「なんか…おかしい」
システムは動いている。エラーは出ていない。でも、どうしても気持ち悪い違和感が消えない。あなたも仕事でそんな経験をしたことはありませんか?
小さな違和感を「気のせいだ」と無視した結果、後で大きなトラブルになった後悔…。多くのエンジニアが一度は味わったことがあるはずです。
私は52歳現役ITエンジニアとして、30年以上の現場で何度もこの「小さな違和感」が大きな危機の前兆だった場面を経験してきました。特に会社合併後のあるシステム保守プロジェクトでは、この違和感をほぼ見逃しそうになり、冷や汗と強い危機感に襲われたことがあります。
そんなときに深く響いたのが、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険』第2話です。ジョナサンが父の病状に抱いた「何かおかしい」という直感を信じ、論理では説明できない違和感を執念深く追い続ける姿は、エンジニアが現場で直感を武器にする大切さを教えてくれます。
この記事では、私が実際に直面した危機的な場面と、そこから学んだ「違和感を活かす力」をお話ししたいと思います。
違和感が警告を発した瞬間
会社合併後、私は大規模業務システムの保守リーダーを任されました。移行後の安定稼働が最優先で、表面上は問題なく稼働していました。
しかし運用開始から2週間ほど経った頃、どうにも拭えない違和感が胸に残るようになりました。
レスポンスが微妙に遅い気がする、処理のタイミングが少しずれているような……。ログを確認しても明確なエラーはなく、チームに相談しても
「今まで通り問題ないですよ」
「気のせいじゃないですか?」
と返されるばかりでした。
私は夜中に一人でログを睨みながら、強い危機感と葛藤に襲われました。
「この違和感を無視して大規模障害が起きたらどうしよう」「ここで騒ぎ立てて無駄骨だったら自分の評価が落ちる」という不安が交互に襲ってきて、冷や汗が止まりませんでした。
「また自分の勘違いかもしれない」と自己否定しながらも、胸の奥で「これは絶対におかしい」という声が消えませんでした。ジョジョ第2話のジョナサンが父の異変に気づき、行動を起こした姿を思い浮かべながら、私は決断しました。
違和感を無視した過去の失敗例
実はこのプロジェクトの2年前にも、似た違和感を無視して痛い失敗を経験していました。
当時は別の基幹システムの改修を担当していましたが、「処理速度が少し遅い気がする」という違和感を感じました。しかし「忙しい時期だし、問題が起きていないから大丈夫」と自分に言い聞かせて調査を先送りしました。
結果、数ヶ月後に突然の大規模障害が発生。原因は微小なメモリリークによるもので、早期に調査していれば防げたトラブルでした。
顧客からのクレーム、上層部からの厳しい叱責、チームの士気低下——そのときの悔しさと無力感は、今でも忘れられません。
この失敗が、私に「違和感を甘く見てはいけない」という強烈な教訓を刻み込みました。
直感を信じて調査した過程と結果
私はジョナサンのように、
直感を信じて徹底的に調べることにしました。
通常の監視ログだけでなく、過去30日分の細かいアクセスログをすべて抽出し、処理時間の微妙なずれをグラフ化。疑わしいタイミングで大量のテストデータを流して挙動を確認しました。
すると、ついに原因を発見しました。
合併前の旧システムと新システムのデータ連携部分に、微小なタイムラグによる不整合が発生していました。表面上はエラーにならないため、誰も気づいていなかったのです。
この違和感を放置していれば、数ヶ月後に大規模データ不整合による重大インシデントになっていた可能性が極めて高かったです。
上司に報告した際、「よく気づいたな。早い段階で防げて助かった」と評価され、早期対応により大きなトラブルを未然に防ぐことができました。
違和感は、論理より先に体が発する警告信号なのです。
まとめ|違和感に気づく力の価値
- 小さな違和感を感じたら「気のせい」と決めつけず、必ず記録する
- 直感を信じて調査する時間を意図的に確保する
- 調査結果はデータと事実で裏付け、感情論にしない
- 違和感を無視した過去の失敗を定期的に振り返る
『ジョジョの奇妙な冒険』第2話が教えてくれるのは、論理では説明できない違和感を信じ、執念を持って追う力が、大きな危機を未然に防ぐということです。
ジョナサンが父の異変に気づき、ディオの陰謀を暴いたように、私たちエンジニアも日常の「なんとなくおかしい」という感覚を大切にし、徹底的に調査する習慣が、プロジェクトを守る最強の武器になります。
52歳の今、痛感するのは、技術力と同じくらい、違和感に敏感で、それを無視しない勇気が、現場で長く活躍するための鍵だということです。
この記事が、あなたの日常にある小さな違和感に気づき、大きなトラブルを防ぐきっかけになれば幸いです。
(違和感を追い続けてきた52歳現役エンジニアより)


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