タイの家と日本の家の違いを紹介!玄関・床・キッチンからお風呂まで徹底解説

タイで暮らすとなった場合、家の中はどんな感じか非常に気になりますね。

主にムーバーンの中の家についてになりますが、タイの家では割と大きなものになると住み込みスタッフ向けの専用スペースがあったり、キッチンがこんなに小さいの?とか、バストイレが3つあるのが普通なの?みたいな感じで、やはりそこはタイ。日本の家とは少々様子が異なるようです。

ここでは具体的に何がどう違うのか、日本の家と比べつつタイの家の中の様子をご紹介です。

ムーバーンはどんなところかについては以下を見てみてください。
タイに住むなら戸建て?ムーバーンの特徴やセキュリティ、住み心地や敷地内の様子をご紹介

玄関と床が明らかに違う

タイの家と日本の家の違いで、最も大きいのは玄関と床にあるかも知れません。タイの家にはそもそも玄関がない!

まず表のドアを入ると、日本であればそこは玄関。でもタイではいきなりリビングに入る感じです。

玄関がなくタイル張りの床が広がるタイの住宅。1階リビングの内観
1階、ドアを入るとすぐにリビング。すべすべしたタイル敷きの床がタイの家では一般的。
タイ住宅の2階に多い明るめフローリング材を使用した室内の様子
2階はフローリングの床が一般的。画像のような明るい色の床材は、新しいタイプの家によく見られます。

玄関がないとすると靴はどこで脱げばよいの?という感じですが(これがまず最初に戸惑うポイント)、靴は家に入る時に入口付近で適当に脱ぎ、そして家の中に入ります。

靴を後ろ向きにそろえて中に入るといった、日本ではマナーの1つにもなっている靴の脱ぎ方、揃え方の習慣はありません。

(寺院に訪れると良くわかりますが、上に上がったりする階段の下あたりにバラバラと靴やサンダルが置かれてます。脱いでそのまま上に上がるみたいな感じですね)

そして家に入って直後に目に映る床に注目!

上の方の写真は少し暗いので分かりづらいですが、1階は大抵タイルみたいな床が多いようです。スベスベして気持ち良いですよ。タイは暑い国なので、このような床になっているのか、という感じ

2階は板敷きのフローリングになっているところが多いですね。畳の部屋は勿論ありません。

写真にあるような明るめの床材は、比較的新しい住宅でよく見られます。こうした住宅では、建築コストを抑えるために軽量な素材を使っていることが多いようですね。

一方、少し前に建てられた住宅では、濃いブラウンの無垢材を使った重厚な床が主流でした。ただ土地代の上昇に伴い、全体の建築コストを抑える工夫として、床材もコストパフォーマンスを重視したものに変化してきたと考えられます。

キッチンが2つある?

続いて料理をする人ならだれもが気になるキッチン。

キッチンで驚いたのは、大抵の家には外にもう1つキッチンがあること。匂いの強い料理は外で作る、ということのようですね。

タイの一般的な住宅で見られる小さなサイズの室内キッチンの一例
家がそれなりに広くても、キッチンがかなり小さい造りになっているケースもある。
タイの住宅に見られる収納が充実した広めのキッチンレイアウト
設備が整った広めのキッチンの家もありうらやましい。調理スペースもしっかり確保されています。
タイの家の庭に設けられた屋外キッチンスペース
タイの住宅では、匂いの強い料理用に外にもう1つキッチンがあるのが一般的。
コンロ・シンク・収納が整ったタイの住宅の標準的なキッチン内観。
割と普通なキッチン。調理器具やシンクなど一通りが揃ってていいですよね。

周囲を見ても実際に活用している家庭は少なく、設置されていても使われていないケースは意外と多いようです。

そしてもう1つキッチンで驚いたのは、小さいキッチンの家が結構多いこと。

初めて見たときは、思わず「これで足りるの?」と感じてしまうほど、室内のキッチンがコンパクトな場合が多いようです。

ただ、外にもうひとつキッチンスペースがあることや、タイでは街中で手軽に食事を買えることもあり、キッチンのサイズは「必要最小限で十分」という考え方が一般的になっているのかもしれません。

普段から日常的に屋台もたくさん出てますし、その辺のレストランでは「持ち帰り」ということで普通にメニューから選んで料理してくれて、それを家に持ち帰って食べる、という形になります。

広めのキッチンのある家は、その家自体がかなり大きなケースになると思いますが、中には、広々とした家でありながら、キッチンスペースが非常にコンパクトに設計されている住宅も見られます。

バス・トイレは3つが基本?

続いてはバス・トイレ。

タイの家のバス・トイレは、「シャワー、洗面所、トイレで1セットが基本。日本で見るように、トイレだけ別、みたいなタイプは「ほぼ」見かけませんし、残念ながら浴槽がないのも基本です。

※)私が以前訪れた親戚の家は非常に広く、部屋と呼べるぐらいの個室にトイレが独立して設けられていました。建物全体の広さは、日本の地方にある昔ながらの一軒家を思わせるほどで、バンコク近郊でもこうした広さの住宅は珍しくありません。

お風呂については、日本人ならたまにはゆっくり湯船につかりたい、と思うものですが(といっても私はシャワー派)浴槽が欲しい場合には、自分でバス・トイレルームを改造する、ということが多いみたいです。

洗面台・トイレ・シャワーが仕切りなしで一体になったタイの住宅のバスルーム
タイの家の一般的な形。洗面所+トイレ+シャワーで1セット。シャワーの水が飛び散らないよう、簡易なビニールカーテンで仕切ることも多い。
タイの住宅でバスタブが設置された、改装タイプのバスルームの一例
バスタブが設置された改装済みのバスルーム。シャワーのみが基本のタイ住宅では珍しいスタイルで私のあこがれの1つ。

タイの家に住むにあたって、多分日本人が一番戸惑うのがトイレだと思います。上の画像をよく見ると分かりますが、タイの家庭用トイレでは、トイレ横に小さなハンドシャワーが付いているのが分かると思います。

旅行者が泊まるようなホテルにはウォシュレットがあるところも多いですが、タイにあるトイレは基本的にこうした小さなシャワーが横にあり、それで洗いたい所に水をあてて洗います。

初めて見ると日本人には何のためについているのか分かりづらいと思いますが、実際使い慣れて来るととても便利なことが分かります。バストイレ内で、たとえば床が少し汚れたなどでは、このシャワーで水を流すことができるため、掃除もスムーズに行えます。

そうしたことを考慮してることから、タイのバスルームは、水に濡れても良いように床がタイル敷きになっているのが基本。シャワーであたり一面水を流しても大丈夫なように排水も考えられた作りになってます。タイならではの生活の知恵、というところですね。

またタイの家では、こうしたバス・トイレが1階に1つ、2階に2つ設けられているのが一般的でもあり、コンパクトな住宅でも、1階と2階に1つずつある場合も多く見られます。

2階になぜ2つのバス・トイレかと言えば、2階には「大きな寝室が1つ」(マスターベッドルーム)と、「普通の寝室が2つ」あることが多く、この大きな寝室にはその部屋専用のバス・トイレが1つあり、残りの2部屋用に共用のバス・トイレ1つある、ということから、2階に2つのバス・トイレになります。

日本の一般的な住宅と比べると、かなりゆとりのある設計ですね。

階段は折り返しが基本

では続いて2階にあがる階段です。

日本で暮らしていた頃は、2階へ上がる階段といえば一直線で、角度もやや急なものが多かったと思います。

タイではムーバーンの家を色々見て回りましたが、そうした一直線の階段は全く見かけず、基本は途中で折り返しで登っていくタイプ。(そのため急勾配ではない)

また階段も2階の床と同じで、新しいタイプの家(土地代とかが上がって材料費を抑えたように見える建築)と、そうではないタイプの家(まだ土地代が上がってない時期に建てられた家、または、高級感のある家)では雰囲気が異なります。

タイの新しいタイプの住宅に多い、明るめの材質で作られた折り返し階段の内観
明るい木材で作られた、途中で折り返す形状のタイ住宅の階段
高級感あるタイ住宅に見られる、濃いブラウンのしっかりした木材を使用した階段
濃い色の木材で作られた、重厚感のあるタイ住宅の折り返し階段

1つ目の画像が新しいタイプの家の階段で、明るめの材質で作られているようですが、2つ目の画像では板の色も濃いブラウンで、しっかりした木を使っているというのが分かります。

歩く感触も、濃いブラウンのタイプの方が床が適度な硬さがあり、足ざわりからも「しっかりした材質で作っている」というのが感じられます。

ちなみに我が家も、このような濃い色の木材を使った階段が採用されています。素材の質感や雰囲気が気に入っているポイントのひとつです。

庭が広い所は本当に広い

最後は庭の雰囲気を見てみましょう。

ムーバーン内の既に完成している家では庭の広さはもう変えられませんが、まだ建設中のムーバーンの場合、庭をもっと広くしたい、ということであれば交渉できます

勿論土地がそれだけ広くなり、ムーバーン側が想定している価格よりも広げた土地分だけ高くなりますが、そうした交渉もできる、ということを知っておくと選択肢が広がるかもしれません。

※)一定期間がたつと、場所代がとられるようになる

ムーバーンも一定期間が経つと(数ヶ月とか半年たつと)マンションで言う管理費みたいなものが徴収されるようになります。この費用で警備員や清掃員などが雇われる。土地の広さに応じて徴収されるので、そこも考えておいた方が良いかも。

芝生と観葉植物が整備された、タイの住宅の手入れの行き届いた庭
緑豊かに整えられた庭。植物がバランスよく配置され、住まいの雰囲気を引き立ててますよね。
芝生が広がる、タイの新築住宅に併設された広い庭
まだ新しいタイの住宅に見られる、芝生が広がるゆったりとした庭スペース。
草が伸び放題になっている、手入れされていない状態のタイの住宅の庭
定期的な手入れがされていないタイの住宅の庭。結構草ぼうぼうになっている状態。
タイの庭に設置された、精霊を祀るサーンプラプーム(祠)
広い庭には神様を祀る社(サーンプラプーム)を設置する人も多い。タイならではの光景。

家には大抵正面に駐車場があり、そして庭がぐるっと家の周りを囲ってます。

家の裏側は庭というより細い通路で、歩いて家を一周回れる形。キッチンが外にあったり、家庭で使う水のタンク(高さ2mほどのもの。断水に備えて水をためたりする)を家の後側などに置くのが普通で、そうしたものに簡単にアクセスできるようになってるんですね。

庭の広さは同じムーバーン内でも複数のタイプがあり、広いタイプでは、そこに新たに別室を独立して建てたり、そもそもそうした別室が庭に用意されているタイプのものもあります

私自身はこうしたスペースの必要性をあまり感じてませんが、ゲストルームや子ども用の独立した部屋として使われることもあるようです。家庭によっては物置代わりにしているのも見かけます

タイは仏教国で非常に信仰の篤い人が多く、仏教は生活の一部として当たり前のようになっていて、家の中や庭に神様(精霊)などをお祭りする社(タイ語で”「サーンプラプーム」)を置く人も沢山います。

バンコクでもどこでもそうですが、歩いているとこうしたお社がホテルの敷地内やマンションの一角においてあるのを見かけます。

各家庭でも敷地があれば大きなもの、敷地が少なければ家の中などにお祀りしてますね。(日本で言う神棚みたいなものかな)

タイの家で一番びっくりしたこと

タイの家で最も驚いたのは、住み込みスタッフ向けの専用スペースがあらかじめ用意されているものがあること

こうした部屋は比較的大きな家や、少し昔の時期に建てられた住宅に多く見られます。建物内部とはつながっておらず外からのみ出入りできる独立した居室になっていて、部屋の中には専用のバスルームも備えられていました。

以前、話のネタにとバンコク郊外の新築物件を見学した際にそうした構造の家を見かけました。木造のタイの昔風の家でしたが、同じ屋根の下に外からのみ出入りできる1室が用意されてたんですね。

なぜにそうなっているのか不思議に思い、同行している方に聞いてみると「あれは住み込みスタッフ用の部屋です」というお話し。

なるほどと思いつつ、「この構造は珍しいね」と言ったところ、一緒に同行していたタイの人たちは笑っていました。どうやら私の反応がいかにも“外国人っぽかった”ようです。

タイの人から見れば、昔からの伝統的な家の作りであり、ごく自然なものだったようです。私はそうした文化的背景を持っていないため異なる印象を持ち、それが面白さにつながったようですね。

セキュリティ観点からも居住空間を分けておくことには意味があるようで、こうした工夫には、長年の暮らしの中で培われた知恵が反映されているのだと感じました。

今回は、タイの家の中の様子と、日本の住宅との違いについてご紹介しました。

実際に暮らしてみて気づいたことをまとめているので、これからタイで生活を始める方の参考になれば嬉しいです。

タイの家の探しについては、以下をご覧ください。
タイで家探し!戸建てとマンションを比較して決めた我が家の選び方

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