仕事を理由なく否定されたら|改善点を確認する方法と新人時代の経験

新人時代、市場動向を調べて図入りで作った資料を上司へ提出したところ、10秒ほど見ただけで「その図は意味がない」と言われました。

なぜ意味がないのか、どこを直せばよいのかという説明はありませんし、当時の私は聞き返せず、資料だけでなく、自分の能力まで否定されたように受け取っていました。今なら、その一言だけで自分への評価を決めません。資料の目的とのずれや不足している情報を確認します。

この記事では、理由なく仕事を否定されたときに、落ち込んだまま終わらせず、次の改善につなげるために何を確認すればよいのかを、私の新人時代の経験から振り返ります。

10秒で「意味がない」と否定された

新人時代、市場の動きを調べ、今後伸びると思われる分野をグラフにまとめたことがあります。

重要だと考えた部分は赤字にし、製品化した場合にどのようなメリットがあるのかも加えました。自分なりに調べ、見やすくしたつもりだったので、提出するときには多少の手応えもありました。

ところが、上司は資料を10秒ほど見ただけで、

「その図は意味がない」

と言いました。

説明はそれだけで、どこが目的と合っていないのか、数字の何が不足しているのか、修正すれば使える資料になるのかも分かりません。

後日、別部門の上司クラスの方が、私の机の上にあったそのグラフへ興味を示したことがあります。すると直属の上司は、見る必要はないと言うように、「それには意味がないから」とすぐに言い切りました。

別の人は興味を示しているのに、なぜそこまで否定するのだろう…

そう思いながらも、私はやはり自分の資料には価値がなかったのだと受け取ってしまいました。

当時は新人でしたし、上司へ反論することにも抵抗がありました。そもそも、何をどう質問すればよいのかさえ整理できていなかったのだと思います。

資料の問題と自分の能力を混同していた

「その図は意味がない」と言われた後、私は資料のどこに問題があったのかを考えるより、その言葉ばかりを引きずっていました。

ただ今になって振り返ると、資料に改善すべき点があった可能性は十分にあります。

上司が求めていた結論と、私が調べた内容がずれていたのかもしれません。市場が伸びると判断した数字の根拠や、比較した期間、前提条件が不足していたことも考えられます。

当時、上司から理由を聞けなかったため、本当の意図は今も分かりません。でも、一つの資料を否定されたことと、自分に資料を作る能力がないことは同じではないですよね。

資料に問題があるなら、直すべきなのは目的、根拠、見せ方です。ところが当時の私は、資料への指摘と自分自身への評価を分けられず、「自分が作ったものには価値がない」と受け取っていました。

今なら改善に必要な3点を確認する

今の私なら、「意味がない」と言われたまま終わらせず、少なくとも次の3点を確認します。

  • 資料のどの部分が、求めていた目的と合っていなかったのか
  • 判断するために、どの数字や前提条件が不足していたのか
  • 次回は、どのような形で示せば判断に使えるのか

「どこが悪いですか」と漠然と聞くだけでは、相手も答えにくく、こちらも修正点をつかみにくいことがあります。

目的が違ったのか、根拠が弱かったのか、見せ方に問題があったのか。分けて具体的に確認した方が、次に何を直せばよいかが見えやすくなります。

たとえば、上司が知りたかったのが「市場が伸びるか」ではなく、「自社が参入した場合に利益が出るか」だったなら、市場規模のグラフだけでは足りません。

競合がどれくらいいるのか。参入にどれほど費用がかかるのか。売上や利益をどの程度見込めるのか。そうした情報まで必要だったはずです。

数字の根拠が問題なら、調査元や対象期間を示す必要があります。資料の目的がずれているなら、グラフを見やすく直すだけでは改善になりません。

当時の私は、上司の言葉に傷ついたまま、そこまで考えられませんでした。

今なら、否定された言葉そのものより、次に何を変えれば判断に使える資料になるのかを確認します。

その場で理由を聞けないときの確認方法

とはいえ、いつでもその場で理由を聞けるわけではありません。

会議中に強い言葉で否定されると、頭が真っ白になることがあります。新人の立場では、聞き返すこと自体が怖い場合もありますよね。他にも相手が忙しい場合には、時間的にその場で聞けないこともあります。

ただ、その場で質問できなかったからといって、もう確認できないわけではありません。少し時間を置き、聞きたいことを短く整理してから尋ねる方法があります。

たとえば、

「先ほどの資料について、次回修正するために確認したいことがあります。目的とのずれ、数字の根拠、見せ方のうち、特に不足していたのはどこでしょうか」

というように聞けば、反論ではなく、改善するための確認だと伝わりやすくなります。相手から具体的な答えを得られなくても、どの部分を見直すべきか判断する手がかりになるかもしれません。

直接聞きにくければ、メールやチャットでもよいと思います。口頭では言葉が出てこなくても、文章なら落ち着いて整理できることがあります。

それでも相手が具体的に答えてくれない場合は、資料の使用目的を知っている先輩や関係者に見てもらう、という方法もあります。

先輩や関係者に見てもらっても、上司がなぜ「意味がない」と判断したのかまでは分からないかもしれませんが、目的、根拠、前提条件に分けて考えれば、自分で見直せる部分は残ります。

部下には理由と改善方向を伝えている

新人時代の経験があるため、今は部下の資料へ否定的な意見を伝えるときほど、理由と改善方向を添えるようにしています。

資料が目的と合っていないなら、何を判断するための資料なのかを伝えますし、根拠が不足しているなら、必要な数字や比較条件を説明します。

単に「分かりにくい」「使えない」と言うだけでは、作った側は次に何を直せばよいのか分かりません。

私自身、急いでいるときや考えを整理できていないときには、説明が足りなくなることもあります。そんなときは、後からでも理由を補うようにしています。

資料を直してもらうことが目的なら、否定するだけでは足りません。どこを変えれば仕事で使える資料になるのかまで伝えるようにしています。

自分が新人時代に受けた言い方を、そのまま部下へ繰り返したくないという思いがあるからです。

まとめ

理由なく仕事を否定されたときは、その言葉を自分の能力全体への評価として受け取らず、次の点を確認します。

  • 目的と合っていなかった部分
  • 足りなかった根拠や前提条件
  • 次回、どのような形で示せばよいか

その場で聞けなくても、時間を置いて確認したり、資料の目的を知る人に見てもらったりする方法があります。

今は、否定の言葉を受け取っても、それを自分の能力全体と結びつけるのではなく、次の仕事へつなげるために何を具体化できるかを見るようにしています。

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