異世界放浪メシ 第4話|神の無茶振りとAIへの期待。52歳が実践する「交渉」と「共生」のバランス

伝説の魔獣フェルの背に揺られ、地図にない場所へと超スピードで運ばれるムコーダ。そんな彼の前に現れたのは、美しくもどこか自分勝手な風の女神「ニンリル」でした。

神という「絶対的な存在」からの要求に、ムコーダがどう立ち回るか。それは、会社員時代に板挟みを経験した私にとって、非常に身近な「交渉」の縮図でした。

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「絶対的な存在」との対等な着地点を探して

ムコーダに「お供え物」(現代のお菓子)を執拗に要求する女神ニンリル。逆らえない相手からの理不尽な要求は、会社員時代における「納品先の担当者」の言葉を彷彿とさせます。

私がいた現場では、納品先の担当者がそれに近い影響力を持つことがありました。「これ、追加して」「ここを修正して」という一言で、現場の苦労は一瞬で跳ね上がります。

私はかつて、その「神」と自社のメンバーの間に立たされ、押しつぶされそうになる日々を送っていました。

しかし、そこで単に「はい」と承諾し続けると、現場が疲弊し、プロジェクトが立ち行かなくなることもあります。

そこで私が心がけていたのは、相手の意見を尊重しつつも、こちらの事情や未来の展望、そして「その要求を今飲むことのメリット・デメリット」を率直に話し合うことでした。

「今回は無理でも、次にはこうした形で期待に応えたい」 など、相手の顔を立てつつ、自社にとっても有利な着地点を見つける。決して相手をないがしろにせず、誠実に、かつ戦略的に「納得感」を醸成する。

ムコーダがお菓子を差し出して女神の機嫌を取りつつ、ちゃっかり「神の加護」を引き出したように、交渉では、こういう“落とし所探し”が効く場面が多いと感じます。

「神の加護」に代わる、大人の可愛げという後ろ盾

ムコーダが手に入れた「神の加護」は、異世界で生きる上でとても心強いパートナーでしょう。私自身、神からの加護など持っていませんが、振り返れば、これまで「年上の方々からの厚意」という大きな後ろ盾に助けられてきたことも多かったと思います。

どうやら私は、どこか抜けていたり、世間知らずな一面があったりして、年上の方から見ると「面白いやつ」と映ることが多いようです。飲み会の席などで見せる私の「世間とのズレ」を、先輩方は楽しんでくれました。

「あいつなら仕方ないな」と笑って許してもらえること。一見、スキルの低さに見えるかもしれませんが、私自身はそれを、当時の職場で助けられた一種の“立ち回り”だったと思っています。

完璧すぎる人間よりも、少しの隙がある人間の方が、いざという時に手を差し伸べてもらえる。そんな「可愛げ」という名の加護が、私を多くのピンチから救ってくれたのだと思います。

未知への恐怖を「感動」で塗り替える。AI時代の歩き方

フェルの背に乗って未知の領域を爆走するムコーダ。そのスピード感に驚き、翻弄される彼の姿は、現代の「AIの進化」に直面している私の感覚に重なります。

私の中にも、正直なところ「このままAIに取り残されるのではないか」という不安はあります。世の中が具体的にどこへ向かっているのかが見えにくい時期は、どうしても足元がふわつく感覚を覚えます。

私の場合でいえば、そうした不安を薄めるのは、結局小さく手を動かすことでした。

実際にAIを使ってみると、自分では全く気づかなかった視点を指摘してくれたり、わずか数秒で複雑なコードやHTMLを組み上げてくれたりと、驚きを通り越して「感動」すら覚えます。たとえばブログの軽い改修や、文章の下書き作りで試すだけでも、作業の手戻りが減る感覚がありました。

不安を解消するために、とにかく使い倒して実感として身につける。AIの進化に遅れを取らないよう、好奇心を持って並走し続ける。今のところ、それがバランスを保つ一つの方法だと私は考えています。

「ワクワク」と「恐怖」は、常にセット。52歳の今、ムコーダのように新しい世界のスピードを楽しみながら、AIという最強のパートナーと共に、まだ見ぬ景色を見に行きたいと思っています。

第4話のまとめ

神という巨大な存在を相手に、ムコーダは「お菓子」という身近なツールで、最強のバックアップを手に入れました。理不尽に見える状況も、見方を変えれば大きなチャンスになり得ます。

次回は、ムコーダの前に現れる「小さな仲間」について。

大きな力だけでなく、小さな存在とどう向き合い、チームを豊かにしていくか。私の「後輩育成」や「多様性の受容」という観点から語ってみたいと思います。

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