はじめの一歩 第1話|エンジニアにとっての「強さ」とは?52歳が語る問題解決の真髄

「強いって、一体どんな気持ちですか?」

いじめられっ子だった高校生、主人公の「幕之内一歩」がボクシングの世界へ足を踏み入れたきっかけは、この純粋で切実な問いでした。

家業の釣り船屋を手伝い、内気でいつも頭を下げていた少年が、初めて自らの意志で過酷なリングへと向かう。

『はじめの一歩』の物語の幕開けは、私たちが新しい技術やプロジェクトに挑む際の、あの「震えるような一歩」を思い出させてくれます。52歳のエンジニアとして、一歩のひたむきな姿から「プロの本質」を考えてみたいと思います。

表面的なスキルを超えた、本当の「強さ」の定義

ボクシングが勝敗を決めるスポーツである以上、そこでの「強さ」は明確です。しかし、エンジニアにとっての「本当の強さ」とは何でしょうか。

知識の量、コードを書くスピード、最新技術の網羅...いろいろな要素があり、当然それらも重要ですが、私はそれらは「表面的なスキル」と考えています。エンジニアの役割とは、誰かが思う「楽になりたい」「もっと便利にしたい」という願いを形にする「問題解決」でしょう。

とすると、本当の強さとは、問題を解決したいと願う「人の気持ち」に寄り添い、その想いに応える解決策を提示できる能力のこと。

ただ動くものを作るのではなく、相手の心にある「不」を取り除く。その深さこそが、エンジニアとしての真の強さと思うのです。

「環境」が育てたコミュニケーションという武器

一歩は家業の釣り船屋で重い荷物を運び、不安定な船の上で踏ん張ることで、知らず知らずのうちにボクサーとしての強靭な下地を身につけていました。

エンジニアリングにおいても、一見無関係な「過去の環境」が大きな武器になることがあります。私の場合、それは「コミュニケーション能力」でした。

意外に思われるかもしれませんが、相手の気持ちを察し、寄り添う力は、最適なシステム設計に直結します。これは机に向かっているだけでは身につきません。

人と話さざるを得ない環境、多様な価値観に触れる環境に身を置いてきたことが、結果として「良い問題解決」を提示できる今の私の強みになっています。

「思考の次元」が違う人たちとの出会い

一歩が鷹村守というプロの圧倒的な力に衝撃を受けたように、私も学生時代、二人の友人に「この人たちには到底勝てない」という衝撃を受けました。

彼らは決してガリ勉というタイプではありませんでした。しかし、先生との受け答えや、物事の捉え方そのものが、一般の生徒とは明らかに次元が違ったのです。

「なるほど、そんな見方があるのか...」と、いつも膝を打つような驚きがありました。

本物のプロ、あるいは本物の知性とは、持っている知識の量ではなく、その「ものの見方や考え方」にあるのだと痛感した出来事でした。彼らとの出会いは、私に「視点を変えること」の重要性を教えてくれた、私にとってのも大いなる人生の財産です。

「やるしかない」世界へ自ら飛び込む勇気

不安と自信のなさを抱えながらも、一歩は「強いとは何かを知りたい」という一心でボクシングを始めます。

仕事の世界では、不本意ながらも「やるしかない」状況に追い込まれることは多々あります。逃げ場のないプロジェクト、失敗が許されないプレゼン...

しかし、一歩の凄さは、それが「自発的」であることです。

誰に強制されたわけでもなく、自ら辛い世界へと足を踏み出す勇気。これは、私たち社会人がつい忘れてしまいがちな、純粋で尊い「情熱」です。

新しい環境に飛び込むとき、恐怖を感じない人はいません。それでも「やるしかない」と一歩を踏み出すところに、物語は始まるのです。

継続こそが、年齢を超えた「力」になる

ボクシングは、毎日毎日同じジャブを繰り返す、地味な反復練習の積み重ねです。

私はこれまで、ブログの執筆やIT技術、そして最近ではAIの勉強を継続してきました。一つひとつは地味な積み上げですが、その「継続」こそが、52歳という年齢にあっても「IT系には強い」という自負を支えてくれています。

「継続は力なり」。その言葉通り、地道な反復を厭わなかった者だけが、いつかリング(現場)で自分を助けてくれる「本物の技術」を手にすることができる。一歩がサンドバッグを叩き続ける姿は、キーボードを叩き続ける私たちの姿とも重なります。

はじめの一歩 第1話のまとめ

いじめられっ子だった一歩が、勇気を持って踏み出した第一歩。それは、エンジニアが新しい課題に立ち向かう姿勢そのものでした。

寄り添う心、多角的な視点、そして地道な継続。 これらを持って、私もまた、次なる「一歩」を踏み出し続けたいと思います。

次回は、一歩のライバルとなる天才、宮田一郎との出会い。努力と才能、そして「負けたくない」というライバル心の正体について語ってみたいと思います。

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