「この問題、大きすぎて手がつけられない…」
プロジェクトが炎上し、複雑に絡み合った課題を前にして、途方に暮れた経験はありませんか?
私は52歳現役ITエンジニアとして、30年以上の現場で何度もそんな巨大な困難に直面してきました。特に合併後の大規模システム移行プロジェクトでは、「このままでは絶対に終わらない」という絶望感に襲われました。
毎晩胃が痛くなり、夜中に何度も目が覚め、「自分はこのプロジェクトを本当にまとめられるのか」「失敗したらチームや家族に顔向けできない」と強い無力感と自己嫌悪に苛まれ、心が折れそうになる瞬間が何度も訪れました。
そんなときに強く印象に残ったのが、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険』第3話です。
燃え盛る屋敷の中で、ジョナサンが吸血鬼ディオに立ち向かう極限の状況——退路を断たれ、炎に包まれながらも、ジョナサンは巨大な敵を前に冷静に状況を分析し、「今、自分にできる小さな行動」を一つずつ分解して実行していきます。あの燃える屋敷での執念と冷静さが、私の胸に深く刺さりました。
困難を「小さく分解」して突破した過程
ジョナサンが炎の中で「今できること」に集中したように、私は巨大な「システム移行」という問題を細かく分解しました。
- 全体像の把握 → 移行対象データをカテゴリ別に分類
- リスクの切り分け → 致命的な影響があるデータとそうでないものを分離
- 最小単位のタスク化 → 1日で完了可能な「小タスク」に落とし込む
特に効果的だったのが「1日1勝法」です。
毎日必ず「今日これだけは絶対に完了させる」という小さな勝ちを積み重ねました。
具体例として:
- 1日目:移行対象データの全体マッピング表を完成させる
- 1週間目:リスクが高い重要データのテスト移行を1パターン完了させる
- 1ヶ月目:関係部署間で最も意見の食い違っていた要件を1つ確定させる
最初はメンバーからも厳しい声が上がりました。あるスタッフがため息混じりに「そんな細かいことで本当に進むんですか? 全体を見ないと意味ないんじゃないですか…」など言っていたのを今でも覚えてます。
私自身も内心「本当にこれでいいのか」と葛藤していましたが、ジョナサンが炎の中で一歩ずつ前進した姿を思い浮かべながら続けました。
すると2週間後、別のスタッフが少し照れながらこう言いました。
「実は昨日、1日1勝でやった部分が今日役に立ちました。なんか、少しずつ見えてきた気がします。」
その言葉を聞いた瞬間、チームの空気が変わったのを感じました。
分解思考をチームに広げた方法
一人で分解思考を実践するだけでは限界があると気づいた私は、チーム全体に広げました。
毎朝の短いミーティングで「今日の1勝」を宣言させる仕組みを作り、ジョナサンが仲間を鼓舞しながら状況を分解したように問いかけ続けました。
ある朝、私はチームにこう投げかけました。
「みんな、今日できる小さな一歩は何だ? 完璧じゃなくていい。一つだけでいいから教えてくれ。」
最初は誰も口を開きませんでした。
気まずい沈黙が続いた後、以前は一番消極的だったスタッフがぼそっと言いました。
「俺、今日この部分のデータ検証だけは絶対に終わらせます。」
その声がきっかけとなり、次の日には別のスタッフが「俺は昨日できなかった部分の再確認をやります」と発言するようになりました。
2週間後には、あるスタッフが笑顔でこう言いました。 「正直最初は恥ずかしいし、もっといえば馬鹿らしいとさえ思ってました。でも分解して一つずつやっていくと、本当に全体が少しずつですが見えてきたんですよね。」
この過程で、チーム全体に「困難は分解できる」という共通認識が生まれ、空気が明らかに前向きに変わっていきました。
まとめ|困難を分解する思考法がもたらすもの
- 困難に直面したらまず「小さく分解」して全体像を可視化する
- 毎日「1日1勝」の小さなタスクを必ず完了させる
- 分解した問題をチームで共有し、当事者意識を持たせる
- 焦ったときは一旦立ち止まって「ジョナサン視点」で分析する
『ジョジョの奇妙な冒険』第3話が教えてくれるのは、極限の困難に直面したときこそ、闇雲に突っ込むのではなく、冷静に小さく分解して一つずつ突破する思考法が最も強いということです。
ジョナサンが燃える屋敷の中で一歩ずつ前進したように、私たちも巨大な壁を前にしたとき、感情に流されず分解して行動することが成長の鍵になります。
52歳の現役エンジニアとして実感するのは、年齢を重ねるほど、派手な才能より「困難を丁寧に分解し、積み上げる力」が差を生むということです。
この記事が、目の前の巨大な壁に立ちすくんでいるあなたの「次の第一歩」になることを、心から願っています。
(2026年5月 困難を分解し続けてきた52歳現役エンジニアより)


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