仕事をしていると、どうしても避けられないのが「理不尽な要求」との向き合い方。立場の強い相手からの無茶振りに、ただ従うだけでは現場が疲弊してしまうこともありますね。
『異世界放浪メシ』第4話では、主人公ムコーダがまさにそんな状況に直面します。風の女神ニンリルという「絶対的な存在」から、半ば強引にお供え物を要求されるのです。
この記事では、かつて納品先と自社メンバーの板挟みで頭を悩ませていた私の経験を交えながら、理不尽な要求にどう落とし所を見つけるべきか、当時の立ち回りを振り返ってみたいと思います。
無理な要求に振り回されそうな場面で、どう立ち回ればいいのかの参考になれば嬉しいです。
関連:組織で「過ぎた力」をどう扱うか|スキルを持つほど牙を隠す理由(異世界放浪メシ第3話)
「絶対的な存在」との対等な着地点を探す
ムコーダに「お供え物」(現代のお菓子)を執拗に要求する女神ニンリル。逆らえない相手からの理不尽な要求は、会社員時代における「納品先の担当者」の言葉を彷彿とさせます。
私がいた現場では、納品先の担当者がそれに近い影響力を持つことがありました。「これ、追加して」「ここを修正して」という一言で、現場の苦労は一瞬で跳ね上がります。
私はかつて、その「神」のような担当者と自社の開発メンバーの板挟みになり、毎晩遅くまで調整のメールを書き直すような日々を送っていました。ここで私がただ「はい」と引き受めてしまえば、翌朝のメンバーたちの引きつった顔を見るのが目に見えていたのです。
正直に話し、相手の顔も立てる
そこで私が心がけていたのは、相手の意見を否定せずに一度すべて受け止めること。その上で、電話ではなくあえて対面で「実は今のリソースだとメンバーがパンクしてしまうんです」と、こちらの台所事情を正直に打ち明けながらメリット・デメリットを話し合うことでした。
「今回は無理でも、次にはこうした形で期待に応えたい」 など、相手の顔を立てつつ、自社にとっても有利な着地点を見つける。決して相手をないがしろにせず、誠実に、かつ戦略的に「納得感」を醸成する。
ムコーダがお菓子を差し出して女神の機嫌を取りつつ、ちゃっかり「神の加護」を引き出したように、交渉では、こういう“落とし所探し”が効く場面が多いと思います。
「神の加護」に代わる、大人の可愛げという後ろ盾
ムコーダが手に入れた「神の加護」は、異世界で生きる上でとても心強いパートナーでしょう。
私自身、勿論神からの加護など持っていませんが、振り返れば、これまで「年上の方々からの厚意」という大きな後ろ盾に助けられてきたことも多かったと思います。
どうやら私は、どこか抜けていたり、世間知らずな一面があったりして、年上の方から見ると「面白いやつ」と映ることが多いようです。
例えば、専門用語を派手に勘違いして話し続け、飲み会の席で「意味が全然違ってたけど、なんとなく分かったから黙ってたよ」など、先輩方を大いに笑わせたことも一度や二度ではありません。
「あいつなら仕方ないな」と笑って許してもらえること。一見、スキルの低さに見えるかもしれませんが、私自身はそれを、当時の職場で助けられた一種の“立ち回り”だったと思っています。
完璧すぎる人間よりも少し隙がある人間の方が、いざという時に手を差し伸べてもらえる。そんな「可愛げ」という名の加護が、私を多くのピンチから救ってくれたのだと思います。
未知への恐怖を「感動」で塗り替える。AI時代の歩き方
フェルの背に乗って未知の領域を爆走するムコーダ。そのスピード感に驚き、翻弄されるその姿は、現代の「AIの進化」に直面している私の感覚に重なります。
私の中にも、正直なところ「このままAIに取り残されるのではないか」という不安はあります。世の中が具体的にどこへ向かっているのかが見えにくい時期は、どうしても足元がふわつく感覚を覚えます。
私の場合でいえば、そうした不安を薄めるのは、結局小さく手を動かすことでした。
好奇心を持ち使い倒す
実際にAIを使ってみると、ブログのプラグイン開発で何時間も悩んだ複雑なコードの不具合をわずか数秒で特定して修正してくれたりと、驚きを通り越して「感動」すら覚えます。
例えば、ブログのちょっとしたレイアウトの修正。これらもAIに相談してみると、自分では思いつかなかったスマートなCSSの書き方を提示してくれて驚くことがあります。
日常の小さな作業でも、まずは試してみる。
そうすることで、手戻りの時間も大きく減るようになりました。
不安を解消するために、
- とにかく使い倒して実感として身につける。
- AIの進化に遅れを取らないよう、好奇心を持って並走し続ける。
今のところ、それがバランスを保つ一つの方法だと私は考えています。
「ワクワク」と「恐怖」は、常にセット。52歳の今、ムコーダのように新しい世界のスピードを楽しみながら、AIという最強のパートナーと共に、まだ見ぬ景色を見に行きたいと思っています。
まとめ
神という巨大な存在を相手に、ムコーダは「お菓子」という身近なツールで、最強のバックアップを手に入れました。理不尽に見える状況も、見方を変えれば大きなチャンスになり得ます。
実際、会社員時代を振り返ってみても、最初は無理だと思えた要求が、交渉や工夫を重ねることで結果的にプロジェクトを前進させた場面が何度もありました。
理不尽な要求に直面したとき、ただ従うか拒否するかの二択ではなく、相手の立場も考えながら「どこに着地点を作るか」を探すこと。
そうした視点を忘れずに、厳しい状況でも楽しみながら、私はこれからも自分の仕事を前に進めていきたいと思っています。


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