昔から行きたかったチェンマイ駅。
男なら誰しも憧れますよね(と思ってます! 笑)
チェンマイからバンコクまで電車で行くと12時間ほどかかりますが、夜行列車の一等車両(ファーストクラスね)にのってバンコクからチェンマイ、チェンマイからバンコクへと動画で紹介されている方も多く、憧れちゃいます。
私の場合、妻(タイ人)が「電車は危ないから飛行機で!」と昔っから力説していて、バンコクへの生き帰りは飛行機または車となっていて、でもいつかは電車を利用してみたい!
今回はソンクラーンの時期に丁度通りかかり、憧れのチェンマイ駅に少し寄ってみたので、一体どんな所かを詳しくご紹介!
チェンマイに来て「他に行く場所がない」という場合には、是非一度は訪れてみてください。
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駅前広場に飾られる蒸気機関車
チェンマイ駅へ行くとまず目に入るのが、駅前の広場にドーンと構える蒸気機関車。

クラシックなデザインが映え、観光客の記念撮影スポットとしても人気。
今回初めてチェンマイ駅に来ましたが、
なかなか風情があっていいですよね。
蒸気機関車はスイス製
調べてみるとこの蒸気機関車はスイス製の車両のようです。
この前で記念写真をとってるお子様連れのご家族を目にしましたが、インスタ映えが凄くしそうな感じですよね!
午前中の早い時間か夕方ぐらいが逆光にならないのでおすすめ。日差しが強いので日傘や帽子があると安心です

車両には「340 ร.ฟ.ท.」と書かれてますが、「340」は車体番号、「ร.ฟ.ท.」は「タイ国鉄」(State Railway of Thailand)のこと。
「ร.」は「รถ」(rot:乗り物/車)、「ฟ.」は「ไฟ」(fai:火/鉄道)、「ท.」は「ประเทศไทย」(prathet thai)(タイ王国)の「ไทย」(タイ)となってるようですね。
ちなみにタイには日本からも車両を輸出していて、良く知られているのがタイとビルマ(ミャンマー間)を走ったらC56。これは実は靖国神社に飾られてます。
参考までにですが、
チェンマイ駅手前の「ランパーン駅」でも蒸気機関車が展示されてます。

チェンマイ駅の蒸気機関車はスイス製ですが、ランパーン駅では日本製のC56型なのだとか。
(泰緬鉄道で活躍した車両になりますね:車両番号は勿論、煙突の色や運転室の形状なども違います)
鉄道に興味があれば、ランパーン駅はチェンマイ駅から2駅なので、ちょっと行って見て来るっていうのも良いと思います。
沢山のソンテウも待機
また時間帯にも寄るのでしょうが、
沢山のソンテウ(乗り合いバス:後ろのスペースに2列の座る場所がある)も乗客を待っていて、すぐ観光など目的地に行けるようになってますね。

1人30バーツ(120円ほど)で乗れる便利な乗り合いバスで、観光地へのアクセスにも重宝します。
ちなみにこの写真の右側のソンテウの赤色ボディーには以下が書かれてます。
- 運賃は1人あたり最大30バーツまで
- 第二環状線(2nd Ring Road)内を走る定期ではない乗り合い車両
第二環状線内とはかかれてますが、写真がずらっと並んでることから分かるように、例えばタイガーキングダム(Tiger Kingdom)、ATV CAR(四輪バギー)、川下り(Rafting)など書かれているので、そうした場所も行ってくれるようですね。
(多分その場合は650バーツなどの別料金)
美しい駅舎、象とトゥン
広場の奥にはチェンマイ駅の駅舎が見えます。
タイの伝統を感じさせる駅舎
屋根の感じがタイらしいですし、
左手には時計台、右手は(多分)オフィスの建物があり、全体として伝統を感じさせる美しい建物。

左に時計台、正面には緑色の駅名看板が掲げられ、伝統と風格を感じさせる。
正面の緑の看板には
「チェンマイ駅(CHIANGMAI RAILWAY STATION)」と書かれてます。
バンコクの(以前はタイ鉄道の中心となっていた)フアランポーン駅はドーム形状の美しい駅ですが、チェンマイ駅もとんがり屋根のタイ北部らしい駅ですよね。
広場にある4匹の象と北部の飾り
駅舎の目の前には4匹の象がお出迎え。
タイ北部の飾りである「トゥン」(縦長の旗みたいなもの)も見えますね。(丁度ソンクラーンの時期なので、そのためのものかも)

また駅舎に向かって左手には
レンタルバイク屋さんやカフェ、レストランがあります。
ここからすぐレンタルバイクで街中に行くことも出来ますね。

バイクに乗る場合には、必ずヘルメット被りましょう。
以前はヘルメット無しでも良かったようですが、今では被るのが義務づけられてたはず。まだノーヘルで運転してる現地の人も結構いますが、マネしちゃだめですよ。
天上人がお出迎え
いよいよチェンマイ駅に入ってみます。
入り口には美しい神様
チェンマイ駅の入り口には、駅を守るような形で「เทวดา」(テーワダー:仏教やタイの神話に出て来る天上界の神様)が配置されてます。

旅のはじまりにふさわしい神聖な雰囲気。
タイらしく、両の手を胸の前で合わせた「ワイ」(タイのあいさつの仕方)をしていて、ここに来る全ての人に対して歓迎の意を示しているようです。
タイ語での注意書き
駅に入ると、注意事項らしきことがタイ語で書かれているのに気が付きますが、英語の説明がないのでこれはちょっと海外からの観光客には厳しいですね。^-^;)

写真中、左側には特別料金チケット(チェンマイ – バンコク間で途中下車する人向けの料金表)。右側には「荷物の持ち込み」についての説明があります。
途中下車の料金では、外国人も割増無しでタイ人と同じ運賃で利用できることや(寺院の拝観などでは外国人は1.5倍とか普通にあるので、こうした説明が入るのでしょう)、区間の料金(例えばチェンマイ → ランプーンや「チェンマイ → ナコーンランパーン」では特別運賃50バーツ(200円ぐらい)など)が書かれてます。(かなりお得!)
右側の荷物の持ち込みについては、1等車両は50kg、2等車両は40kg、3等車両は30kgまで持ち込み可とか、冷房車両内ではすべての動物の車内持ち込み禁止などが書かれてます。
ちなみに、犬・猫・ウサギなどの最低料金は90バーツ、動物は1匹あたり最大5匹まで、1匹につき10バーツ、みたいなことも書かれてます。
あまり想像できませんが、ウサギとかと一緒に電車乗る方もいるようですね
改札がない?
タイの国鉄では、どうやら改札、というものがないようです。
構内は自由に歩ける
今までタイ国内をタイ国鉄で移動したのは、「バンコク – アユタヤ」「バンコク – ホアヒン」「バンコク – メークローン」とありますが、改札というものが思い浮かばない。
チェンマイ駅も同様で改札はなく、駅構内を自由に歩いて回れるのが嬉しいですね。
(タイ国鉄では、切符は電車内での確認が基本になるようです。何かジブリ映画に出てくるようなのんびりした感じが良いですよね!)
改札はないと言っても、当然チケット売り場はあります。

英語の案内表示や整列用のレーンもあり、外国人旅行者も安心できる。
上部の茶色の奥の方に「TICKETS」となるので分かりますが、タイ文字が読めなくても、駅にこうした場所があればチケット売り場というのは分かりますね。^-^;)
右手上部には白地に赤文字で「チェンマイ駅へようこそ」みたいなことが書かれてますが、ここに「チケット売り場」と書いておく方が分かりやすいかも。
鉄パイプの整列レーンがあり、何やらアミューズメント施設の雰囲気も醸し出してるようで、こうした駅、好きです。(*´▽`*)
左の方から「1」「2」「3」と3つのカウンターがあり、一番右側は4番目のカウンター。
4番目のカウンターは良く見ると「車いすマーク」が書かれてますよね?これは高齢者や障害のある方への優先カウンターになってるようです。
電車の時刻は見やすく表示されている
電車の発着は時刻表モニターで表示され、とても見やすくなってます。

こちらも英語も併記されていて外国人にも安心の設計になってます。
英語でも表現されてるので、見てすぐ分かりますね!
この時刻表中、「Origin」は「始発」、「Final Stop」は「終点」を示していて、例えば画像中一番上の「Express 51」では「バンコク → チェンマイ が12:10にチェンマイに到着しチェンマイが終着駅」ということが分かります。
もうなくなってしまいましたが、以前、バンコク – チェンマイ間で日本の新幹線を導入する話がありました。
(バンコク – チェンマイ間、約700kmを3時間半とか4時間で行き来できる高速鉄道)
ただ現在は凍結されてしまったようで、これが出来ていれば凄く嬉しかったんですけどね。(途中駅となりそうなアユタヤやスコータイ、ピサヌロークなど、今よりもっと商業的に発展していたかもしれませんが採算が取れないなどの判断があったようです。
ホームへとつながる構内
構内は結構広々した感じで、
改札がないのでホームにそのまま歩いて行けます。

この写真で言えば、写真には写ってませんが右側に先ほど見たチケット売り場があり、写真では右側が待合所。そして左手の方がホーム、という形になってます。
左手手前に小さな仏像が祭られてますが、
これもソンクラーンの季節だからでしょう。乗客が仏さまへお参りできるよう用意されてるものになります。
セブンイレブンなどいわゆるコンビニはないですが、売店はしっかりあります。

飲み物やスナック、カオパッド(タイ風チャーハン)などのちょっとした食事もあり、食事は60バーツから90バーツほど(250円~400円ぐらい)。
他にも写真の左手を見ると分かりますが、
お土産用になるのか、ゾウ柄のバッグやパンツなども売ってますね。
売店ではカードが使えないこともあるので、細かい現金を持っておく良いです。
旅行者だと千バーツ札を持ってる場合も多いと思いますが、高額紙幣ではタイでは”お釣りがない”と言われて購入できないことも多いのでちょっと注意です。
駅のホームは見通し抜群
改札がないのでホームまでスイスイ行けちゃいますが、ホームは見通しが凄く良く、非常にすっきりと綺麗な感じ。
ホームを見学!

「Chiang Mai」(チェンマイ)という表示と、
チェンマイらしくゾウさんがお出迎えしてくれます。
(チェンマイと言えばパンダもありますが、駅にはパンダはいないようですね ^-^;))
また「Chiang Mai」(チェンマイ)の表示の上には、チュラロンコーン大王(タイ王国の第5代国王:ラーマ5世)の肖像画が掲げらてます。

現国王(ラーマ10世の肖像画)もすぐ近くに飾られてますが、ラーマ5世はタイの近代化を進め、タイの鉄道建設ではチェンマイまでの鉄道開通も行い、そうした功績を称えるためにここに飾られているようです。
2種類の駅員さんが活躍
ホームでは「ブルーの制服」と「薄茶色の制服」(旗を持った人)の2種類の駅員さんがいます。

緑と赤の旗を持ち薄茶色の制服を着ている駅員さんは、駅の運行指令係。
今丁度、電車が来るところで、緑の旗を出して「OK」のサインを送ってます。(赤の旗は停止)
向こう側に見えるブルーの制服の方々は、駅の警備スタッフ(セキュリティ担当)の駅員さんになるようです。男性ばかりでなく女性の警備スタッフもいて、改札のない駅をしっかり守っている、という感じですね。
車両によってはエアコンがない?!
そうこうしている内に、電車が到着しました!
電車の到着と駅員さん
薄茶色の制服を着た運行指令係の駅員さんが複数いますね。

チェンマイ駅に列車が到着し、複数の駅員が連携して安全確認を行っている。
よく見ると、先ほどの駅員さんの帽子には赤色のラインが入ってますが、どうやらこれは偉い人(役職付き)の方になるようです。
電車って、終着駅ではあまり奥に入らず少し手前で止まる、みたいなイメージがありますが、このチェンマイの駅では先頭車両がどんどん入ってきて、一番奥ぎりぎりを超えるぐらいまで進んで止まります。
(最初これを見た時、おいおい、どこまで行くんだお兄さん。大丈夫かな、なんてドキドキしてしまいました ^-^;))
時間的には丁度お昼を回ったぐらいですが、沢山の人たちが降りてきて、あれだけ広々としていたホームがどんどん人で埋まります。

この日は4月12日の土曜日。
ソンクラーンが本格的に始まる!ということで、普段より人が多かったかもしれません。
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車両にはエアコンのありなしがある
また日本ではエアコンが各車両に付いてるのは結構当たり前だと思いますが、タイでは違います。そのあたりは車両に書かれている記号で分かりますが、たとえば以下。

この車両には「ปชส. 492」と書かれていて、
- ป = ปกติ (Pokati) 「普通」(普通車)
- ช = ชั้นสาม (Chan Sam) 「3等」(3等車両)
- ส = สุภาพบุรุษ (Suphabburut) 本来は「紳士」の意味。ここでは「座席車(座れる車両)」のこと
この車両は3等車両(車両番号492)で、つまり冷房無しの車両。
また以下の車両には「บสพ.1011」と書かれていて、

この車両には「บสพ. 1011」と書かれていて、
- บ = รถโดยสาร (Rot Doei San) 乗客用車両
- ส = ชั้นสอง (Chan Song) 2等車両
- พ = ปรับอากาศ (Prab Akat) 冷房付き
となっていて、エアコンが付いた座席車、というのが分かります。
タイは暑いので「やっぱり涼しい方がいい!」という場合には、エアコン付きの「พ」が入った車両になりますね。
ちなみに、特急や寝台列車の1等車両は完全個室タイプだったり冷房は勿論洗面台や電源コンセントも付いてたりするのですごく人気です。(寝台列車では静かに眠れるし、個室ということで安心もできますから)
1等車両でタイのひと時を過ごしたい、という場合には、2~3日前にチケットを購入するか、12go.asiaで予約するのがおすすめです。
今(4月16日現在)で「バンコク – チェンマイ」を見てみると、最速では「9:20バンコク発、19:30チェンマイ着」の10時間10分。(2等車:エアコン)これが大人一人653バーツ(3000円ぐらい)なので、飛行機(普通に1万円以上はする)と比べればかなりお得ですね。
その分時間がかかりますが、そこはまぁ仕方ない。
ちなみに最安はその半分以下の280バーツ(1500円弱ぐらい)。お安いだけにこれは3等車(エアコンなし)で、14:15分バンコク発、4:05チェンマイ着の約14時間。
3等車でもエアコン付き(396バーツ)もあるので、電車で行ってみたいという場合には参考にしてみてくださいね。
レンタルバイクや駅からの距離
では最後に、その他チェンマイ駅が気が付いたものたちのご紹介。
レンタルバイク屋さんへと直結している
最初の方で見たように、駅の外にはレンタルバイク屋さんが数軒あります。それに加えてチェンマイ駅に降りると、ホームに直結してるようなレンタルバイク屋さんもあるんですね。

右端に見える飾りは、ソンクラーン用でしょう
こちらは2番ホームの正に横にある「J.Car & Motorbike Car Rental」というチェンマイのレンタルバイク屋さん。
営業時間は「4:00〜18:00」、
特徴として「格安レンタル・デポジット不要(預り金は不要)」ということが書かれてます。
オフィシャルサイトが見つからないので予想にはなりますが、チェンマイの相場からすると1日レンタルするとして、110cc以下では200バーツ(800円ぐらい)とか、125ccでは250バーツぐらい(千円ぐらい)になるでしょうか。
勿論、運転免許証が必要になるので、タイ旅行の前には国際免許証を申請して携帯していきましょう。
原付免許ではバイクをレンタルできないので、そのあたりはお調べくださいね。パスポートが必要になる場合もあるようなので、パスポートのコピーを携帯しておくと安心。
チェンマイ駅から各観光地への距離
では最後は以下。

何やら寺院などが写っていて、その下にも色々書かれてます。
これはチェンマイから行くであろう観光地までの距離を示す案内図。
目的地までのおおよその距離が書かれているので、行くとしたらどれほど時間がかかりそうかなど、イメージができそうですね。
上段はチェンマイ近郊の有名観光地(ランプーン:27km、チェンライ:185km、ランパーン:98km、メーホンソン:240km)などが書かれ、観光客用になるでしょう。
下段はより詳細で、チェンマイやランパーンなどに含まれる郡までの距離(チェンマイとかランパーンは県の名前で、その中には郡が沢山ある)が書かれてます。
例えば、温泉や手工業で有名な「サンカンペーン」までは15km、高地(モンチャム)やダイガーキングダムなど見どころも多い「メーリム」までは27kmなど。
英語で書かれていると分かりやすいですが、これは今後に期待ですね。
では今回はチェンマイ駅の現地レポをお届けしました。良い旅を!
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