無理な納期を切り抜ける実践術|転スラ第3話から学んだリソース確保と信頼構築

仕事で「無理な納期」「人手不足」「癖の強い職人やエンジニアとの関係」に悩んだ経験はありませんか?

私はITエンジニアとして30年以上、小規模開発案件をリードする立場で何度も納期危機を経験してきました。徹夜や根性論で乗り切った時代もありましたが、今ではそれだけでは限界があると痛感しています。

そんなとき、転スラ第3話で描かれるカイジンの納期危機とリムルの対応が非常にリアルに感じました。

この記事では、52歳現役エンジニアの現場経験をもとに、無理な納期を切り抜けるためのリソース確保術職人・ベテランとの信頼構築方法を具体的にまとめます。明日から試せるヒントになれば幸いです。

関連:
指示待ち集団を変えるには何が必要?現場経験から考える組織再生のヒント

無理な納期にどう立ち向かうか? リソース確保の現場術

ドワーフ王国の名工「カイジン」は、到底間に合わない「魔鉱石の剣20本」という納期を突きつけられ、窮地に立たされていました。こうした無理なスケジュール、現場でも聞くことがありそうです。

私が会社員だった頃は、正直に言えば「徹夜してでもやり遂げる」という、今ではあまり考えられないような力技で切り抜けたことが多々ありました。

当時担当していたのは小規模な開発案件で、納期が近づくと社内の空気が一気に張り詰めます。夜になると、多くの社員が黙々と叩くキーボードの音だけが響くような状況で作業していたこともありました。

でもやはり根性論だけでは限界があります。

特に経費削減が叫ばれ、仕事量は増えるのに人は増えない。そんな状況に陥ったとき、私は他部門のリーダーに相談しました。

外から見ていても、その方が部門をうまく切り盛りしているのが伝わってきていたからです。会社帰りに食事でもしながら話がしたいというと、何かを察したのか快諾してくれました。

仕事量が増えているのは、当時どの部門も同じ。でもなぜかその部門は人も増えてます。

その秘密を知りたくて実際に話を聞いてみると、「人が足りなくて大変なんです」みたいな感情で訴えるのではなく、「具体的にこれだけの仕事量があり、納期を達成するには、何人必要」と言った具合に論理で訴え続ける、という姿勢を取っていました。

なぜその人数が必要なのか、現状のリソースでどれだけの仕事量があるのかを数値化し、上司にぶつけ続ける。その結果、増員を勝ち取った経験は、私にとって「リソース確保の原体験」となりました。

頑固なベテランと信頼を築く方法

ドワーフ王国を訪れたリムルは、腕はいいが頑固なカイジンたちの懐にうまく飛び込みました。現場の職人や、一癖あるベテランエンジニアとどう付き合うか。これは本当に難しいテーマです。

かつて私の周りにも、癖が強く周囲から敬遠されているけれど、驚くほど頭の良い先輩がいました。最初はどう接していいか悩みましたが、導き出した答えは「まず、自分の意見を横に置いて、徹底的に話を聞く」ことでした。

例えばその先輩は、基幹システムの更新プロジェクトで過去に大きな障害を起こした経験があり、周囲が「また何か言ってくる」と警戒していました。私は週に1回、定時後に30分だけ時間を設け、最初はほとんど聞き役に徹していました。具体的に「そのとき、どんなタイミングで障害が起きたのか」「その前にどんな兆候があったのか」を中心に聞くようにしていました。

すると3ヶ月後くらいから、先輩の方から「実はあの案件ではこうすればよかった」と自ら過去の失敗談や技術的な判断基準を話してくれるようになりました。最初から自分の意見をぶつけてバトルをしてしまえば、相手は心を閉ざします。でも「まずは相手の言い分を聞く」というワンクッションを置くだけで、信頼関係が築け、貴重な実務ノウハウを引き出せるようになるものです。

52歳になった今でも、この「徹底的に聞く」姿勢を意識しています。特に最近のプロジェクトでは、ベテラン技術者に「これまでの失敗経験で一番大きかったものは何ですか?」と質問するようにしています。すると相手が心を開き、貴重なノウハウを教えてくれるようになりました。

職人へのリスペクトとは、その人の積み上げてきた経験に耳を傾けることから始まるのでしょう。

プロジェクトの土台となる3つの確認事項

リムルがなぜドワーフ王国に行ったかと言えば、村に必要なものだらけの中で、まず「技術者(ヒト)」の確保が必要だと思ったからです。

今ではAIも頼れる技術者の一人になると思いますが、私が小規模な開発案件を回していた頃も、似た感覚を持っていました。

それにはまず「全体の仕事量の把握」と「正確なスケジュール感」が重要だと痛感していました。そこでプロジェクトを回す際、私は必ず以下の3つを数値ベースで整理するようにしています。

確認する項目内容
1. 仕事量今回の案件で必要な作業量
2. スケジュール納期までに確保できる時間
3. リソース人・設備・予算

この3つが見えてくると、初めて「何がどれだけ足りないのか」が分かりますし、逆に言えば、これが見えていない状態では、どれだけ人手を増やしても問題は解決しないことも多いのです。

相手の困りごとを先回りする「余計な口」が信頼を生む

この話の中では、リムルはカイジンの窮地を救うことで、強力なパートナーシップを手に入れました。窮地を救うというほどでもないですが、相手の不足を補ったりすることは、お互いの信頼関係を作る上でとても重要になることがあります。

以前、納品先の会社から提示された共通仕様書があまりに出来が悪かったことがありました。

例えば、ログイン後の初期画面で「10項目以上の必須入力欄」が最初から表示される仕様で、ユーザーが「まずは概要だけ見たい」という要望に対して、手順が長すぎる設計になっていました。

このまま実装すると、入力ミスが頻発し、後工程で仕様変更による手戻りが確実に出る内容でした。

他の会社はその仕様のまま作っていましたが、私はどうしても納得できず、会議で具体的に「この5項目は概要確認後に表示するように変更しませんか」と提案しました。

最初は「余計なことを言うな」という空気になりましたが、3回の会議で粘り強く根拠(想定ユーザー行動とエラー予測)を説明した結果、結局その提案の8割が採用されました。

それ以降、相手の担当者から「君の視点は参考になる」と言われるようになり、関係性が明らかに良くなったのを覚えています。

相手の困りごとを先回りして補うことは、信頼関係を築く上で非常に効果的だと実感した事例です。

今回のまとめ

今回のエピソードから感じた、現場で役立つポイントを整理すると次の3つになると思います。

  • 無理な納期には「根性」ではなくリソースの整理で向き合う
  • 職人やベテランには、まず話を聞くところから信頼が生まれる
  • 困りごとを先回りして補うと、パートナー関係は一気に強くなる

アニメの一場面ですが、仕事の現場を思い出す人も多いのではないでしょうか。

次回は、村に戻ったリムルの前に現れる「運命の人」。新しい出会いと、それによって引き継がれる「想い」について、52歳の人生観を交えて語ってみたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました