「おれは人間をやめるぞ! ジョジョーッ!!」
この衝撃的な宣言と共に、ディオは石仮面の力を使って吸血鬼へと変貌します。この圧倒的な力を手にしたディオに対し、ジョナサンは燃え盛るジョースター邸で、命をかけた決戦に挑みます。
この第3話「ディオとの青春」は、甘い少年時代の終わりを告げ、ジョナサンが「真の覚悟」を問われる回。私も52歳のエンジニアから見ると、この極限状態には、ビジネスの現場にも通じる「一線」の越え方と、困難への向き合い方があるかと思います。
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「闇の誘惑」と、想像力のブレーキ
ディオは野望のために「道徳」と「誠実さ」を捨て、人外の存在になる道を選びました。
現実のビジネス社会でも、そこまでの極端な例ではないにせよ、目の前の利益や地位のために不誠実な道を選びそうになる「闇の誘惑」は確かに存在すると思います。
誰だって楽をしたいし、お金は欲しい。
でもそこで一線を越えてしまうかどうかの瀬戸際で、その人の真価が問われます。
一線を越えた先に何が待っているのか。
その代償として何を失い、その後どうなってしまうのか。
それをリアリティをもって想像できるかどうかが、最後のブレーキになるのだと思います。ディオのような「後戻りできない決断」を下す前に、その先の景色を鮮明に描ける冷静さを、私たちは常に持っておかなければなりません。
限界に直面したとき、「外の力」に頼る勇気
「人間の能力には限界がある」と絶望したディオ。
エンジニアとして、あるいはリーダーとして仕事をしていると、自分一人の力ではどうしても解決できない「壁」にぶつかることがあります。
その際、私は「外側の力」に頼ることも一つの正解だと考えています。特にスピードが求められるビジネスの世界では、自分の地力がつくのを待っていては手遅れになることも多い。適切なツール、あるいは他者の知恵という「外側の力」を借りて局面を打破するのは、プロとしての判断です。
ただ、自分の人生という長いスパンで考えるなら話は別です。
1年、2年と時間をかけてじっくり自分の中身を磨き、地力をつけていく。その「自分のための時間」と「仕事での成果」を切り分けて考えることが、エンジニアとして長く走り続けるコツなのかもしれません。
「意味がない」と言い放った上司から学んだ、人としての懐
ジョナサンが父の犠牲によって命を繋いだように、私たちもまた、誰かの影響を受け、今の自分を形作っています。
私にとって「今の自分があるのはこの人のおかげだ」と思えるのは、以前も触れた「私の資料を『意味がない』と切り捨てた」あの上司です。
厳しい評価を下す一方で、その人は本当の意味で「頭の良い」人でした。私を面白がって自宅に招いてくれたり、自分の子供と無邪気に遊ぶ私を見て笑ってくれたりしました。エンジニアとして尊敬できるのはもちろんですが、相手の懐に飛び込む私をそのまま受け入れてくれる「人間としての深み」を持った方でした。
相手に合わせて信頼を築く。その大切さを教えてくれたのは、一見すると理不尽にも見えた「厳しいプロフェッショナル」の背中だったのです。
燃え盛る屋敷(背水の陣)での「困難の分解」
燃え盛るジョースター邸で、退路を断たれたジョナサンは吸血鬼に立ち向かいました。ビジネスの世界でも、プロジェクトの炎上や予期せぬトラブルで、まさに「背水の陣」といえる極限状態が訪れることがあります。
そんな時、焦って闇雲に動いても事態は好転しません。どこに逃げても困難は待ち受けている。そう腹を括るしかないのです。
大切なのは、目の前の巨大な困難をそのまま見つめるのではなく、冷静に「小さな困難」へと分解することです。10の難問も、1つ1つの小さなタスクに切り分ければ、今やるべきことが見えてきます。
1つをクリアし、また次へ。その執拗なまでの積み上げこそが、圧倒的な「怪物」のような問題を鎮める唯一の方法なのです。
競合他社を震撼させた「細部へのこだわり」
ジョナサンは不死身の怪物に対し、屋敷の構造という「既存の環境」を工夫して戦いました。私も大きな競合他社に対抗する際、自分たちが持つ「仕様と工夫」を武器にしてきました。
他社製品を徹底的にリサーチし、さらにその先を行く工夫を盛り込む。地道で細かな作業ですが、その「こだわり」は確実に伝わります。
後に私が勤めていた会社が他社と合併した際、合併相手の社員から「あなたたちが作った商品を、当時何度もリサーチして参考にしていた」と打ち明けられたことがありました。
かつての敵(競合)が、こちらの執念を認めてくれていた。これほどエンジニア冥利に尽きることはありません。圧倒的な「怪物」のような競合に立ち向かう知恵は、常に自分の現場での「徹底したこだわり」の中に隠されているのです。
ジョジョ1 第3話のまとめ
人間を捨てたディオと、人間として誇りを守るために戦うジョナサン。極限状態の中で問われるのは、結局のところ「自分はどうありたいか」という覚悟一つです。
「小さな困難に分解して、1つずつ超えていく」
「細部にこだわり、相手の度肝を抜く」
ジョナサンが炎の中で見せた知恵と勇気は、現場の大きな困難にも通じる、普遍的な勝利のセオリーなのかもしれません。
次回は、傷ついたジョナサンの前に現れる奇妙な男、ツェペリ男爵。彼から教わる「呼吸」と、新しい技術の習得について、52歳の学び直しという視点から語ってみたいと思います。


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