アニメ『Dr.STONE』2話|1年間の「デバッグ」に耐えうる情熱。52歳エンジニアが思う、効率を超えた「必死さ」の価値

最近、Netflixで視聴を始めた『Dr.STONE』。第2話は、1話で感じた「積み上げ」の重要性をさらに一歩進め、「成果が出ない期間をどう生きるか」という、我々エンジニアにとっても非常に耳の痛い、しかし熱いテーマが描かれていました。

今回の中心は、石化を解く「復活液」の完成を目指す千空と大樹の試行錯誤です。

「あと数回」が限界のデバッグを、何百回と繰り返す執念

劇中、主人公の千空は「トライ・アンド・エラー」(試行錯誤)という言葉を何度も口にします。科学の力で文明を取り戻すために、彼は「硝酸」と「アルコール」の配合比率という、たった一つの正解を求めて実験を繰り返すんですね。

エンジニアとして長く働いていれば、バグの原因を突き止めるためにトライ・アンド・エラーを繰り返すのは日常茶飯事。でも正直に言って、たかだか数回、十数回の失敗でも「もう嫌だ、別の方法はないのか」と投げ出したくなるのが人間というものでしょう。

ところが千空は、何十回、何百回と、一本の羽が石から剥がれるという「小さな変化」すら起きない日々を、データを取りながら淡々と(あるいは情熱的に)積み上げていきます。

この執念、この圧倒的な試行錯誤の回数には、同じ技術に携わる人間として、もはや尊敬以外の言葉が見つかりませんでした。

「終わりの見えない孤独」にどう折り合いをつけるか

この2話で描かれた最大の壁は「いつ終わるか分からない」という時間の重みです。 千空たちは、結果として約1年(半年以上の実験)を費やしてようやく正解に辿り着きます。

仕事においても、大規模なシステムの保守や、出口の見えない不具合調査など、「いつ終わるのか」が不透明なタスクほど、人間のモチベーションを削るものはありません。

私流の考え方かもしれませんが、こういう「終わりの見えない時」こそ、何かしらこじつけでもいいから自分なりの目標を置くことが重要だと再認識しました。

たとえば「今日はこのパターンを潰した」「この現象までは確認できた」という小さな区切り。千空たちも、雪の降る冬を越え、食料不足に耐えながら、その「小さな収穫」を心の拠り所にしていたはずです。

「適材適所」が組織を最強にする

また、知能担当の千空と、体力担当の大樹の分業も見事でした。

組織に属していると、自分の好みとは裏腹に、不本意な役割を任されることもあります。しかし、適材適所……つまり「やるべき人が、その役割を全うする」ことが組織としての最大効率を生むのは間違いありません。

自分はこれがやりたい、ではなく、この未曾有の事態を打開するために自分に何ができるか。彼らの潔い分業には、ベテランエンジニアとしても学ぶべき「プロの在り方」がありました。

「気楽に生きる」とは、信じる道を進むこと

私は今、「残りの人生は気楽に生きたい」と考えています。 しかし、この2話の彼らが見せた「必死さ」を見て、ある確信を持ちました。

「気楽」と「必死」は、決して相反するものではない、ということです。 私が思う「気楽」とは、自分の信じる道を進めること。

周りから見れば、彼らがやっていることは非効率で、無謀な努力に見えるかもしれません。もっとスマートなやり方があると言う人もいるでしょう。しかし、あのがむしゃらな努力、下手に効率を考えず一歩ずつ進む泥臭さがあったからこそ、彼らは「ストーンワールド」という過酷な現実を生き残れたのです。

効率を考えすぎて足が止まるくらいなら、信じた道に向かって必死にデバッグを繰り返す。その姿に、私はエンジニアとしての初心を思い出し、胸を熱くさせられました。

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