電用のステーションがあちらこちらに用意されてます。(何か空港みたいな雰囲気になって来てますよね)

別記事でも紹介してますが、バンコク病院は病室でもその他の場所でも通信機能を使っても良いことになっていて、更に病院に来るゲスト用にバンコク病院専用のフリーWi-Fiも用意されてます。
また病院だけにドラッグストアも勿論あります。

1階にありますが「SAVE DRUG」という、タイ国内で展開するドラッグストアチェーン。タイには日本のツルハとかのチェーンも進出してますが、ここはタイ国内チェーンが入ってますね。
ちなみに左上にはタイの国王(前国王のラーマ9世と現国王のラーマ10世)の大きな肖像画が飾られてます。
病院に限らず、タイでは行政関連の施設から飲食店など一般のお店、更に一般の家庭内まで、王様の写真が飾られてます。(タイの国旗(や仏教の旗)もあちらこちらに掲揚されていて、国、王室、仏教をとても大切にしているといったお国柄が凄く出てますよね)
楽しいキャラクター達
最後におまけですが、バンコク病院ではタイを象徴するような「ゾウさん」や、チェンマイの象徴の1つ「パンダ」のキャラが、あちらこちらに描かれてます。


パンダやウサギは限られた場所かも知れませんが、ゾウさんは結構色々なところで見られます。
画像としてはありませんが、ある科の身長体重を測る部屋に行った時、壁に可愛らしい丸っこいゾウさんのイラストが数匹描かれていて、おしゃれな場所だな、と思ったりしたこともあります。
また少し話が飛びますが、お医者さんの机の上によく見かけるバンコク病院の月めくりの卓上カレンダーがありますが、裏面にタイらしいデザインが月ごとに描かれていて、個人的に大好き(笑)
以下は3月(だと思いましたが4月が正解かも)の裏面ですが、タイでは4月に水かけ祭り(ソンクラーンフェスティバル)があり、それを表現したイラストになってます。

- 前面には水をかけあう人たち
- 左上には(小さくて分かりづらいですが)ゾウさんが5匹並んだタイ北部で良く見かける「トゥン(ตุง / Tung)」という垂れ幕みたいな飾り
- 中央後ろには病院のカレンダーらしく救急車
- その後ろにはソンテウという(チェンマイの街中でよく見かける)赤色のタクシー
などが描かれてます。
このカレンダー、欲しい!
(年末年始あたりに病院に行った時、あまってるのがあるか聞いてみよっと)
では今回は、バンコク病院の紹介でした。
旅行中、体調崩した、調子が悪い、と思ったら、まずは病院にいってお医者さんとお話しするのが良いと思います。ただ費用とかは日本で病院に行くより断然お高くなるので、普段の体調管理は日本にいる時以上にしていくのが良いと思います。
コメント