私の通った大学(パヤップ大学)のタイ語コースは、タイ1、タイ2と順にレベルが上がり、各々1か月行われますが、各期末にはプレゼン課題が出されます。
それまで習ったタイ語を使って文章を作り、先生、生徒の前で発表するわけですが、今回はタイ語学校のプレゼン課題はどんなものか、どんなものを作って実際の発表はどんな感じだったのかをご紹介です。
パヤップ大学でのタイ語コースの様子については以下参照してみてください。
タイの大学でタイ語を学ぶ!学校の選び方からコース概要まで体験談をご紹介
タイ1コースは自己紹介
課題と具体例
「タイ1」では「タイ1」で習った単語やフレーズを使ってタイ語の自己紹介文を作り、それを一人前に出て先生や生徒全員に向けてタイ語で発表する、というのが課題として出されます。
タイ1では挨拶から名前は何、出身はどこ、何が好き、など、自分を表現する単語や表現、時間や曜日、場所の言い方など基本のフレーズを習うので、こうした課題になってるわけです。
授業の1週間ほど前、先生から「次回はプレゼンの発表です」と案内がありました。課題のテーマが発表されたその日から、早速自宅で少しずつタイ語の文章を組み立てていきました。
時間的には十分余裕があるので、復習を兼ねて1つ1つ文章を考えていきます。
こんにちは、皆さん元気ですか?
私は元気です。ありがとう。
今日は水曜日ですね。天気も良いです。
私は日本人で名前は~です。
出身は~県の~市です。
今住んでいる場所は~で、住所は~です。
朝何時に起きて何時に寝ます。
食べ物は辛い物は苦手です。
あなたは辛い物は食べられますか?
・・・・
こんな感じで「タイ1」で習った単語やフレーズを総動員して作ります。
タイ1ではテキストがあるので(これはタイ1コースが始まる時に購入します。高いものではありません)そのテキストを最初から読み返しながら、テキストに沿って習った単語やフレーズを順に文章にしていけば自然と課題作成ができるし、すごく良い復習になりますね。
ちなみにタイ1コースの段階では授業ではタイ文字を使わないのでタイ文字はまだ書けないし読めない。課題は英語のアルファベットでタイ語の発音を書いて作成してます。
(これは他の生徒も同じ。タイ文字の読み書きはを習うのはタイ3コースですので。)
分量的には大体A4で1枚から2枚ぐらいです。(私の場合1枚+半分ぐらいの量)
実際に作成した課題内容
実際作成した課題の一部ですが以下のような感じです。
(カッコ内は日本語訳。実際には課題には書いてないですが参考までに。)
Sawat dee krap.(こんにちは)
Sa baai dee mai krap ?(お元気ですか?)
Pom sabai dee krap.(私は元気です)
Wan-nii wan-pa-reu-hat.(今日は木曜日)
Muea-waan-nii wan-put.(昨日は水曜日)
Prung-nii wan-suuk krap.(明日は金曜日)
Pom bpen nak-seuk-saa tii ma-haa-wit-ta-yaa-lai Payap krap.
(パヤップ大学の生徒です)
・・・・
・・・・
Set laaeo.(以上で終わり!)
Pob-gan-mai krap.(じゃ、またね)
私の場合、前の日までに課題を作り上げて、何度もタイ語で読み上げる練習をしてました。
皆の前で発表するのはやっぱり緊張しますよね!
でも他の生徒も大体内容が似たような感じなので言ってることも良くわかって嬉しいですし、楽しい課題発表になりました。
タイ人の先生にも理解できるタイ語で話せたようで、発表後に幾つか内容に対しての質問も受けましたが(これは英語で受け答え)、練習の甲斐もあり無事終了です。
ちなみに作成した課題について合格、不合格、というのもありませんし、その後先生に提出、というのはありませんでした。
タイ2コースは母国の説明
「タイ2」コースの期末課題は「母国をタイ語で紹介する」というもの。生徒それぞれ出身の国について思い思いにタイ語で説明です。
課題と課題発表の様子
発表時はプロジェクターの仕様が出来ました。
そのため大抵の生徒はパワーポイントで画像を沢山使ったプレゼン資料を作り、USBにそのデータを入れて持参し、皆の前に用意されたPCを使ってプレゼンするわけです。

生徒がPC、プロジェクターを使って母国紹介の発表を行います。
タイ1の課題発表も2回に分けていたと思いますが、母国の説明となると1人1人の説明が長くなりこの課題発表は3回に分けて行われました。
私の順番は後半だったため他の生徒の発表がどんな感じかを見ることができましたが、基本はその生徒の出身の国の観光名所をタイ語で説明する、というパターンが多いようです。
また「タイ1,タイ2で習った単語やフレーズを使う」といったような課題に対する前提条件みたいなものがなかったためか、説明内容を先に考え、それを後でタイ語に翻訳して発表するという人がほとんど。
そうなると授業で習ってないタイ語の単語やフレーズが多く入り、先生は説明内容が分かっても他の生徒が良く理解できません。
また説明している内容はタイ語の意味が解らなくても雰囲気でなんとなく分かるんですけが、観光名所の説明を聞いていてもその国や場所をよく知らなければ、聞く方も集中力がなかなか続かない、ということもあります。
作成した具体的な内容
そうした発表内容を聞く中で、次のような考えを持つようになりました。
- 観光名所は興味を持たれないかも:
日本にあまり関心がない場合、日本の観光地の紹介では関心を持ってもらえないかもしれない - 個人が深くかかわっている場所の方が興味を引きやすい:
自分が日本で暮らしていた場所とその様子を紹介した方が、名所より個人が深く関係することから、より身近に感じてもらえて関心を持ってもらいやすいだろう - 皆が理解できること:
その説明の中で、これまで習った単語やフレーズで説明してみてはどうか、
こうした考えから、旅行のCM、ガイドブックではまず見ない日本のローカル情報になりますが、自分が日本で暮らしていた様子を紹介しました。
これには先生は勿論、クラスメイトからも「その国の暮らしがよく分かった」と好評で、結果的にとても良い選択だったと感じています。
- 日本からタイにはどういったルートで来るのかから始まり、
- まず成田空港からバンコクへ飛行機で何時間などを説明。
- その後、日本で住んでいた地域の駅前には銀行や郵便局、近所の公園や電車で数駅先にある博物館、
- そうした場所の季節の移り変わりなど、日本での一般的な暮らしぶりが分かるような画像を使ってパワーポイントで資料を作りタイ語で説明。
全部で13スライドで、使用した画像は、過去に自分で撮影したものから使えそうなものを探したり、ネット検索で探して、それらをプレゼン資料として活用しました。
またグーグルマップを使えば、その場の情報を表示するにはとても役立ちます。
実際のパワーポイントのスライド構成は以下になりました。
- スライド1:発表のタイトル(のみ)
- スライド2:日本からタイへのルート説明
- スライド3:空港から東京までのルート説明
- スライド4:東京駅の様子を説明
- スライド5:地元の駅まで移動手段(電車)の説明
- スライド6:地元の駅周辺の様子の説明
- スライド7:駅から見て東西南北に何があるのか(公園や博物館など)説明
- スライド8:スライド7で説明した山の方の季節の移り変わりを説明
- スライド9:スライド7で説明した公園の季節の移り変わりを説明
- スライド10:スライド7で説明したアミューズメントパークの様子を説明
- スライド11:スライド7で説明した博物館の様子を説明
- スライド12:スライド7で説明した近所の川の様子を説明
- スライド13:最終ページ(Thank you のみ)
こうしたローカル地域の説明は「タイ1」、「タイ2」で習った単語や表現で説明ができますし、なにより先生や他の生徒にも理解しやすいものにもなるため、非常に有効だと感じました。
プレゼンでは、使う予定のタイ語の単語やフレーズがすぐ出てこないことも想定して、スライド内にローマ字表記で控えめに入れておきました。
こうしておくことで、そのスライドを見る側にも分かりやすいく、発表も落ち着いて進められます。
参考までに、説明で使った単語やフレーズは、全てタイ1、タイ2の授業で学んだ範囲から選んでいますが、授業で扱ってない単語は一部の地名ぐらいでした。
発表の場では緊張もありましたが、授業で習った表現を使って話すだけなので、必要以上に構える必要はありません。評価があるわけではないので、自分なりの工夫をしながら、楽しんで取り組める課題だと思います。
プレゼン中の小さなハプニングと温かいやり取り
皆の前で発表していた時、「それは知ってる!」といった共感からか、一番前の席に座っていた生徒の方が指差しをした瞬間、机の上に置いてあったジュース入りのカップに触れて倒してしまう、というハプニングがありました。
「あ!」という声と共に机の上にジュースが広がり、その方もかなり焦った様子でしたが、なぜかその時に限って私自身は不思議なくらい非常に冷静で、ポケットに入っていたハンカチをポンとそのこぼれたジュースの上に置いて拭くようにそっと促し、そのまま落ち着いて発表を継続できました。
こうして文字にしてみると、映画やドラマの中のワンシーンみたいな感じですが、もう私はそのことを忘れて最後まで発表をし、その後先生との質疑応答をして無事終了。
多分、発表をしている緊張もあり、逆に冷静に対処できたんじゃないかなという感じです。
その後はそのハンカチの事をすっかり忘れてその日の授業は終わり、さて帰ろうかなと外に出て歩いていたところ、その生徒があのハンカチを洗ったのでしょう、持って来てくれて何かを言いたそうなそぶりをしつつ渡してくれました。
思えばその方は英語は話せなかったようで、でも何か気持ちは伝わってきて、心が温かくなったというか、とても嬉しかったことを覚えてます。
海外での学びを通じて、こうした温かな関係が育まれていくのは嬉しいことですね。
最後のまとめ
今回は、私がタイで体験したタイ語コースのプレゼン課題について、その内容や雰囲気をご紹介しました。
プレゼン課題と言っても難しく考えず、授業で習ったことをそのまま使って行えば、復習にもなり、他の生徒にも伝わりやすく、学んだ内容の定着にもつながると感じました。
私の発表ではハプニングもありましたが、
今となっては良い思い出ですし、そのこともあってかプレゼン自体も印象深く、今でも鮮明に思い出せる経験になりました。
授業は明るく、先生はときどき冗談を交えながら進めてくれるので、教室には自然と笑顔があふれていました。クラス全体がとても和やかで、学ぶ環境としても心地よかったです。
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