異世界放浪メシ 第5話|突然の幕引きと納品の歓声。52歳が「覚悟」を固める瞬間の風景

ムコーダとフェルの旅は、平穏な道中ばかりではありません。第5話で描かれるのは、森の生態系の頂点に立つ魔物たちとの遭遇。

戦いの場と化した森の無慈悲な光景を目の当たりにし、ムコーダはこの世界の「厳しさ」を肌で感じることになります。かつて私がエンジニアとして直面した、理不尽なプロジェクトの終焉や、極限状態での達成感と重なるものでした。

関連:第4話 地図にない場所は未知の味|神からの無茶振りとAIへの期待。52歳が実践する「交渉」と「共生」のバランス

現場の情熱を置き去りにする「無慈悲な幕引き」

ムコーダが遭遇した森の凄惨な戦いの跡。

自分の力ではどうにもならない弱肉強食の現実は、会社員時代の「プロジェクトの突然終了」に似ています。

かつて、海外と共同で進めていた大規模なプロジェクトがありました。私を含め現場のエンジニアたちは、何度も海外出張を重ね、現地のメンバーと顔を突き合わせて議論し、寝食を忘れて仕様を詰め、実装を進めていました。

「良いものを作ろう」という熱気だけが、そこには確かにあったのです。

ところがです。ある日突然、上層部から「プロジェクトの中止」が言い渡されました。

理由は詳しくは語られませんでしたが、経営判断や状況の変化だったと思います。

現場がどれほど情熱を注いでいようとも、組織の論理という「無慈悲な力」の前では、一瞬で全てが白紙に戻る。あの時の、やり場のない虚脱感。一方で過酷な労働から解放されるという安堵が入り混じり、一気に力が抜けていった感覚は、今でも忘れられません。

経験上、どんなに備えていても、自分ではコントロールできない「終わり」が、ある日突然やってくることがあると思います。

徹夜明けの「うぉ〜!」という万歳。極限の対価

ムコーダは命懸けの依頼を完遂し、多額の報酬と美味しい食事を手にします。私にとってそれに近いのは、やはり「納品完了」の瞬間でした。

特にリリース直前の不具合潰しは皆必至です。連日の徹夜、疲労困憊のメンバーが並ぶ仕事場。誰もが「もう不具合はないか?」「これで大丈夫か?」と、張り詰めた空気の中で最後の確認を続けています。

そこに、「先方からOKが出た!」という一報が舞い込みます。

その瞬間、静まり返っていたオフィスに「うぉ〜〜!」という地鳴りのような叫び声が上がり、あちこちで万歳が沸き起こります。

あの感無量の瞬間。それまでの苦労が全て報われ、「これでゆっくり眠ることが出来る」と思えるあの瞬間こそが、エンジニアにとっての真の「対価」なのかもしれません。

覚悟の源泉は、愛する人の笑顔

ムコーダは世界の厳しさを知りながらも、この世界で生きていく覚悟を決めました。私も、48歳で早期退職し、52歳の今、こうしてブログという新しい挑戦をしていますが、常に「覚悟」が必要です。

フリーランスという立場であればあるほど、稼ぎを安定させるためには常に先を読み、これだと信じた道を「自己責任」で進まなければなりません。逃げ道がないからこそ、一歩を踏み出す時の覚悟は重くなります。

私が「よし、やるぞ」と覚悟を固める時、いつも心に浮かぶのは妻の顔です。

「妻には笑っていてほしい」

そのシンプルな願いが、私の全ての行動の指針であり、覚悟の源泉になっています。

ビジネスの成功も、スキルの習得も、突き詰めれば大切な人が穏やかに笑っていられる環境を守るための手段に過ぎません。その目的が明確だからこそ、私はどんな変化も恐れずに、新しい「放浪」を続けていけるのだと思います。

第5話のまとめ

世界の無慈悲さを知ることは、決して不幸ではありません。それを知っているからこそ、平穏な日々の尊さや、仕事が完了した時の達成感がより深く感じられるのです。

次回は、新しい「旅の仲間」が登場します。

増えていく責任と、それでも失いたくない自由。52歳の視点から、人生の「荷物の整理」について考えてみたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました