仕事でも日常でも、「なんとなく違和感がある…」とった微かな感覚が、大きな問題を未然に防ぐことがあります。
ジョジョ第2話は、まさにその「違和感」に気づいた人間だけが真実へ近づく物語。
この記事では、ジョナサンの行動を手がかりに、「違和感に気づく力」と、それを調査につなげる習慣について、私が30年以上IT現場で培ってきた経験を交えてまとめます。
エンジニアとして小さな違和感をどう捉え、行動に変えていくべきか、参考になれば幸いです。
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エンジニアの耳が捉えた、微かな「音」の違和感
ジョナサンが父の病状に抱いた「何かおかしい」という直感。これは論理より先に体が反応する感覚であり、現場仕事では見逃してはいけない最初のサインでもあります。
私自身、これまで仕事の中で数多くの小さな直感に出会ってきました。
周囲が気が付かない違和感の正体
特によく覚えているのは、昔、音楽系の部署に所属していた時のこと。周囲は誰も気づいていないのに、私だけが「何か、音がおかしくないか?」と、ぶつぶつ独り言を言っていました。
音量は正常のようですが、音が散らばっているような、何か抜けてるような広がり方で落ち着かず、音像が定まらないような気持ち悪さがあったのです。
一緒にいた先輩たちは「え?普通だと思うけど…」と言っていましたが、私が執拗に「いや、やっぱりおかしい」と言ったので調べた結果、スピーカーの配線が正負逆になっていたことが判明しました。
「なんとなく」の感覚を大事にする
システムの分野でも同様です。例えばあるWebシステムのレスポンスタイムが微妙に遅延するケースがありました。監視ツールでは閾値を超えていなかったものの、「なんとなく遅い」と感じて深く調査した結果、データベースのインデックスが不足していることが判明。
早めに気づけたおかげで、大規模な障害を未然に防ぐことができました。
一見正常に見えても、現場に流れる「空気感」のズレを察知できるのは、その場に精通した人の感性ならではだと思います。
ジョナサンが薬の成分に不審を抱いたように、エンジニアにとって「なにか嫌な予感がする」という感覚は、致命的なバグを未然に防ぐための大切な力だと、私は30年以上の現場で何度も実感してきました。
「敵地」に飛び込まされた経験と、論理の限界
ディオの陰謀を暴く証拠を求めて、ジョナサンはロンドンの悪名高いスラム街「食屍鬼街(オウガーストリート)」へと一人で乗り込みます。
彼のような圧倒的な「自ら行く勇気」はありませんが、私には「上司に連れられて敵地に飛び込まされた」という、今思えば貴重な経験があります。
1回目は成功、2回目は失敗
上司からの信頼ゆえか、厳しい顧客との価格交渉の場に同行を求められた際のこと。
一回目は、若さゆえの怖いもの知らずで、論理的に相手を説き伏せることができました。しかし交渉はそこで終わらず、相手の担当者が変わった二回目、同じ論理を振りかざしても全く通用しませんでした。
一回目の相手は筋道が通れば納得するタイプでしたが、二回目の相手はまず「こちらがどこまで現場を分かっているか」を見極めようとしていました。同じ説明でも、相手が変われば届き方がまるで違う。そのことを、私はその場で痛感しました。
状況が変われば論理も変わる
アウェーの環境で人を動かすには、理屈の正しさだけでなく、相手の立場を読むこと、話す順番を考えること、そして自分が責任を負う覚悟を見せることが必要なのだと思います。
ジョナサンが拳を交えながらスピードワゴンの信頼を勝ち取ったように、本当の交渉は「言葉の裏にある覚悟」が試される場なのかもしれません。
「知らない」から「嫌い」が生まれる部門間の対立
食屍鬼街で出会ったスピードワゴンは、最初こそジョナサンと敵対しますが、ジョナサンの高潔さに触れて生涯の親友となります。
私もエンジニアとして、最初は反発し合っていた部門との関係が、深く関わることで大きく変わった経験があります。
堂々巡りとなった会議
あるとき、開発部門と運用部門の間で激しい対立が起きていました。
開発側は「新機能を追加すれば売上を20%向上させられる」と主張し、3ヶ月以内のリリースを強く求めていました。
一方、運用側は「安定運用を最優先にしたい。現在でも月間障害発生率が1.2%あり、これ以上負荷をかけるとサービス停止リスクが急増する」と反論し、機能追加自体に慎重な姿勢でした。
主張が平行線をたどり、会議は毎回堂々巡りの膠着状態。
対立を解消するために試したこと
このままでは何も進まないと考えた私は、開発と運用のメンバーを意図的に同じタスクに巻き込み、物理的に「膝を突き合わせる」状況を作りました。
具体的には、「障害対応のログ解析」という、どちらにとっても避けて通れない現場作業を、あえて合同作業にしたのです。
- 何をしたか: 過去の障害ログをスプレッドシートに並べ、開発メンバーには「この実装意図を解説してもらう」、運用メンバーには「このタイミングでなぜ異常と感じたかを解説してもらう」という、互いの判断プロセスを言語化する場を作りました。
- 変化の兆し: 最初の1週間は「なぜこんな仕様にしたんだ」「なぜもっと早く報告しないんだ」と不満が飛び交いましたが、2週間を過ぎると空気が変わりました。開発側が「運用の監視画面ではこう見えるのか」と驚き、運用側が「開発にはこういう技術的制約があったのか」と納得し始めたのです。
- 結果: 敵対関係が消え、自然と「次からはここをこうすれば安定するね」という具体的な折衷案が現場レベルで生まれるようになりました。
ビジネスにおける対立の多くは、相手の「見えている景色」を知らないことから始まるのだと思います。
私はこの経験から、対立が起きた時こそ「同じ釜の飯を食う(同じ作業を一緒にやる)」ことが、どんな会議よりも早く壁を壊す絶好の手段だと思います。
執念の積み上げが、組織を動かす唯一の手段
ジョナサンは、ディオを追い詰めるために徹底的に証拠を積み上げました。52歳の今、私が振り返って思うのは、組織で仕事を進める上で最も大切だと感じているのも、この「論理的な積み上げ」です。
エンジニアの世界では、感情論は通用しません。なぜこのシステム変更が必要なのか、なぜこの納期が必要なのか。それらを証明するために、地道にデータを集め、論理を構築するしかありません。
実際の現場では、例えばある金融機関の基幹システムで「特定の時間帯だけ処理が突然止まる」という深刻な不具合が発生したことがありました。
私は3日間ほぼ徹夜に近い状態でログを追い続け、過去の仕様書を5年前のバージョンまで遡って確認しました。
派手な作業ではありませんが、その執念の積み上げが、最終的に「特定のバッチ処理とデータベースのロック競合」が根本原因だと特定し、上層部を納得させる唯一の材料になりました。
ジョナサンが7年という長い時間をかけてディオとの関係を保ち、機が熟すのを待ったように、私たちもまた、大きな目的のために「今やるべき地道な仕事」を一つずつ積み上げていかなければなりません。
まとめ「違和感を追う力」
微かな違和感に気づくこと。
そして、それを気のせいで終わらせずに追っていくこと。
仕事をしていると、結局そこが一番大事だと感じる場面が何度もあります。
ログを何時間も追い続けたり、現場に足を運んで空気感を確認したり、相手の事情を深く聞き出したり、すべては「何かおかしい」という最初の違和感から始まります。
派手ではありませんが、そうした地道な調査と執念の積み重ねが、最後に大きな成果や信頼を生むことを、私は30年以上の現場で何度も経験してきました。
今回のジョジョ第2話を見ていて、そんなことを改めて思いました。


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