「なんとなく違和感がある」
仕事でも日常でも、この感覚が大きな問題を防ぐことがあります。
今回のジョジョ第2話は、まさにその「違和感」に気づいた人間だけが真実へ近づく物語。
この記事では、ジョナサンの行動を手がかりに、「違和感に気づく力」がどのように問題の発見につながるのか、私自身の現場経験と重ねながら考えてみます。
現場での小さな違和感をどう扱うか、その考え方の参考になれば嬉しいです。
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エンジニアの耳が捉えた、微かな「音」の違和感
ジョナサンが父の病状に抱いた「何かおかしい」という直感。これは論理より先に体が反応する感覚であり、現場仕事では見逃してはいけない最初のサインでもあります。
私自身、これまで仕事の中で数多くの小さな直感に出会ってきました。
例えば、システムが一応動いているのに「何かおかしい」と感じる瞬間。ログを見てもエラーは出ていないのに、どうにも気持ちが悪い。
そういうときほど、後から本当に問題が見つかることが多いのです。
特によく覚えているのは、昔、音楽系の部署に所属していた時のこと。周囲は誰も気づいていないのに、私だけが「何か、音がおかしくないか?」と、ぶつぶつ独り言を言っていました。
音量は正常のようですが、音が散らばっているような広がり方で落ち着かず、音像が定まらないような気持ち悪さがあったのです。
一緒にいた先輩たちは、「え?普通だと思うけど...」など言ってましたが、私が執拗に「いや、やっぱりおかしい」と言っているので、いろいろ調べてみた結果、スピーカーの配線が正負逆になっていた、ということがありました。
一見正常に見えても、現場に流れる「空気感」のズレを察知できるのは、その場に精通した人の感性ならでは、というところでしょう。
ジョナサンが薬の成分に不審を抱いたように、エンジニアにとって「なにか嫌な予感がする」という感覚は、致命的なバグを未然に防ぐための大切にしてきた一つです。
「敵地」に飛び込まされた経験と、論理の限界
ディオの陰謀を暴く証拠を求めて、ジョナサンはロンドンの悪名高いスラム街「食屍鬼街(オウガーストリート)」へと一人で乗り込みます。彼のような圧倒的な「自ら行く勇気」はありませんが、私には「上司に連れられて飛び込まされた」という、今思えば貴重な経験があります。
上司からの信頼ゆえか、厳しい交渉の場に同行を求められた際のこと。一回目は、若さゆえの怖いもの知らずで、論理的に相手を説き伏せることができました。が、交渉はそこで終わらず、相手が変わった二回目、同じように論理を振りかざしても、全く通用しなかったのです。
一回目の相手は筋道が通れば納得するタイプでしたが、二回目の相手はまず「こちらがどこまで現場を分かっているか」を見ていました。
同じ説明でも、相手が違えば届き方がまるで変わる。そのことを、私はその場で思い知らされました。
この「力不足」を痛感した経験は、
正論(ロジック)だけでは動かせない現場があることを教えてくれました。
アウェーの環境で人を動かすには、理屈の正しさだけでなく、相手の立場を読むこと、話す順番を考えること、そして自分が責任を負う覚悟を見せることが必要なのだと思います。
ジョナサンが拳を交えながらスピードワゴンの信頼を勝ち取ったように、本当の交渉は「言葉の裏にある覚悟」が試される場なのかもしれません。
「知らない」が「嫌い」を生む。スピードワゴンとの友情に学ぶこと
食屍鬼街で出会ったスピードワゴンは、最初こそジョナサンと敵対しますが、ジョナサンの「甘すぎる甘さ(高潔さ)」に触れ、これぞ本物だ、と、生涯の親友となります。
こうした「最初は反発し合っていたけれど、気づけば仲良くなっている」という経験は、私の小学生時代にもよくありました。どうも好きになれない、気が合わないと思っていた相手でも、クラス替えなどで同じ時間を共有した途端、大の仲良しになる。
結局、人は相手の「中身」を知らないからこそ、遠ざけたり嫌ったりしてしまうのでしょう。ビジネスの現場でも、部門間の対立は絶えませんが、一度深く入り込んで相手の事情を知れば、解決できない対立など、実際にはほとんどないのかもしれません。
どんな相手とも「仲良くなれるチャンス」は常に転がっている。そう信じることで、エンジニアとしての視野も広がったように思います。
執念の積み上げが、組織を動かす唯一の手段
ジョナサンは、ディオを追い詰めるために徹底的に証拠を積み上げました。52歳の今、私が振り返って思うのは、組織で仕事を進める上で最も大切だと感じているのも、この「論理的な積み上げ」です。
エンジニアの世界では、感情論は通用しません。なぜこのシステム変更が必要なのか、なぜこの納期が必要なのか。それらを証明するために、泥臭くデータを集め、論理を構築する。
派手なエピソードはありませんが、その地道な「執念の調査」こそが、周囲を納得させ、プロジェクトを正しい方向へ導く唯一の道だと思います。
実際の現場では、ログを何時間も追い続けたり、仕様書を過去のバージョンまで遡って確認したりと、決して格好の良い作業ではありません。それでも、その積み重ねだけが最後に答えへたどり着く方法でした。
ジョナサンが7年という長い時間をかけてディオとの関係を保ち、機が熟すのを待ったように、私たちもまた、大きな目的のために「今やるべき地道な仕事」を一つずつ積み上げていかなければなりませんね。
まとめ「違和感を追う力」
微かな違和感に気づくこと。
そして、それを気のせいで終わらせずに追っていくこと。
仕事をしていると、結局そこが一番大事だと感じる場面が何度もあります。
ログを追うことも、現場に入ることも、相手の事情を知ることも、すべては「何かおかしい」から始まるんですよね。
派手ではありませんが、そういう地道な調査が最後に効いてくる。今回の話を見ていて、そんなことを改めて思いました。


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