タイと日本の文化の違い!チップやWiFiなど5つの注意点

タイと日本では、文化や日常のマナーについていろいろな違いがあります。

「頭を触ってはいけない」「足をまたいではいけない」などは、よく知られていると思いますが、それ以外にも日本人が戸惑いやすい違いも多くあります。

本記事では、タイ歴10年の筆者が、一般的な旅行のガイドブックに書かれておらず、でもタイを訪れる日本人が特に戸惑いやすい「チップの習慣」「横断歩道の渡り方」「病院の設備」「公共WiFi」「精霊の祠」など5つについて、タイと日本の違い、タイ現地における注意点などを紹介します。

タイを訪れる時の注意点として、是非参考にしてみてください。

チップ:いつ、どこで、いくら渡す?

アメリカなど欧米へ旅行に行った時、日本人が少し困るものの1つが「チップ」。

実はアジアでも地域によってはチップが求められる場合もあり、タイでは求められないにしても、何かサービスを受けて「これは良かった」「ありがたかった」と感謝の意を表す場合に、少額のチップを渡すことが良くあります。

「この場合はチップを渡すこと」という決まりはありませんが、では実際どのような場面で渡すのか、旅行者がよく利用するシーンを含めて以下ご紹介。

レストラン

まずは誰もが利用するレストラン。

レストランのテーブルに並べられたタイ料理の数々。スープが美味しそう。
タイのレストランでは多彩な料理がテーブルを彩り、シェアして楽しむスタイルが一般的です。

レストランでは基本チップはないですが、現金で支払った時に小銭や少額のお釣り(100バーツ(400円ぐらい)に満たない額)が戻ってくると、それをそのままチップとして置いていったりします。

(最近は昔に比べてカードで支払うことが多いので、レストランでチップを渡す機会も少なくなってるかもしれませんが)

チップとは異なりますが、家族や親せきなど、グループでレストランに行くとき、奥のお誕生日席や奥の角の席に座らないようにすると良いかも知れません。

その席は、支払いをする人、つまりその場の一番偉い人の席で、最後にお会計を頼むと大抵その席のところにもってくるので覚えておきましょう。

ホテル

タイでチップを渡すと言えば、ホテルが一番多いと思います。

まずホテルに着くとベルボーイが旅行バッグなどの荷物を部屋まで運んでくれるので、部屋から立ち去ろうとする時にさりげなくお礼としてチップを渡します。

(最近は100バーツほど(400円~500円))

日本人では遠慮する感じで荷物は自分で運ぼうとしてしまいますが、そこはベルボーイに任せ、チップをお礼として渡すのが良いと思います。

また一部の国では、ホテルの清掃係に渡すチップを枕の下に置くといったことがありますが、タイではそうした週間は一般的ではありません。

また夜に何か食べたくなりルームサービスを頼む場合、食事など持って来てくれた人にチップを渡します。(最近では50~100バーツほど。(200円~400円)。その時お財布にある小額紙幣を使います)

※)病院のルームサービスも同様

私がよく行く私立病院では入院や付き添いの経験があり、そこでは病室の電話で近くのレストランに食べ物や飲み物の注文ができます。

(病室にそのお店のメニューが標準装備されてます)

注文したものはお店のスタッフが運んでくれますが、支払いに加え、運んでくれたことに対する感謝の意としてチップを渡します。(50~100バーツほど。(200円~400円))

タイの病院についてさらに詳しく知りたい場合には、以下の記事を見てみてください。
病院なのにホテル並み?チェンマイ・バンコク病院の雰囲気と設備を詳しくレポート!

タクシー

バンコク王宮近くに停車中のトゥクトゥクの列
バンコクでは観光の足として人気のトゥクトゥク。
王宮周辺でも多くのトゥクトゥクが待機している。

チェンマイでは自分たちの車があるのであまり使いませんが、バンコクに戻ると良く使うのが「トゥクトゥク」や「タクシー」。

ちょっとした距離なら料金もとても安く(100バーツ(約400円)以下)、100バーツ紙幣を出すと当然細かいお釣りが出ます。

そうした時は「お釣りはいいから」といってササッと降りるのがスマート。

お釣りがいらない場合、英語なら「Keep the change.」、タイ語なら万能の「マイペンライ」(ไม่เป็นไร)と言えば「お釣りはとっといて」という意味が伝わります。

参考までにですが、そうした細かいお釣りも、しっかりもらう場合もあります。

マナーの良くないと感じる運転手や遠回りと思われる道を行った場合ですが、運転手から見ても、乗客が細かいお釣りをもらうと、「何か気に障ったことがあったんだ」ということが伝わります。

チップはあくまで感謝のお礼。
感謝するときはチップを払い、そうでなければ特に払わない、ということで、サービスの質の向上へとつながってるんですね。

他にもマッサージ師、美容師など、サービスを受けて気に入ると、去り際に担当してくれた人にお礼のチップを渡します。

もらった方も嬉しいですし、チップをくれた人のことを覚える可能性も高く、次に訪れた時により良いサービスが受けられる期待感も出てきますね。

横断歩道:安全に渡るには

続いては交通事情です。

横断歩道について、チェンマイでは町の中心ぐらいしか見ないと思いますが、バンコクでは結構あります。でも横断歩道だからと油断は禁物。

日本では車も「人が渡る」と分かれば、大抵手前で止まってくれるもの。でもタイは止まってくれないのが基本です。

最近はタイでも日本と同様「押しボタンで信号が変わる」横断歩道専用の信号機が増えて来たと思いますが、それでも本当に車が止まってくれるかどうかは、しっかり確認してから渡りましょう。

特に交通量の多い道路では、安全を確保するために複数人で手をつなぎ、車の流れが途切れるのを待ってから一気に渡るのが現地流の対策です。(それだけ現地の人も車には気を付けているということです)

信号付きの横断歩道でもドライバーが気づかずに進行する場合があるため、信号は過信せず、左右の確認は必ず行うことが大切です。

海外旅行に来て交通事故で入院とならないよう、通りを渡るケースでは特に気を付けていきましょう。

病院はホテルみたい?

タイには日本同様、公立系の病院と私立系の病院があります。

公立系の病院は日本と同じような感じですが、私立の病院は設備が充実し、初めて行くとホテルのような快適な環境に驚く人も多いと思います。

先ほど出てきたように病室には近所のレストランのメニューも置いてあり、室内から食事や飲み物、デザートなど注文することも出来ます。

キャラクターデザインの送迎用電動カートが屋外に停車中
タイの私立の病院(バンコク病院)では、患者や来院者の利便性を考えたユニークな送迎カートが導入されてます。
これなら子供も楽しく病院に行ってくれそうです。

私立病院は公立系の病院に比べ医療費が高く、現地の一般向けというより海外からの移住者やお金に余裕がある人向けという位置づけでしょう。そうしたことから予約もすぐとれ、待ち時間もそれほど長くなく、日本で病院に行く時と同じ感覚です。

また医療スタッフは、皆、凄く丁寧ですし、スタッフ、看護師、医師もみんな英語を普通に話します。これは先生やスタッフの採用条件に英語力が入っているからのようですね。

チェンマイには日本人も多く、日本語通訳の方もいて、「日本語の通訳を付けますか?」と最初に聞いてくれたりしてサービスがとても良いです。

タイで急に病院に行くことがあれば、パスポートから日本人と分かると「日本語の通訳は必要ですか?」と聞いてくるかもしれません。そうした場合には遠慮せず、積極的に活用してみてくださいね。

私がこれまで利用した病院では通訳料はかかりませんでしたが、病院によっては違いがあるかもしれません。必要に応じて受付で確認しておくと安心です。

※)タイではどれほどのタイ語力が必要か、英語はどれほど活用できるかについては、以下の記事を参考にしてみてください:
タイの生活に必要なタイ語レベル!英語は喋れる方が良い?

フリーWiFiが色々な場所にある

今はネット、WiFiは無くてはならないもの。

タイでは多くの公共施設でフリーWiFiが利用でき、空港は勿論、カフェ、ショッピングモール、サービスセンターなど、様々な場所でフリーWiFiが用意されています。

更に私立の病院でもフリーWiFiが用意され、病室でも使えるため、入院する人や付き添いの家族にとって非常に便利です。

日本では病院内は「精密機械に影響が出る」という理由からWiFiは使えないことが多いと思いますので、タイの病院に来ると驚く人も多いかもしれません。

参考までに、空港ではメールアドレスを登録すると1時間利用できる、という形。これは日本でも採用されてる方式だと思います。

カフェやサービスセンターでは、壁にWIFIの名前やPWが掲示されている場合も多いですが、中にはセキュリティ観点から、受付でWIFI名とPWが書かれたカードをもらい、帰り際にはそのカードを返す、ということをする場合もあります。

私の通う病院では、パスワードなしに使えるフリーWIFIの提供がありますが、パスワード有り無しは病院の考え方によるでしょう。

タイに来てカフェなどでWiFiが使いたい場合、特にWiFi名やパスワードの掲示がなければスタッフに尋ねてみてください。

単に「WiFi」と伝えるだけでも意味は通じると思いますが「ミー ワイファイ マイ」(มี WiFi ไหม)と聞くと良いです。

(ミー ~ マイ?で「~はありますか?」という表現になります)

タイの人々と精霊について

タイでは熱心な仏教国として知られてますが、その関係からか、目に見えない「神秘な存在」を信じ大切にする文化が根付いてます。

街を歩くとふと目に入るのが「精霊の祠」(スピリットハウス)。

公共の施設やショッピングモールの敷地内だったり、家の庭の片隅だったりと、その場所はさまざまですが、人々が精霊に感謝したり、災いから守ってもらうために祀っているのだそうです。

その形も様々で、たとえば以下のようなものです。

チェンマイの陸運局の敷地内にあるスピリットハウス(精霊の祠)
チェンマイの陸運局にあるスピリットハウス。敷地内にはこのほかにもスピリットハウスが置かれている。
チェンマイのムーバーン内の家庭で見たスピリットハウス(精霊の祠)。中に精霊たちの人形もある。
チェンマイの家庭で見たスピリットハウス。よく見ると中に精霊たちの人形が祭られているのが分かる。
チェンマイのショッピングセンター前にあるスピリットハウス。非常に大きなもので、ちょっとした寺院のような大きさ。
バンコクのショッピングセンター前にあるスピリットハウス。タンブン(お布施)として花輪が多く捧げられている。

電柱の根元や公園の隅に置かれていることもあり、観光客には少し不思議に映るかもしれませんが、現地ではとても大切にされている存在で、むやみに触れたり、物を置いたりなど、軽々しく扱うのは厳禁です。

ちなみに、こうした文化の延長線上にあるのか、タイでは“神秘的な話”が人気です。

テレビ番組やYouTubeでも、不思議な話、神秘的なテーマのコンテンツも多く見られ、それだけタイの人々の中に「目に見えない世界」への関心があるということも分かりそうです。

まとめ

今回紹介した「チップ」「横断歩道」「病院」「Wi-Fi」「怖い話」の5つについて、いずれもタイの生活や旅行中に出会うこともあると思います。

これら習慣や価値観の違いはガイドブックには載っていないと思いますし、現地で体感する“リアルな文化の違い”を事前に知っておくことで、タイでの滞在がより快適でより深く楽しめるものになるはずです。

特に「サービスに対してチップを渡す」といった習慣、「横断歩道では車が止まらないので要注意」といった交通事情は、明らかに日本と大きく異なりますので旅行前には是非再確認して見てください。

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