ドワーフの国で納期トラブルを解決したリムルを待っていたのは、賞賛ではなく、大臣ベスターによる罠と理不尽な裁判でした。
国を追放されるという一見「最悪の結末」が、実は最強の仲間を手に入れる「最高のスタート」に変わる。このドラマチックな展開は、私たちの仕事人生にも多くの示唆を与えてくれます。
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言語化されない「理不尽な評価」の痛み
新人時代の話ですが、私は自分の考えを必死に図式化し、上司に説明したことがあります。しかし返ってきたのは「それは意味がない」という一蹴でした。
なぜそうした評価なのか、特に説明もなく、その図に興味を持った別の人に対しても、上司は「それは意味がないから」と追い打ちをかけるように繰り返したのでした。
今振り返れば、当時の私に足りなかったのは上司の意図を汲み取る力だったのかもしれません。でもなぜ「意味がない」のかという論理的な説明がないまま下される評価は、ただ若手の芽を摘むだけの「理不尽」のように思えます。
組織において、評価する側がいかに言葉を尽くすべきか。あの時のグサッと刺さった痛みは、後の私のマネジメントスタイルの反面教師となりました。
「見てくれている人」は必ずどこかにいる
そんな理不尽な評価に晒される一方で、救いとなる「眼力」を持った人物との出会いもありました。
それは会社に入る前の学生時代のお話ですが、お調子者として軽く見られがちだった私に対し、所属クラブのリーダーは「こいつなら、どんな会社に行ってもやっていける」と皆の前で断言してくれることが1度だけでなく2度もありました。
私の思考プロセスや、チラシ一枚を作る姿勢をじっと観察してくれていたのでしょう。自分では気づかない「本質的な価値」を見抜いてくれるトップの存在は、人をどれほど勇気づけるか。
リムルの器を見抜いたドワーフ王ガゼルのように、本質を見抜く目を持つことは、リーダーにとって最大の資質と言えるともいますし、そうした言葉で人というのは自ら動くことになると思います。
プロジェクトの中止という「追放」が残したもの
リムルはドワーフの国を追放されましたが、それを機に名工カイジンたちを自分の村へと連れ帰ります。私もかつて、心血を注いだ新規プロジェクトが採算性の問題で急遽中止になるという、ある種の「追放」を経験しました。
ただ、全てが一瞬で亡くなったかと言えばそんなことはなく、そうした過程で築いたものは消えませんでした。発注先の担当者とは業界の裏話を語り合う仲になり、共に戦った部下たちは、私の行動力を見て以前にも増して信頼を寄せてくれるようになったのです。
プロジェクトという「箱」が壊れても、そこで培われた「人間関係」という資産は、次のステージへ持ち越すことができる。これこそが、エンジニアが歩みを止めない理由にもなるかと思います。
理想と現実の狭間で選ぶ「優先順位」
この第4話では、カイジンは王への忠誠とリムルへの義理の狭間で、自らの道を選びました。ですが、現実の私たちはそう簡単にはいきません。
仲間への義理を通したい、自分の信じる道を行きたい。そう願っても、守るべき家族や生活基盤という重みが背中にあります。
組織のルールやしがらみを優先せざるを得ない瞬間。それは決して「負け」ではなく、人生を成立させるための切実な選択です。
その難しさを噛みしめながら、それでもなお、譲れない一線をどこに引くか。それこそが、今を生きる私たちの誠実さではないかと思う時があります。
最強の布陣が揃ったとき、困難は「最高の景色」に変わる
リムルがカイジン三兄弟という最強の技術者を揃えたように、私も初めて大規模プロジェクトのリーダーを任された際、自分が最も信頼し、尊敬するリーダーたちをは以下に全体の布陣を固めることができました。
誠実で、勤勉で、頭が切れる。そんな彼らとサブリーダーたちが揃ったとき、「これなら大丈夫だ」「絶対成功する」と確信しました。
もちろん実際の進行はいつもながら困難の連続でしたが、最後まで走り抜けられたのは、私の力などではありません。それぞれの持ち場で、全力で前に進めてくれたメンバーたちのおかげです。
最強の仲間と、理不尽な壁を一つずつ壊していく。その高揚感こそが、この仕事の醍醐味なのです。
転スラ 第1期のまとめ(全4記事)
最弱のスライムから始まり、大賢者という知恵を得て、信頼できる仲間と技術者を集め、理想の国造りを始めたリムル。
- AI(大賢者)との共生
- 弱小組織のネーミングと融合
- 納期とリソースの確保
- 理不尽への対処と最高の布陣
全4回にわたり、52歳の視点から見た「転スラ流マネジメント」を語ってきました。 次回からは、さらに熱い人間ドラマと「黄金の精神」が渦巻く、『ジョジョの奇妙な冒険』の世界に飛び込んでいきたいと思います!
転スラにも、また戻ってきますね!


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