転スラ 第2話|弱小チームを「最強の村」に変える。52歳が語る組織のネーミングと融合術

スライムとして転生したリムルが最初に向き合ったのは、滅亡寸前のゴブリンの村。

リソースもスキルも不足し、ただ怯えるだけの彼らを、リムルはどうやって「戦う集団」へと変えたのか。私の目には、現場での立て直しを思い出す場面が多く描かれているように感じました。

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指示待ち集団に「思考の種」を蒔く戦略

かつて私も、外注スタッフが中心の「弱小チーム」のリーダーを任されたことがあります。当時はIT関連の小規模な運用案件で、進行管理と調整を担当していました。

当時の彼らは指示を待つだけで自発的に動くことはありませんでしたし、何か問題が起きても「何をすればいいか分かりません」という、まさにゴブリン村のような停滞した状態だったと思います。

そうした状況を変えようと、まず私が着手したのは、彼らが自分の考えを言葉にする機会を作ることでした。具体的には毎日1時間のミーティングを設け、徹底的に問いかけを繰り返したのです。

「この状況をどう思うか?」
「もっと効率を上げるには、どうしたらいいと思うか?」

最初は沈黙が続きましたが、根気強く続けるうちに変化が現れました。「自分も意見を言っていいんだ」「自分の考えがプロジェクトを動かすんだ」という空気が生まれたあたりから、現場の動きが変わったように思います。

リムルがゴブリンたちに「戦う意思」を確認し自立を促したように、私自身の現場でも、技術より先に「当事者意識」を意識していました。

「ネーミング」という定義が人をランクアップさせる

また第一話でもありましたが、
第2話でも「名づけ」というのが大きなキーワードになってます。

リムルが名もなきゴブリンたちに「名前」を授けると、なんと彼らは劇的な進化(ランクアップ)を遂げます。でもこれ、よく考えればファンタジーの世界だけの話ではありません。

「地位が人を作る」という言葉があります。
経験上、役割を言葉にしたことで動きやすくなる場面というのがあるものです。

ITの現場でも、単に「メンバーの一人」として扱うのではなく、「この領域のスペシャリスト」や「品質の最終防衛ライン」といった立ち位置を明確に定義することがあります。

名前や肩書きを付けることは、周囲に対する「この人はこういう役割である」という宣言であり、本人に対する「期待の表明」でもあります。私の関わったプロジェクトでも、立ち位置が明確になるとやり取りがスムーズになったことがありました。

ネーミングとは、組織の機能を最大化するための「設計図」という位置づけになるのかもしれません。

対立を解消する「巻き込み」のマネジメント

そんなリムルは、村を襲撃した牙狼族(がろうぞく)のボスを倒した後、生き残った群れを排除せず、仲間として受け入れました。この「敵を味方に変える」姿勢は、実社会、特に納品先との関係構築においても意識することが多いです。

例えば、納品先の担当者が特定の仕様に強く固執し、プロジェクトが停滞する局面があります。ここで対立してしまえば、プロジェクトそのものが危険にさらされます。相手がなぜその点に拘っているのか。私の場合はそこを確認するところから状況が動くことが多かったです。

相手の意見の裏には、実際にはその人の上司からのプレッシャーがあるのかもしれません。

私は、担当者が納得できる材料を提供するだけでなく、その人が「自分の上司を説得できるための理論武装」を一緒に考え、提供するようにしてきました。

そうしたやり取りを通じて、関係性が和らいだと感じたことも結構あります。

文化の違う多種族を「まず混ぜる」統合術

第2話では、異なる種族を1つにまとめ上げるお話し。

リムルは新しく仲間になった牙狼族をゴブリンとペアにさせ、一つの村として機能させました。これは、以前私が経験した「会社の合併」に伴う組織統合のプロセスと重なります。

合併初期、異なる文化を持つ組織同士は、必ずと言っていいほど反発し合います。「自由で裁量の大きい文化」と「厳格に管理された文化」が衝突すれば、現場は混乱します。そんな時、私が大切にしているのは「まず混ぜてみる」こと。

最初は当然、戸惑いや摩擦が起こります。でも異なる専門性や背景を持つメンバーが同じテーブルで汗を流し互いの強みを知ることでしか、真の多様性はなかなか生まれにくいと思います。

相手を「異物」として排除するのではなく、共通の目的を持つ「パートナー」として強制的にでも混ぜ合わせる。摩擦はありましたが、その中で互いの強みが見えた場面も出てきました。

「対等」の場に降りる勇気

リムルは圧倒的な魔法を持っていましたが、
それを部下を支配するために使うことはありませんでした。

私自身、経験から来る正論を急ぎすぎてしまい、空気を固くしてしまった経験があります。でもそれでは相手は萎縮し本音を隠すようになりますし、実際には同じ目線で話したほうが本音が出やすかったです。

リムルが作った「ゴブリンと牙狼族が共生する村」のように、安心感があると動きが良くなると感じた場面も多いです。

若い頃の失敗が、今になってようやく腑に落ちることも増えてきました。52歳の今、私もまた自分の経験を「威圧」ではなく、チームを支える「土台」として使えると良いなと思います。

転スラ 第2話のまとめ

弱小チームに思考の種を蒔き、ネーミングで役割を与え、異なる文化を混ぜ合わせる。第2話は、私自身が現場で悩んだ記憶をいくつも呼び起こす回でした。

次回は、村の基盤を作るための「衣食住」の確保やそのための「専門家」の招致について。

次回は「衣食住」と「専門家」の話を見ながら、私が現場でつまずいた“土台作り”の記憶を少し語ってみたいと思います。

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