50歳になってから、ピアノを始めました。
子どもの頃にエレクトーンを習っていたので、「昔やっていたし、少し練習すれば戻るだろう」と思っていたんです。ところが実際に弾いてみると、これが思ったようにはいかないんですね。
独学だけではなかなか前へ進まないため、ピアノ教室にも通い、また休日にまとめて練習する方法から毎朝15分へ変えたことで、少しずつ変化も出てきました。
この記事では、50歳からピアノを始めた私の経験をもとに、昔の経験に頼りすぎず基礎へ戻る考え方や、無理なく続けるために毎朝15分へ変えた理由を書いています。
50歳で始めたら思ったように指が動かなかった
ピアノを始めたとき、子どもの頃にエレクトーンを習っていたので、鍵盤そのものには馴染みがありました。最初は、「まあ、少し触れば思い出すだろう」くらいに考えていたんです。
ところが、いざ両手で弾こうとすると全然違いました。
右手を動かしていると左手が止まる。左手に集中すると、今度は右手がどこを弾いていたのか分からなくなる。簡単そうに見えるところでも、思ったように指が動きません。
「いや、これは思っていたより弾けない。難しいな……」
そんな独り言が出ました。
昔に少し経験があるぶん、「以前できたのだから、今もある程度できるはず」という気持ちがあったのだと思います。でも実際には、当時の感覚がそのまま残っているわけではありませんでした。
できないと、つい昔の自分と比べてしまいますよね。
「昔はもう少しできたはずなのに」と思いましたが、昔と比べても、今の指が動くようになるわけではありません。
昔の経験に頼らず基礎からやり直した
一人で練習しているうちは、とにかく曲を弾けるようになりたいと思っていました。
止まりながらでも最後まで進めば、そのうち慣れてくるだろう。そんな感じです。でも思うように弾けないところは何度やっても同じところで止まります。
このままでは、いつまでたっても弾けるようにならないな、ということで、独学だけで続けるのをやめ、思い切ってピアノ教室へ通うことにしました。
姿勢・手の置き方・指番号まで戻った
教室で最初に見直したのは、難しい演奏技術ではなく、なんと初歩の初歩。姿勢、鍵盤への手の置き方、指番号でした。
早く曲を弾けるようになりたくて教室へ行ったのに、実際には手の形や指の使い方を確認している。
「え?そこからやるの?」という感じでしたが、先生に見てもらうと、自分では気づいていなかった癖があったり、これでは上達しないという練習方法をしていたのが分かりました。
弾きにくいところを無理に指で追いかけたり、楽な指ばかり使ったりしていると、少し先で動けなくなります。指番号を決めて、その通りにゆっくり弾いてみると、最初は面倒でも動きが安定しやすくなりました。
昔の経験があるからといって、基礎を飛ばしていいわけではなかったんですね。
基礎練習は最初、遠回りに思えた
正直、基礎へ戻ったときは、こんなのやる必要あるのか、と、随分遠回りをしているように思いました。
私は曲を弾きたいのに、姿勢や手の形を確認している。指番号を間違えたら、もう一度ゆっくりやり直す。
「これ、本当にやる必要あるのか」
「これをやると、本当に弾けるようになるのかな」
それでも続けていると、前なら途中で詰まっていたところが、少しずつ滑らかにつながり、
「あれ、今日は少し動くな」と、気づく日が出てきました。
大きな変化ではありませんが、昨日まで引っかかっていた小節がつながると、それだけでも「あ、ここ止まらずに弾けるようになってる!」と、嬉しいものです。
基礎へ戻ることは、私が想像していたような遠回りではありませんでした。動かない状態のまま何度も曲を通すより、止まっている原因を一つずつ直した方が、結果的には前へ進みやすかったんですね。
休日のまとめ練習をやめて毎朝15分にした
自宅での練習の仕方も途中で変えました。
最初は休日に長めに時間を取って、1時間や2時間まとめて練習しようとしていました。でも、毎回まとまった時間を取れるとは限りません。
「今日は時間がないから、また今度」
そうなると、次に鍵盤へ触るまで間が空いてしまいます。そこで、長く練習することより、毎日少しでも触る方へ変えました。
今は毎朝15分ほど弾くようにしています。
15分なら、それほど構えなくても始められます。15分もできない日は、昨日つまずいたところだけ繰り返し弾いたり、指の動きを確認するだけで終わることもあります。
毎日きっちり15分やることより、鍵盤に触れる日を増やすようにしました。
このように長くまとまった時間で練習するより、毎朝少しでも鍵盤に触れる方が私にあっているようです。
若い頃の速さより小さな変化を見るようになった
私の場合、50歳から始めた、ということもあるかもしれませんが、覚えたつもりでも次の日に忘れていたり、頭では分かっているのに指がついてこなかったりすることもあります。
最初は気になりましたが、今では、若い頃と同じ速さで上達できるかどうかは、あまり考えなくなりました。
昔の自分と比べるより、
「先週より少し弾けた」
「前より指が動いた」
と、今の自分の変化を見るのがいいですし、何よりそうした変化が出るのが楽しいです。
始めた頃には何度も止まっていた小節が、ある日すっとつながる。
「お、今日は行けた」
そんな小さな変化でも、続けてきたものが少し形になったようで嬉しくなります。
昔の経験があるから簡単にできるわけでも、50歳だからできないと決まるわけでもありません。今の自分が止まっているところを見て、必要なら基礎へ戻る。それが私には合っていました。
まとめ
50歳でピアノを始めたときは、昔の経験があるので、もう少し簡単に弾けると思っていました。
でも実際には基礎へ戻り、休日のまとめ練習から毎朝15分へ変えたことで、少しずつ弾けるところが増えてきました。
基礎へ戻るのは最初こそ遠回りに思いましたが、「今日は少し動いた」と思える変化を重ねる方が、私には合っているようです。
50代から新しいことを始めたいけれど、「今さら基礎からやるのは遠回りでは」と迷っている方の、ひとつの参考になればと思います。


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